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第35話 騒がしい入浴時間

「ふぅ、こっちに来て初めてのお風呂〜。癒やされるぅ」

「なんでそんな堂々と入るんだ?せめてタオルとか巻けばいいのに」

「宙來っち……じゃなくてスカイになら見せても恥ずかしくないもん。だって……」

「だって?」

「何でもない!あと、狭いならこう、もっと体を近づければいいじゃないっ」

「……」



 ユナの右半身と俺の左半身が触れて、俺の左肘には柔らかい感触も伝わってくる。


 今すぐにでも逃げ出したいところだが、ユナは闇奴隷として捕らえられて辛い思いをしていたはずだ。これによって精神が安定するならこのままいよう。


 俺のポーカーフェイスが保たれるまでの話だが。



 《Information:スキル《表情偽装Ⅰ》を習得しました》



 ふぅ。これなら大丈夫そうだ。



「宙來っ……じゃなくてスカイ」

「スカイって呼びづらいなら今まで通りでいいよ!んで、なに?」

「じゃあ、そうさせてもらうね。思ったんだけどさ、宙來っちのムダ毛が全く無くて肌ツルツルなんだけど……」

「え?」

「あっちでは本当にちょっとだけど生えてたでしょ?いくら3歳若返ったってちょっとは生えてるはずなのに」

「ああ、それは魔法で毛根ごと消したんだ」



 《クリエイティヴ・クラフト》はオリジナル魔法も創れるんだということを伝えてから、例の永久脱毛魔法について教えた。



「それ、私にも施してくれない?ムダ毛処理って面倒だからさー。顔周りと首から下全部お願い!」

「おけ。《フォリクル・バニッシュ》」

「すごっ。全身のムダ毛が消えてる!」




 ――タタタタタタ。



 2つの大きな足音がだんだんと近づいて大きくなってくる。



「あ、来たわね」



 ――ガラガラガラ。



「スカイ、入る」

「みんなで入るのです!」

「フィーナちゃん、リライ、さん?みんな入って入って!スカイのことは私が捕まえとくから」

「……捕まとくってどう言うことだ!?」

「「「フッフッフ」」」

「不敵に笑うのやめろ!」



 二人とも体を洗い終え同時に風呂へ飛び込むと、飛沫とともに大量のお湯が風呂からあふれる。


 4人入るともうぎゅうぎゅうで狭くて仕方がないし、密着度が半端ない。右にリライ、前にフィーナ、左にユナがくっついているという構図だ。


 3人のすべすべとした肌の感触が心地良いが、さすがに恥ずかしくなってくるな。


 体を起こして向こう側に移動して足を伸ばさずにいても、3人とも同じような構図で体を預けてきた。下から俺を見てなんとも幸せそうな顔すんのヤメロ。



「ショートワ――」

「こちょこちょこちょ」

「いやぁぁぁあ゙!!」

「「「こちょこちょ」」

「あーっはっはっは!や、やめろー」



 転移で逃げようとすると、こちょこちょしてきて詠唱を妨害してくる。



「あっ。ヤベ――」



 さすがに美少女3人のこちょこちょという名の触れ合いにはアソコが耐えられなかったようで膨張を始めている。


 気を紛らわせそうな言葉を発すると3人はこちょこちょをやめた。あきらかに顔に疑問符を浮かんでいるぞ!


 やった、成功だ!無詠唱で《ショート・ワープ》を今すぐ発動してすぐに逃げよう!



「あ、逃げたのです!」

「宙來っちったら〜」

「むぅ」




「助かった〜」



 完全に膨らむ前に逃げられてよかったー。本当にギリギリの戦い(?)だったわ。


 3人が上がるまでに、さっさと飯を用意しちゃおう。


 《クリエイティヴ・クラフト》で大きなガスコンロを生み出す。それはあくまでも台なので、もちろん火は魔法で調整する。ここにガスなんて無いしね。


 大鍋にこの前買ったタマネギを飴色になるまで鍋で炒めてから、水、醤油、砂糖、生姜のすりおろしをそこに入れ、ひと煮立ちさせる。


 本当は出汁とか入れたいのだが、海藻がどこにも売っていない。欧米人のように食べたがらないのかな?


 王都にある2つのダンジョンの内1つは海の中にあるそうだ。ユナの装備がある程度整ったら、すぐに王都へ向かおう。


 ある程度タマネギに染み込んだら、薄く切った永遠神竜の肉を入れて、弱めの中火で20分ほど煮込んだら……。



「!この匂いは……」

「初めて嗅ぐ匂いなのです」

「じゅる……」



『牛丼』ならぬ『永遠神竜の肉丼』の具が完成!米は生み出しちゃうか。この辺には売っていないから買う手段がない。


 50分後、3升の米が炊きあがったので、ミスリルでできたお椀に盛る。4人全員大盛りだ。俺とユナは1キロ、食べ盛りの二人には2キラずつ盛ってある。


 これだけ盛っても米と具は作った分の7割ぐらい余っている。作り貯めできてよかったよかった。


 みんな席に座ったら、全員一緒に手を合わせ……!



「「「「いただきます!」」」」



 フィーナとリライは少し行儀悪いがガツガツと食べるのに対し、俺とユナは行儀正しくよく味わって食べる。



「宙來っちのこの味、懐かしい……」

「そうだな。些細なことでパーティーを開きまくってたとき、みんなにふるまってたっけ」

「うんうん。楽しかったなー」



 俺が裕泰に水泳で勝ったときとか、剣道で先生を倒した上そこそこいい値段のする鎧をへこませたときとか。本当にどうでもいいくだらないことで開いていた。


 そうだ。ユナの武器を作る際にあたって一つ聞きたいことがあるんだった。



「なぁ、ユナって魔法使いでやっていくのか?それとも俺等みたいに前衛でやっていくのか?」

「もちろん、魔法使いだよ」

「分かった。じゃ短剣型の杖にするよ」

「え?武器作ってくれるの?」

「もちろん、フィーナの武器防具、リライの武器は全部俺が作ったんだ」

「魔法使いなのに短剣なの?」

「接近戦でも対応できるようにね」

「さすが、異世界オタクだわ。抜かり無いねぇ」

「いやぁ、それほどでも」



 ユナの武器は今日中に鍛えようかな。《クロノスペロシティ》で時間加速すれば問題ないだろう。


 みんなが食べ終わってから数分後。お腹いっぱいになったようで、座ったまま寝息を奏でていた。


 食ってからすぐに寝るのは太りやすくなるのはわかっている。でも、無理やり起こすのは可愛そうだ。


 たった一回ぐらいいいだろう。疲れが溜まってるだろうから、お姫様抱っこで抱き上げて、ベッドに寝かせて布団をかけてやった。


 よし、この間に鍛えてしまおう。


 窓から飛んで街道に出たら、人目につかないよう土壁を生み出して明かりを灯して《クロノスペロシティ》を発動する。


 プリムスティルとエターナライト・インゴットを出して熱して短剣状に鍛造し始めた。

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