第37話 オヤクソクからの……
「どう?似合ってる?」
「もちろん」
ユナが俺が作ったブラを着て見せてくる。
純白の布はユナの血色のいい白い肌によく馴染んでおり、見栄えもいい。デザイン性も意識して、バンドにはフリルもあしらっている。
スキルもオールインワンな内容だ。
《神布と永遠神竜の革のアップリフト》
防御力:1980
耐久力:∞
スキル:身体浄化 消臭 快眠 日焼け防止 不快軽減Ⅹ 魅惑Ⅰ 破壊不能
一つ余計なものがついてしまったが、気にしないことにしよう。
「なぁユナ、冒険者登録する?」
「もちろん。逆にしないっていう選択肢ある?」
■■■■■
「ねぇ、冒険者登録ってテストするんだよね?」
「ああ」
「何するの?」
「戦術・戦技スキル、魔法、実戦の3つ。それらを総合的に見て合格か不合格か決めてるらしいから、ユナなら合格するだろ」
「なるほどn――」
「きゃぁぁぁ!やめてください!離してください!」
「うるせぇアマ!さっさとこっち来い!」
「「「「!」」」」
大通りで何やら騒ぎが起きているようだ。
複数の男が一人の女性を取り囲んで、乱暴に引っ張り連れて行こうとしているようだ。
こんな大通りのど真ん中で白昼堂々とそんな事をするなんて、バカすぎて仕方がない。脳みそ頭に詰まってないのか?
ここで俺たちが助ければ、テンプレに乗る可能性が高そうだな。身なりもいいし、どこかのお金持ちの娘さんかな?
「あのー」「ちょっと」「ねぇ」「すみません」
「なんだ、お前ら感ケェだろうがぁ!捕まりたいのか?」
「いえいえ、そんなことはございません。さて。お約束通り、あなた方を気絶させてあの少女を助けましょうか」
「貴様ァ゙!舐めてんのかァ゙!!!」
「――エぃヤァ゙ッ」
「グハァッ」
一閃!俺の手刀が男どもの首を襲い、一瞬で意識を刈り取った。よかった、まだ息がある。調子乗って力んでたら、殺しかねないからね。
《Information:スキル《変声Ⅰ》を習得しました》
「大丈夫ですか?」
「はい。ありがとうございます。あの、皆様のお名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
「ランクB冒険者、スカイ・インフィニティです」
「ユナ・スイレイ。以後お見知りおきを」
「フィーナ・インフィニティー。ランクB冒険者」
「リライなのです」
「ありがとうございます。では!」
そう言って、彼女はどこかへ走っていった。
今日は特に何もなかったけど、明日とか明後日とかにあるのかな?まぁいいや。さっさと登録を済ませちゃおう。
「あ、名前聞くの忘れてた!」
「ご主人さま、またふざけてませんでした?」
「スカイの声、ちょっと変だった」
「こっちに来てからボケ多くない?あとどんだけミ◯ゾノ好きなのw」
「へっ」
ものの30分ほどで登録は完了したのだった。魔法で壁を破壊することはなかったが、わずかに地面と壁を焦がしてしまったようだ。
言うまでもないがEランクスタートでの登録だ。リディアには、「また女の子増やしたんですね」と引き気味に言われた。
別に増やしたくて増やしているわけじゃないんだけどな。
無論、俺のパーティーに加入した。パーティーランクより低いメンバーが新たに加入しても、そのランクは下がることはない。
ここで急がされるのはユナのランクアップだが、Aランク以上の魔獣を単独撃破すれば、秒でBまで上がれるだろう。
魔獣は俺の《召喚術》ですぐに出せそうだし、街を出てユナに倒させよう。
「ユナ!ポケモ◯のタイプ相性を思い出せ!『ほのお』と『ひこう』に4倍ダメ効果バツグンなのは!?」
「『いわ』!」
「そうだ!地磁魔法でゴリおせ!」
「ポ◯モンみたいにそうはならないと思うけど、そうする!」
レベル40だがSランク魔獣プロミネンス・ドラゴンと戦っているので非常に苦戦している。
魔法の威力は五分五分……いや、ユナのほうがステータスや称号、武器スキルのおかげでわずかに上回っている。
連射速度は圧倒的に上回っているので、魔力が尽きなければ勝てるだろう。
「ジャイアント・ロック!ハィエスト・グラビティ!」
ユナの魔法によりドラゴンの生み出された巨岩が、砂さえも舞い上がらないほど強い重力によって加速されて落下し、地面に張り付いたプロミネンス・ドラゴンを潰した。
「ギャオオオオォォォォォ――」
「ふぅ、終わった」
「おめでとうなのです」
「おおー」
3時間ほど経ってついに決着がついた。
高位の魔法を連発していたので魔力が22回ほど枯渇していた。その度に、俺が魔力を分けたけどね。
ユナのレベルも177に上り、フィーナとほぼ同じレベルになった。
あとは解体して、討伐証明となる魔石や角などをギルドに提出しよう。
あと、ドロップに《成長効率上昇(中)》がついた髪飾りがあった。これと《賢能杖》の《成長効率上昇(大)》と合わせれば、《成長効率上昇(超)》とほぼ同じだ。
そして、みんなで討伐証明をギルドに提出した。
ギルマスに「本当にユナ君単独で倒したのか?」と怪しまれたが、彼の嘘看破スキルに引っかからず、本当だと信じてもらえた。
あっという間にBランクに上がった。登録初日にそこまで上がるなんて、ここのギルドの記録を更新したようだ。
さて、報酬もたんまりもらって、急いで宿屋へ帰って昼飯でも食おう。
「スカイ様」
ハンバーグを食べ終えた頃、ドアからノック音が聞こえた。宿屋の清掃員さんが掃除しに来たのかな?
「はーい」
「失礼します。スカイ様に会いたいという方がロビーにいらっしゃるのですが、大丈夫ですか?」
「あ、わかりました。すぐに行きます」
「よろしくお願いします」
「あと、部屋の清掃に入りますが、よろしいでしょうか?」
「あ、はい!大丈夫ですよ」
清掃員さんが腰のアイテムポケットからいろんな種類の掃除用具を取り出し、丁寧に掃除を始めた。
「宙來っちに会いたい人って、誰かな?」
「助けたお姉さん?」
「だと思うのです」
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