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第39話 いざ王都へ!

 翌朝。


 ユナがパーティーに加入してから、ベッドはもうすし詰め状態を超え、何と表現すればいいのかわからない状態になっていた。


 三人とも寝相が悪く、抱きまくらにされているのは日常茶飯事。肌の密着も必然。他者と抱擁してることになるのでリラックスはできるので、決して嫌ではない。


 ただ、最近は暑くなっていて夜は非常に寝苦しい。装備に《不快軽減》があるから、なんとか耐えられるけどね。


 将来家を立てるとすれば、寝室を大量に作ってそれぞれが一人で寝れるようにしましょう。じゃないと深い眠りが取れなくて睡眠障害になってしまいそうだ。


 前世で明晰夢の見すぎてそれを発症してしまったが、アレは本当にきついからね。二度とあんなの味わいたくない。


 でも、そんな寝苦しい夜は今日で終わり。


 だって王都へ出発するからね。野営セットは寝袋を4人分新しく買えば、抱きまくらにされること無く眠れるだろう。


 街を出るわけだし、お世話になった人たちに挨拶回りをしないとな。黙って出ていくのは失礼に当たるだろう。


 冒険者ギルド受付嬢のリディア、ギルマスのビンセント。防具屋のギルバトスなど。


 攻略隊のメンツとかも合わせれば、ざっと30人ぐらいいるな。最低でも2〜3時間はかかりそうだ。


 まだ日が昇ったばっかりだし、お昼ごろには出発できそうだね。


 その前に、前にいろいろ買った雑貨屋で寝袋でも買おう。


 俺たちは少し飽きてきた永遠神竜の肉のハンバーグを食って、真っ先に例の雑貨屋へ向かった。



 ◆◆◆◆◆



 一つ大銀貨9枚もする最高級寝袋を病で買い終え、冒険者ギルドへと駆けていった。


 バタン!とドアを開け、そのまま進んで話しかける。



「リディア」

「はい!依頼の受注ですか?素材の買い取りですか?」

「残念ながらどちらもハズレだ」

「ではどのようなご要件ですか?まさか私をデーt――」

「いや、街を出るから、その挨拶に来たんだよ」

「え!?スカイさんこの街を出ちゃうんですか!」

「「「「「「「「ええええええええ!?」」」」」」」」



 リディアの声を皮切りに冒険者たちが驚きの声を上げていた。


 彼女の声質は少しの曇りもなくクリアだから、冒険者ギルドホールによく反響するんだよね。



「リディア……ちょっと声大きすぎるって」

「あっ、大変申し訳ございません!」



 このあと、俺たちには、男臭い冒険者たちに揉みくちゃにされながら「出ないでくれぇ〜」と迫られることが待っているだろう。


 早速、ホール内の冒険者たちが俺たち4人を囲もうと接近してきた。


 先頭にいた冒険者は後ろの冒険者たちに前へ押されるため、彼らと俺たちの距離がどんどん近くなっていく。



「スカイさん!出ていかねぇでくれぇー!」

「うちの街に強い冒険者がいなくなるじゃねーか!」

「フィーナちゅわん!行かないでんっ♡」



 ……ほらね。


 冒険者たちの汗臭がきつすぎて、鼻がひん曲がってしまいそうだ。あと最後の方に聞こえたロリコンの言葉は、あと一歩でゲボが出そうなほどキモかった。


 でも、冒険者たちにまとめて挨拶できたわけだし、良しとしましょう。時間がめっちゃ浮いたね!


 あとギルマスのビンセントに挨拶したら、さっさと他のところに向かうか。




「そうですか。寂しくなりますね」

「また戻ってきますよ。何かあったらぜひ俺たちを呼んでください」

「君たつのおかげでこの街の冒険者の平均レベルが15ほど上がっている。それでも君たちを呼ばないといけないほどのことが起きたら、この街は壊滅するかもしれませんね」

「そんな馬鹿な」

「はははは。しかし、あながち間違ってないと思いますよ」



 ビンセントと軽い冗談を交わし合い、ギルドをあとにした。



 ◆◆◆◆◆



「ギルバトスは防具を売ってくれたから、挨拶しに来た」

「おう。君らがスカイの仲間か」

「ん」

「そうなのです!」

「はい」

「そこの金髪のお嬢さん。その防具はワシの最高のものだ。その防具より強いものを手に入れるまで、大切に使ってくれ」

「もちろんです。すごく強い防具ですね。ギルバトスさん、尊敬します」

「ほっほっほ。お嬢さんが気に入ってくれてよかったわい」



 最後にほんのお礼として、ミスリル5キラ分をプレゼントしてから部屋を出た。


「受け取れないぜそんな量」と、全く受け取ろうとしなかったので、作業場の倉庫の中身を丁寧に取り出してから、無理やり奥底にねじ込んでやった。もちろん、中身を同じように戻した。


 さすがに5キロは多かったか?でも多くてもギルバトスには損はないし。こっちからしてもいくらでも生み出せるから、問題は一切ない。



 ◆◆◆◆◆



 そうして、挨拶回りは終わったのだった。



「よし、ここでやることは全部やったし、今から出発しちゃうか!」

「そうね。王都に可愛い服とかお菓子とかあるか楽しみだな〜」

「王都のダンジョン行きたい」

「ワクワクが止まらないのです!」



 俺たちは、この街の正門へ向かっていく。


 進んでいくたび、だんだんと人の声がにぎやかになってきているな。また何かあるのか?


 いや、決して悪いことは起きてなさそうだ。



「あれが『魔天剣と神狼の輝き』のメンバーか」

「スカイー!フィーナー!あと狼耳と金髪!ありがとよ―!」



 どうやら俺たちの見送りをしてくれているらしい。


 俺たちのゴブリン殲滅作戦での活躍は多くの街人に知れ渡っていて、俺たちがこの街を出ると聞きつけた人々がここ正門にごったがえしているようだった。


 見送ってくれているみんな手を振って、ファンサする気分を味わいながら、門へと歩いていく。


 こうして見送られるのは、こんなにも嬉しいんだね。この街には長く滞在してなかったけど、いい思い出が残せてよかった。



 そして、大きなアーチを描く門をくぐる。より一層みんなの歓声が盛り上がった。



「またきてくれー!」

「待ってるぞ―!」



 ――みんなの素晴らしい声援に、俺たちは盛大に応えよう!



「「ありがとう!!」」

「またくる!」

「さようならなのです!」

このお話は、ここで一旦完結といたします!

趣味で書き始めたこの拙い作品を読んでくださった方には、感謝をしてもしきれません。

『明晰夢厨の異世界無双』のリメイクに関しましては、来年は高校受験があるため、再来年の4月下旬ごろに投稿できればなと思います。

受験勉強の合間を縫いながら、構想を練ったり表現などを学んで練習したりしていきたいと思います。

リメイク版は序盤の流れと大きく変わるかもしれませんし、ほとんど変わらないかもしれません。

どちらにせよパワーアップした内容をお届けできると思いますので、楽しみに待ってくださったら嬉しいです。


リメイク版を投稿し始めた際はリメイク前の『明晰夢厨の異世界無双』でお伝えしますので、ブクマされている23名の方はそのままに、まだお済みでない方はブクマ登録することをおすすめします!



【最後に】

感想、いいね、評価、ブクマ、レビューはお気軽にどうぞ!

誤字報告や表現のアドバイス等もぜひお寄せください!

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