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05.




世界が暗転したと思ったら、いつの間にか暗く狭い所に寝た体勢で、閉じ込められていた……



……何これ?試しに目の前の壁?を押してみたらすんなり動いた、どうやら閉じ込められてなかったらしい。




上半身を起こせる位まで、それを退かしてみると棺桶の中だったらしい。棺桶の外は、カーテンにより光が遮光された埃っぽい古い部屋の一室だった



……ここが種族スタート地点らしい、物音もしないし、闇夜に生きる者の気配察知も反応しない。




どうやら、ここは安全のようだ




安全なのなら、ここでステータスの確認などをしてしまおう。



棺桶に座ったまま、リアルの時間を確認するとそろそろ夕食の準備をする時間になる、母の手伝いをしなければ、冒険はしたいけど冒険の開始はその後のお楽しみです。




名前:サーシャ

種族:吸血鬼(純血) Lv.1

特殊技能:華となる者 Lv.1

属性:闇 

武器:なし

装備:古いワンピース 古い靴


《スキル》:華魔法 Lv.1

       鑑定Lv.1 看破Lv.1 生活魔法Lv.1 控え(6)


《種族スキル》:吸血Lv.1 肉体操作Lv.1 闇魔法Lv.1

        魔眼(魅了)Lv.1 闇夜に生きる者Lv.1

        HP·MP自動回復Lv.1 控え(4)




……あれ?私、武器持ってない……え?

素手が武器と言うことなの?……そうなの??




……とりあえず、兄に聞こう…………ログアウト。




宝探しとキャラクリに時間を結構費やしたけど、充実感はいっぱいです!



腕をぐーっと上に伸ばし軽くストレッチ、VR機器を片付け夕食の準備を手伝いにリビングへ




「あら、沙紗……ゲームはもういいの?今日がくるのをあんなに楽しみにしてたのに?」

「うん、ご飯食べたら少しだけログインして後は明日にする、学校もあるし」

「後1ヶ月ぐらいで、夏休みも始まるし、それまでの我慢ね~テストもあるでしょ?頑張ってね」

「……はーい」




母とお喋りをしつつ2人で夕食の準備をしたらあっという間に本日の夕飯の出来上がり、本日は和食です。




「沙紗、そろそろ伊織を呼んでくれる?」

「…うん、今メール中」



[沙紗:(あに)様ご飯だよ~]

[伊織:すぐ行くよ!]




きっとゲームに夢中なのであろう、兄にメールを送ると思いの外、直ぐにメールが返ってきた……びっくりです。




「すぐ来るって」

「そう、じゃあご飯よそっちゃうわね~」

「おっ、うまそー!」

「本当にすぐ来た…」

「丁度ログアウトした所だったんだー」



2階から兄が降りてきたと思ったら、キッチンに置いてあった生姜焼きをひと口、つまみ食いをして席についた




「こら、つまみ食いしないの……!お行儀悪いでしょ」

「ごめん!お腹空いちゃって、つい、ね……いただきまーす!」

「……いただきます。」

「はい、召し上がれ~」

「……というか、沙紗!今どこ?お兄様、はじまりのアインツで沙紗の事捜してたんだけど?」

「……はじまりの町なんて、知らない」

「……ん?」




ぱくぱくもぐもぐと、よほどお腹が空いていたのかハイスピードで夕飯を食べていたはずの兄の手が止まる




「……沙紗?お兄様に正直に言ってほしいんだけど、種族何にした??」

「……んぇ?……吸血鬼?」




にこにこと少しわざとらしい笑顔を浮かべる兄に首をかしげながら聞かれた事に正直に答えたら兄が項垂れ始めた、何かあったのだろうか……?




