第36話 ユナの物を色々揃える
「はいこれ。昨日言ってた短剣型杖」
「はやっ。もうできたの?まさか、手抜きじゃないわよね?」
「もちろん。鑑定してみなよ」
《賢能杖・アルコイリス》
ウェポン:ショート・ワンド
攻撃力:7500
耐久力:∞
装備効果:魔法威力3倍 ソードスキル威力半減 魔力上昇(超)知力上昇(超)腕力半減 成長効率上昇(大)
スキル:賢才 賢能 神気放出Ⅹ 魔法神気付与Ⅹ 破壊不能
Tips:スカイ・インフィニティー銘のネームドワンド。魔法威力、魔力、知力が超強化されるが、ソードスキル威力、腕力が超ダウンする。また、《賢才》により各種スキルの熟練度入手効率がものすごく上がる。
ユナにはこんな感じで表示されているだろう。
柄や鞘は重厚な青緑で統一した。鍔をつけていないので、鞘をつけたらほぼ杖にしか見えない。柄から鞘の先まで伸びるツルのような装飾が、魔法使いの雰囲気をかもし出している。
刀身はハルモリウム、プリムスティル、エターナライト・インゴットを3:4:3の比率で混ぜた合金を使っている。短く作った樋には、筆記体で『Yuna』と彫った。赤く発光する桜爛剣とは違い、賢能杖はユナの髪色のように金色に光る。
「どうだ?」
「うーん、魔法面が超強化されるのはわかった。けど、これじゃ接近戦きつくない?」
「問題ない。まぁ、物理攻撃面が予想以上に下がっちゃうけど、《賢能》スキルのおかげで無詠唱で発動できるし、発動時に脳とかにかかる負荷がカットされるから接近戦時でも素早く攻撃できるからな」
「でも、私一回も魔法使ってないんだよね……。こっちに転生してからすぐに捕まっちゃったから」
「そうだったのか。なら今教えちゃうか。一回発動できればだいたいコツもつかめるだろうから、あとは自分で練習してよ?」
「うん」
魔法を使うにはイメージが大切だと伝えてから、ユナに魔法を見せてやるため、基本の基本である火、風、土、水の四属性のレベルⅠ魔法を放つ。
「ファイアボール!ストーンショット!ウィンドカッター!ウォーターショット!」
ヒュンヒュンヒュン!
蒼炎弾、巨大石弾、巨大風刃、巨大水弾を空へ放つ。
やべ。そういえば、街のど真ん中だったわ。しかし、放った巨岩や水弾は落ちてくる様子もなく再びその姿を見ることはなかった。
「……という感じだ。俺の場合激ヤバステータスとか称号のおかげで威力がとんでもないことになっているが、ユナはまだレベルが低いから、こんなふうにはならないと思うよ。とりあえず、俺が放ったファイアボールをイメージしてみて」
「うん……。あ、なんか出てきた!」
「そのなんか出てきたやつを打ち出すイメージで、ファイアボールと唱えてみて」
「……ファイアボール!」
バビュン!
ユナから放たれた火炎弾を剣で相殺する。
炎の色は白に限りなく近かった。40レベルにしてはかなり威力が高いだろう。
「どう?コツつかんだ?」
「うん、いい感じ。ありがとう」
「痛み入ります」
「ミタ◯ノのマネやめて」
良かった。ユナは前世から変わらずに俺のボケにツッコんでくれる。
■■■■■
現在、フィーナの下着を買った女性用下着店の目の前にいる。
「はい、ユナの防具探してくるから、このお金でその間隙な下着買っといて」
「おけ。ここ合流ね。んじゃ」
「じゃ」
「フィーナ、リライ!ユナから女の子の生活について詳しく聞くんだぞー」
「「はーい」」
女子3人が下着店に入っていくのを確認してから、防具屋アイシクルパンサーへと向かう。
いつ見ても迫力がすごいヒョウの彫り物を見つけ、勢いよく入っていった。
「たのもう!!」
「お、おう。スカイか。もうちょっと静かにドアを開けてくれ」
「あ、すみません」
「んで、どんなご要件だ?」
「サイズ調整スキル付きの女の子用の防具が欲しいんですけど、ありますか?」
「おう、ちと待っとれ」
相変わらずずらずらと並ぶ商品の中から目的の物を探し出す。
こんなごちゃごちゃしてるのに見つけられるとか、ある意味天才かも。
「どうだ?」
「おお、こんな感じ」
「お代は大金貨一枚!もちろん、その値段に合う性能だ」
《紅焔竜の改造ミニドレス》
防御力:3002
耐久力:8001
スキル:紅焔耐性(大)付与 物理障壁Ⅲ サイズ調整
《氷竜の三角帽子》
防御力:2000
耐久力:4097
スキル:氷乱耐性(小)付与 魔法障壁Ⅲ
《雷暴虎の靴》
防御力:3090
耐久力:5000
スキル:雷鳴耐性(中)付与 敏捷力上昇 サイズ調整
大金貨一枚でこれか。結構お得だな。
物理障壁や魔法障壁もⅢだし、かなりの防御力が期待できるだろう。
鍔の広い青色の三角帽子や紺色の靴、そしてアビスブルーの改造ミニドレス。色合いやデザインも素晴らしい。
見れば見るほど魔法少女っぽいが、こういうのは嫌いじゃないぞ。
「じゃ、はい、大金貨一枚」
「まいどぅ!またな!」
さて、合流地点についたわけだが……。まだ買い終わっていないようだ。
30分くらい待って、ようやく終わったようだ。わずかに残念そうな顔をしているが、気のせいか?
「たいへんたいへん!」
「何が?」
「この世界ブラがない!」
そういえばこの世界にブラはなかったな。だが、ユナほどのサイズになれば、さすがにブラの支えが必要だ。
「フィーナちゃんもリライちゃんもつけてないらしいし。それなのに浮き出てないのは置いといて、宙來っち作れない?」
「ああ、作れないことはない。男女の服と下着の型紙全種類覚えてるから、採寸すれば問題なく作れるぞ」
「二人になんでつけさせてないの?」
「防具に胸パッドとして付いてるんだ。それに、二人ともその支えが必要なほどの大きさじゃないからさ」
「へぇ、納得〜」
その後露天で少しだけ買ってから、宿屋へと戻った。
「じゃ、早速採寸するね」
「うん」
ユナが薄布を脱ぐと同時に背後へ回り込み、手をふくらみの前へ回す。
「では失礼して」
「ひぁんッ!?」
「ど、どうした?」
「なんでもない!冷たいメジャーが掠ってびっくりしただけよ!」
「「おっきい」」
「二人ともジロジロ見ないで!」
アンダーが62.9、バストが89.0、サイズ差は26.1か。H寄りのGだな。
「ついでにウエストとかも測っちゃうよ。防具作るときのために」
「おけ。どうぞ」
「あ、これ。防具も着といて」
「うん」
ウエスト58セトぴったり。やっぱり細いな〜。
ブラの素材は、余った神布で足りるな。パッドには永遠神竜の皮を使う。この素材じゃ、ブラだけで防御力5000とか行きそうだ。
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