第10話 チョウ族
「今はみんなのことスキルの名前で呼んでるけどぉ、外でスキル名を言っちゃったらぁ、どんなスキルを持ってるかバレちゃうよねぇ。」
「だからみんなに名前をつけてあげるよぉ。」
連携→レン
蓄積→セキ
堅固→ケン
技巧→ギコ
暴走→ボウ
「こんな感じでいいかなぁ?」
「それじゃあ行こうかぁ。」
先生に連れられてアリの巣を上へと進んでいく。
その時に気になることがあったので聞いてみた。
(先生にも名前はあるはずだよな…先生の名前を教えてくれないか?)
「あ〜そういえば教えてなかったねぇ。」
「僕の名前は『ハク』って言うんだよぉ。『博学多才』のハクって覚えてねぇ。」
(博学多才...?4文字のスキルなんてあるのか......)
「このスキルは結構上位の物なんだよぉ。効果は色々あるんだけど....まあ簡単に行ったら、もうこのスキルがあれば何でも出来ちゃうって感じかなぁ。」
だいぶ暖味な表現だが、強力なスキルであることは間違いなさそうだ。
その時、博学多才という言葉にセキ《秀才》が反応した。
(もしカシテ、博学多才というスキルはワタシの『秀才』と何か関係があったりシマスか?)
「おおっ、セキちゃん鋭いねぇ。そうだよぉ、博学多才は、秀才の進化先の一つなんだよぉ。」
(進化?)
「スキルの進化についてはまた今度教えるねぇ。あっ、もうそろそろ地上が近くなってきたみたいだよぉ。」
スキルの進化についてはかなり気になりはするが...
どうやら自分たちはもうすぐ地上に出ることができるようだ。
言われてみればこの通路にも少し光が差し込んできているようにも見える。
するとまもなく地上への出口が見えてきた。程なくして出口についた。
「さて、外に出てみようかぁ。」
ハク先生に言われて、皆で外に出た...。
そうして巣から出て周りを見渡してみた。辺りに草木はなく土や砂の地面が広がっていた。
「みんな出てきたかなぁ?じゃあ向こうを見てごらんよぉ。」
全員で言われた方向を向いた。
するとその方向から前世でも見たことがある虫が見えた。
それは...「蝶」だった。
青い大きな羽を羽ばたかせながら、優雅に空を飛んでいる。
「おお〜い、こっちだよぉ〜」
ハク先生がチョウに向かって呼びかける。するとそのチョウはこちらに向かって降りてきた。
そしてこちらに近づいてきて、ハク先生の前に降り立った。大きさは自分の全長の2倍ほどだろうか。
前世の虫同士の大きさの関係とは、大きく異なっているようだ。
「お久しぶりです。ハクさん。」
「そうだねぇ。1ヶ月くらい会ってなかったかなぁ?」
どうやら蝶は先生と知り合いらしい。
「まずは自己紹介よろしくねぇ。」
「わかりました…。皆さん初めまして、リンと申します。この度はハクさんに授業のサポートとして呼ばれました。よろしくお願いしますね。」
(よろしくお願いします……ところでリンさんと先生はどのような関係なのでしょうか?)
「ハクさんとの関係ですか?そうですね……ハクさん、これは授業の内容に被っていますか?」
「多分入ってるよぉ。」
「それなら授業も兼ねて、ハクさんから説明してもらった方がいいでしょう。」
「それじゃあ教えるねぇ。まずは国の位置関係から始まるんだけど……」
「アリの巣とチョウの国は隣にあるんだよぉ。だから昔から交流があって仲も良かったんだぁ。」
「それとは別の話にはなるんだけどぉ、この虫族大陸の中央にはいろんな国の虫たちが住んでいる、『虫族中央国』っていうのがあるんだぁ。」
「僕は昔そこで働いていてねぇ。そこで出会ったのがリンなんだよぉ〜」
「国同士の仲が良いこともあって、すぐに意気投合したんだよねぇ〜」
「まあこの話はここまでににしておこうかぁ。」
「次は近くの他の国について教えるねぇ。リン、お願いできるかなぁ?」
「はい、もうそろそろ来るはずなのでいけると思います……ああ来ましたね。」
リンさんの見た方向を見ると、5匹のチョウが飛んでくるのが見えた。
5匹のチョウは近づいてくると、地面に着陸した。
「彼らは私の部下です。今回のために集めました。」
..まさか
気づいてしまった。今この場には6匹のアリがいる。それに対して、チョウは今きた5匹を入れて全部で6匹いる。つまり…
「国についてここで学ぶのもいいけどぉ、やっぱ り実物を見たほうがいいよねぇ?っということでぇ、今からみんなで空を飛んじゃうよぉ〜!」
やっぱりそういうことだったか。
普通に他の国を見るだけでも楽しいとは思うが、それを空から見られるのはより楽しいことだろう。
「みんなチョウに乗ってねぇ。」
・チョウに乗る時のそれぞれの会話
①レンの場合
(よろしく)
(うん、よろしく〜)
②ケンの場合
((………………))
蝶の思考・・・こ、怖そうなアリだ…何にも喋らないし……どうしよう……
(………よろしく………)
(ひゃっ、はい…よ、よろしくお願いします……)
③セキの場合
(よろしくお願いシマス。)
(ははっ、よろしくねっ!)
④ギコの場合
(……よ、よろしく…で良いのかな?)
(……ああ、よろしくな…)
⑤ボウの場合
(よろしくな、乗せてもらうぜ。)
(……)
(…ん?聞こえなかったか?よ ろ し く な !)
(うるさい!聞こえてるよ!)
(あん?なんだお前、やんのか?)
(ああ、やってやるよ。)
(言ったな…?)
(( ウぉォぉぉオ!!))
「はいそこぉ!喧嘩したらだめだよぉ〜。」
(チッ、命拾いしたな。)
(そっちがだろ。)
(( ハァ? ))
「だからぁ、ダメだって言ってるでしょぉ?仕方ないなぁ〜。▲▶︎、えぇい!」
石が2匹を襲う……!
(ウッ)
(グッ)
バタッ
あらそいはおさまり、せかいにへいわがおとずれた…
「みんな乗ったねぇ?それじゃあ出発しようかぁ。」
先生は何もなかったように話を進めているが…。
先生が何か呟いた時、空中に石が現れてボウと相手のチョウを気絶させたのを見てしまった。
これは聞かずにはいられない……!
(先生、さっきのは…?)
「魔法だよぉ〜、今度みんなにも覚えてもらうからねぇ。」
なんかぬるっと魔法が存在すること判明してしまった…
もっと…こう…なんか…
タイミングとか……雰囲気とか….さ……