「……あぁー、人外種スタート……それも魔族かー宛が外れた…」

「……なに?ダメだった?」

「ダメじゃないよ?沙紗の好きにやっていいんだけど、出来れば……可愛い沙紗と一緒にゲームしつつ、可愛い沙紗の姿を何時でも見れる様に記録も……」

「兄様とは、DFWO一緒にやらない……」




我が兄ながら気持ちが悪い……今のひと言で分かると思うが、我が兄は正真正銘シスコンだ

可愛がってくれるのは、嬉しいし私も兄の事は好きだが少々いや、だいぶシスコンが行き過ぎていて困っている。




「えっ!いや、ほら……お兄様ゲーム得意だし色々教えられるし!ね?」

「はいはい、沙紗を可愛がるのは良いけど、沙紗が嫌がることはしないのー」

「うぐっ…」




流石は、母である。




「……ところで、兄様は種族なんなの?」

「…!お兄様は普通に人間だよーこのゲーム、ステータスを自分で自由に弄れないからやりたい事が決まってたり、あるとβの時から人間が1番やりやすいんだよねー」

「えっ……そうなの?」

「あれ?…沙紗知らなかった?聞いてくれたら何でも教えたのに!」

「だって……兄様は、β当たってたから先にプレイできてたけど、私は当たらなかったんだもん……」

「ふふっ、拗ねてる沙紗も可愛いな~♡」

「……むぅ…」




少し拗ねた私をいち早く気付き、にこにこと恍惚とした表情で見つめてくる兄、本当にこの兄ときたらすぐこれだ……




「でも、沙紗何も気にせずDFWOを好きにやったらいいよ~何かあったら、お兄様が助けてあげる」

「……助けはいらないから大丈夫、兄様は兄様で楽しんで?」

「ふふっ、だよね……沙紗ならそう言うと思った♡でも、フレンド登録はしとこうね」

「うん……」




デバイスを取り出してフレンド登録を交わすと兄のプレイヤーネームが表示された




「イバラ……」

「沙紗は、サーシャなんだねー可愛いなぁ……♡」

「……はいはい、ご馳走様でした。」

「あ、待ってよ沙紗~母さん、ご馳走様ー!」

「ふふっ、お粗末様でした~」




食べた食器をキッチンへ運んで、部屋に戻ったら入浴や学校の準備に寝る準備など、色々と終わらせようと思っていたら兄が後ろから追ってきた




「沙紗、お兄様からひとつアドバイスをあげる」

「アドバイス?」

「そう、DFWOは行動がスキルやステータスアップに繋がるから、沙紗の好きに行動したら良いよ」

「……好きにやって良いの?」

「うん、DFWOのAIは本当に優秀だからね、それにその行動を記録し学習する為に、僕達ひとりひとりに何台も見えないカメラを付けてる訳だしね~配信機能は、そのオマケだね」




オマケにしては、だいぶ凄い機能だと思うが……まあ、良い




「……学習って何学んでるの?」

「うーん、そこまで詳しくはお兄様も分からないけど、例えばスキルを使う時は、スキル名を言ったりして使うでしょ?」

「……うん」

「でも、DFWOにはスキル名が決まってないものもあるんだよね、特殊技能とかの影響で変わったりして全く別のスキルとかにも変わるから」

「スキル名なしって、どうするの?」

「βの時、スキル名が無いスキルにプレイヤーが勝手な名前をつけて使ってみた、そしたらスキルが使えちゃったらしい……きっと脳波を読み取って使いたいスキルをAIが理解して、スキルを発動させたんだろうって僕達は推測した」

「だから、学習……」

「そっ!でも、その逆も出来ちゃったんだよね……」

「逆?」

「スキル名なしのまま使えた、脳波を読み取ってスキルは発動した、スキルのクールタイムはちゃんと存在するみたいだからβでは、スキルを無限に使う事は出来なかったみたいだけど、正式リリースされた今からは……どうかな、楽しみだね?」




兄は微笑みながら、私の頭を優しく撫で部屋に戻って行った……そんな話を聞いたら、ますますDFWOが楽しみです。




……私も早くDFWOの世界に戻ろう。




お兄様、説明色々してくれてありがとう。

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