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きつねの しんぱい

ゆきは さらに ふりつづけました。コリーは しらないみちを、とぼとぼ あるいていました。いままでのことを、こうかいしはじめたのです。

いえから ずいぶん とおいところまで きてしまったことに、まったくきづいていないようです。じめんには、コリーのかわいらしい あしあとが、くっきりと のこっていました。


しばらくしてコリーは、ゆきが うっすら つもっている はらっぱに たどりつきました。そこは、こなざとうを まぶしたような きれいな ばしょでした。でも、コリーは もう ぴょんぴょん はねたり、スキップをする きぶんには なれませんでした。なんだか むねが いっぱいだったのです。

コリーは こしかけるのに ちょうどいい きりかぶをみつけ、ぺたんと すわりこんでしまいました。


しとしとしと はらはらはら


やわらかい なみだのように、ゆきは ふることを やめませんでした。

どれくらいの じかんが たったのでしょうか。コリーは、こちらへ なにかが むかってきていることに きづきました。


つぽっ つぽっ ぽつっ つぽっ


ゆきが たくさん ふっているので、むかってきているのが だれなのか、よくわかりませんでした。しかしコリーは そのぶきみな おとをきいて、おちつかなくなりました。じぶんの しんぞうのおとが きこえてくるようでした。


コリーは ちかづいてくる 〝なにか〟 を じっと みつめました。そして、その〝なにか〟は、


ドサッ


と おとを たてて、コリーの めのまえで たおれたのです。それは、うつくしい きんいろの毛をまとった、キツネのこどもでした。


「 いたいよぉ、おかあさん・・」


キツネは なきながら、おかあさんを よびました。どうやら、まいごになってしまったようです。キツネは、コリーが ちかくにいることに きづいていないようでした。


「いたいよ・・ぐすっ。」


コリーは にげたいきもちを おさえて、


「キツネさん、だいじょうぶ?」


と こえを かけました。


「だぁれ?」


キツネは コリーのほうへ ふりむきました。


「ぼくは しまりすだよ。しまりすの コリーだよ。」


からだが ふるえながらも、コリーは はっきりとした こえで こたえました。


「しまりす・・しまりすが どうして、こんなところにいるの?」


キツネは、めずらしいものを みたような めで、コリーをみつめました。


「あそんでいたら、いつのまにか ここに いたんだ。」


とコリーは いいました。


「おもしろいことを いうね。」


そういうと、キツネは つづけて こういいました。


「ぼくは、ここへ くるとちゅうで ころんじゃって・・おうちへ かえろうと おもったんだけど、ゆきで おうちの ほうこうが わからなくなっちゃったの。」


キツネの めには、じわじわと なみだが でてきていました。コリーは なんだか じぶんも なきたい きもちになりました。


でも、ないたって なにも かわらない・・。


そう、じぶんに いいきかせました。そして、コリーは キツネの あしもとを のぞいてみました。みると うしろあしに、すりきずが ありました。


「いたいよぉ・・うえーん。」


キツネは なきだしてしまいました。


「なかないで、キツネさん。」


コリーは かんがえました。そして、おもいついたのです。コリーは じぶんのマフラーを キツネの うしろあしに まいてあげました。

それは ちょうど、すりきずのまわりを かくしてくれました。すると おどろいたのか、キツネは なきやみました。コリーはキツネに はなしかけました。


「だいじょうぶだよ。きっと おかあさんが むかいにきてくれるよ。」


キツネは、


「キミは かわってるね。こんなぼくに、やさしくしてくれるなんて・・。」


コリーの めを まっすぐ みていいました。それから コリーとキツネは、はじめて わらいあったのでした。


どれくらいのじかんが たったのでしょう。いつのまにか ゆきは やみ、そらは まっかな ゆうひに つつまれていました。コリーとキツネの かげが、じめんに大きく うつしだされていました。そのとき、


こぉーん・・


とつぜん、だれかの こえが きこえてきたのです。すると キツネは 立ちあがり、みみを ぴくぴく うごかしはじめました。


「おかあさんだ! おかあさんが ぼくを よんでくれてる。」


キツネは うれしそうに、こえのする ほうこうを みています。


「よかったね。これで おかあさんのところに かえれるね。」


コリーも うれしくなりました。


「うん・・ぼく、おかあさんに あやまろうとおもう。おかあさんに しんぱいかけたから、ちゃんと あやまるよ。」


キツネは はっきりと いいました。


「ぼくも、おかあさんに あやまるよ。ぼくは いままで、いっぱい ひどいことをしてきたから、ゆるしてもらえるまで あやまるよ。」


コリーも じぶんの やるべきことに、やっと きづくことができたようです。


「ばいばい。また あえるといいね。」


キツネは さびしそうな かおをしています。


「きっと、あえるよ。またね。」


とコリーは、げんきいっぱいに いいました。キツネは えがおになりました。

こうして キツネは、おかあさんのところへ かえっていったのです。



そして これは、キツネのかぞくが なかよく かえったあとのことです。はらっぱから すこし はなれた しげみから、おかあさんりすが とびだしてきました。コリーは かけつけてくれた おかあさんりすのもとへ、まようことなく、はしっていきました。


たいせつなことに きづいたコリーは、おかあさんりすと、いまより もっと、なかよく くらすことができたのは、いうまでもありません。



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