02.宝探し
ああ、これプレイヤーか……
白く輝く人形が、プレイヤーだと理解したと同時に
、ポンッと軽快な音と共に眼鏡をかけた、もふもふの可愛い白兎のキャラクターが現れました。
『Dive Fantasy World Onlineにようこそ!プレイヤーの皆様~!さっそくですが、皆様には今から宝探しをしていただきます!』
……宝探し?
『あっ、申し遅れました、私、白兎のサンと申します~、以後お見知りおきを!』
ホワイトちゃんが、ペコリと華麗にお辞儀した。
『さて、話は戻りますが……見付けるものは宝箱です!フィールドの至る所に沢山ありますので、お好きな宝箱をお1つ選び、フィールド中央にある、こちらの扉を開けて頂くとキャラクタークリエイト画面に移動します!』
ホワイトちゃんが、ぴょんぴょんと跳びはねながら中央の何も無い場所を指差します。
……扉とは?
すると、何もなかった空間にお洒落な両開きの扉が現れました、とっても素敵です。
『宝箱には、特殊技能とランダム1つ、スキル、武器、装備、特殊な種族になる為の種族アイテムのどれか1つが入っております!もし、宝箱の中身が気に入らない場合は5回まで選び直しが可能ですので、気軽なお気持ちで好きな宝箱をお選び下さ~い!……それでは宝探しスタートです!!』
スタートの合図と共に、白かった空間があっという間に自然が広がる、色鮮やかなフィールドに変化しました。
本当に凄いです……
木々がざわめき、草木が生い茂る森
水のせせらぐ、綺麗な小川
小川の奥を良く見ると滝などもある……
ごつごつとした岩が沢山ある岩場、ベンチのある公園、遺跡の跡地、本当に色々な風景が広がっていて……見てるだけでも楽しいです。
フィールドを見渡していると、所々に淡く光る宝箱があった……これが、宝箱
……まるで、宝石箱の様です。
風景と楽しみ宝箱に感心してる間に、周りの人達が次々と宝箱を持ち中央の扉に向かって移動している……
私もそろそろ宝探しを始めようと辺りを見渡し、風景を楽しみながら、ふらふらと歩き始める……きっと何処かに在るであろう場所を探す。
目的の場所は、自然の多い場所にきっと…………あっ、ありました!
あっちの木陰に、目的のお花畑を発見し
気分も晴れやか足取りも軽く、お花畑に向かう。
そういえば、母と父から私たちの名前は、全て薔薇に因んだ名前だと前に聞いたのを思い出した……
兄が、伊織 私が、沙紗
結構珍しい名前だと思う
お花畑に咲いている花を見回してみると、本当に沢山の花が季節問わず咲いている……素敵な花園です。
そうだ!こんなに花が咲いているのなら、きっと……
……見つけた。
私が探していたのは勿論、薔薇の花だ
薔薇を見回すとひとつだけ、まだ咲いていない薔薇がひとつ……
ですが、この薔薇の蕾……他の薔薇に比べると蕾が少し大きい気がするような……?
どうしてでしょう……?
少し蕾を観察すると、蕾の中が光っているようです。
蕾の中を覗き込んでみると、光っていたのは……小さな宝箱でした。
あぁ、だから少し大きく膨らんで、光り輝いていたんですね……薔薇の蕾からのプレゼント
……この宝箱にしましょう。
ゆっくりと花を傷付けない様に……蕾から宝箱を取り出し、中央の扉に向かう為に歩き出す……。