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第29話 剣完成と試運転

 昼食を取ったあと、30分ほど仮眠を取るつもりが、しっかり寝てしまった。


 フィーナとフェルル、ファルルが腹を空かせて待っていたので、ハンバーグ5枚を渡しておく。


 茎を装飾された柄に差し込んで、丹精込めて鍛え上げた剣がついに完成した。



 ――カァッ!



 俺の手に握られた剣が眩しく輝く!暴発した光が洞窟内から溢れ、幾千の星で満ちている夜空を青く染め上げた。


 ハンバーグに夢中の3人も、眩しすぎる光にさすがに驚いていた。



「急に、何が起きた?」

「武器や防具が完成すると光るんだ。その光が強いほど武器の性能は強かったな」

「じゃぁ、これめっちゃ強い?」

「そうじゃなかったら今みたいにはならないさ。――《鑑定》!」

「「ワフワフ」」



 《桜爛剣・スプリィム》

 ウェポン:ワンハンド・ロングソード

 攻撃力:40870

 耐久力:∞

 装備効果:腕力二倍 知力二倍 ソードスキル強化(超)撃流強化(大)魔力上昇(大)敏捷力上昇(大)

 スキル:桜刃乱舞 桜嵐剣 竜巻魔法変化 神気放出Ⅹ 神気隠蔽Ⅹ 破壊不能



『至高』という名を冠する剣であった。攻撃力も、鍛え上げてきた中で一番高く、その名にふさわしいだろう。


『桜』という名を冠するにはふさわしくない色をしているが、あとで《カラーチェンジ》を使って桜色にしよう。


 《轟雷爪》や《星天爪》以上のものは無いとは思ったが、この《桜爛剣》はその2対のクロ―を超えてきたぞ。


 だが、あのときほどの衝撃は受けなかった。ここ最近に鍛え上げた剣が強すぎて、感覚がひん曲がっているのかもしれない。


 それはさておき、フィーナに渡す前に、装備して軽く試運転してみよう。いろいろ面白そうなスキルがあるしね。


 洞窟から出て、開けた場所を飛行して探し、着陸した。


 まずは《桜刃乱舞》からだやってみよう。


 10枚の刃を持った桜の花びらを召喚するスキルで、魔力が切れなければ永遠に出しておくことができる。出しておくだけなら、一秒あたり3の魔力消費だ。


 んで、その花びらの性能がぶっ壊れなのである。


 軽く剣を振って空を斬ったら、一枚の花びらが結構なスピードで打ち出された。


 そのまま斬り続けると、花びらが舞うように前方へ打ち出されていく。このとき、1秒あたり10の魔力消費だ。


 そう。敵を攻撃すると、自動的に対象を攻撃するという能力である。


 傍から見たら、攻撃と連携して花びらが美しく舞うエフェクトが付与されただけだと思うだろう。


 しかし、実際は凶悪な刃がと連動して打ち出されるという、なんとも恐ろしいスキルである。


 もちろん、これだけではない。もう一つあるのだ。


 サイコキネシスを使って《蒼穹剣》を動かし、俺にダメージを与えてみた。


 装備の障壁スキルを破るほどの凄まじい威力なので、相当なダメージが入っただろう。右胸の深い傷口からはあり得ないぐらい出血し、肺が姿をのぞかせている。



 ――ドゴォォンッ!!



 御神木並に太い桜色の光束が10本放たれ、《蒼穹剣》を飲み込む。天へ突っ切るものは雲を貫き、地面を這うように進むものは大地を抉る。


 このとき、魔力は5万ほど持っていかれた。


 《桜刃乱舞》のもう一つの能力は、自動反撃というものだった。


 花びらから放たれるビームの威力は、ダメージ量によって変化するようだ。今の威力だと、被ダメージ量は推定20万ぐらいだったか。


 ちなみに、ビームは魔法系の攻撃だったが、属性は感じられなかった。『無属性』ということにしておこう。


 装備の障壁スキルをOFFにして、放たれるビームに腕を当てて威力を調べてみた。


 100ダメージ程度だと軽い火傷程度だった。1000ダメージ程度だと肌が少し抉れた。


 1万ダメージを超えてくると、皮膚はおろか筋肉までも深く抉られ、骨が見えていた。


 これでわかるように、とんでもないぶっ壊れスキルであった。スキルの強さだけを見れば、《蒼穹剣》や《暁闇剣》と比べても遜色ないだろう。


 余談だが、『自動援護攻撃』とか『自動反撃』とか、前世で毎日2時間はやっていた『白◯プロジェクト』のスキルみたいで、実にゲームチックだ。


 こうなると、これから作る防具につけるスキルも変えたほうが良さそうだ。


 防護面で大いに障壁スキルをふんだんにつけようと思ったが、やめておいたほうがいいかもしれない。


 そうだ。回復面を大幅に強化して、『肉を切らせて骨を断つ』という言葉通りのスタイルの防具にしよう!


 もちろん、被ダメージ時の苦痛も少し減らすために、痛覚軽減はつけよう。痛い思いはさせたくないからね。



 次は、《桜嵐剣》を試してみよう。


 発動すると、ブレードが発光し、少しずつ長くなっていく。


 10センチほど長くなると、剣の周りに《桜刃乱舞》の桜の花びらと同じものが徐々に出現し、次第に渦巻き始める。


 1メートルほどで変化が終わった。剣の重さには変化はないが、見た目は大きな変化を遂げている。


 ブレードが2メートルを超え、桜が渦巻くことで竜巻のようになっていて、《桜嵐剣》というスキル名通りである。


 攻撃範囲が大幅に拡大されているうえ、威力も上がっているので強いはずなのだが……。


 《桜刃乱舞》を見たあとだ。それと比べてしまうと、はっきり言ってしょぼい。


 最後に、《竜巻魔法変化》を使ってみよう。


 使うと言っても、竜巻魔法を放つだけだが。



「トルネード・カッター!」



 桜の花びらの混ざった暴風の刃が発射され、前方の木々を刈った。


 竜巻魔法に桜の刃が加わったというものだった。……やっぱりショッボ!!



 ■■■■■



 その後1時間ほど振り続けてから、寝床に戻った。剣に《カラーチェンジ》を使って桜色に変えた。


 切先の透き通るような桜色が、柄の方へ濃くなっていくという神グラデーションである。


 全部桜色だと単調だったので、アクセントとして柄にだけ黒や紅、空色を使うことにした。



「よし。これで完成だな」



 気がつくと、もう真夜中である。フィーナとフェルルとファルルは、仲良く寝ていた。剣は明日渡してやろう。


 試運転の間分身を動かして完成させた装飾華美な鞘に剣を差し込み、アイテムポケットにしまった。

お久しぶりです。 雨波乃碧天です。


この作品についてですが、2章まで投稿したあとは、リメイクを執筆しよう思います。

内容等に大きく変化はないと思いますが、細かい変化は多いと思います。パワーアップした展開をお届けできると思いますので、そちらの方もお願いします。

リメイクを投稿し始めてもこの作品は削除しません。


感想、いいね、評価、ブクマ、レビューはお気軽にどうぞ。

誤字報告や表現のアドバイス等もぜひ送ってください!

面白い作品を書けるように精進していきますので、よろしくお願いします!

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