第27話 フィーナの告白
宴、もとい祝勝パーティーは夜まで続いた。
会計は、金貨8枚。もっと払うかと思ったけど、やはり単価がそこまで高くなかったのだろう。
今は、酔い潰れた冒険者の笑い声やいびきで騒がしくなっている。
俺たちは会計をし、少し酒臭くなったギルドから出て、宿へと帰っていった。
帰ったら真っ先にに風呂に入ろう。攻略中は全くシャワーを浴びれなかったからな。
■■■■■
「ふぅー……。一段落ぅー」
やっぱり風呂は落ち着くね。全身の疲れが、体から抜けて行っていく。
「ご主人さま!私も一緒に入るのです!」
「またか。全く、ハレンチな」
「そんな事言わないでほしいのです……!」
リライが頬を膨らませる。
「冗談だよ。冗談」
「むぅ」
俺が部屋についているお風呂に入ると、必ずリライが入ってくるのだ。
胸も身長の割に膨らんでいてかなりエロめな体なので、全裸で来られると……。
見えてはいけないモノが嫌でも目に入ってくるので、アソコを必死で抑え込まないといけない。
入ってくるだけならまだいいのだが、一人用の湯船にも入って来やがる。
狭い湯船に二人となると、体と体が必然的に触れる。一回だけ抑え込められなくなったことがあった。
その時は、レベルⅠ空間魔法を使って逃げ出したが。
――ガラガラガラ。
スライドドアが開かれると、凹凸がなく美しくくびれた真っ白な体があらわになる。猫耳と桜色の目を持っている。
「あ、フィーナも入るのです?」
「ん」
「……ちょ、まじか」
フツーに入ってきたフィーナは、髪と体を洗って流し、ズカズカと湯船へ入っていった。
「ちょ、3人は狭いだろ。俺が抜けるから、二人はゆっくり入っていいよ」
「スカイが抜けたら一緒に入る意味がない」
「そうなのです」
「……ニヤニヤしてそんな事言うなよ」
今、俺たちはこんな構図だ。
俺がゆったりと浸かり、足の方にリライがいて、新たに乱入したフィーナは俺の体の上に寝そべっている。
すると、「私の寝そべるー」と言って、リライも寝そべってきた。
これは……。早急に何かをしないと、アソコが大変なことになるぞ!
そうだ!別のことを考えよう!
フィーナのために作る装備のデザインだ。
防具は、軽装で、リライのように露出の高めなものにしよう。
風のうわさで聞いた話だと、獣人は軽い装備を好むというらしい。
全体的なデザインは、桜を思わせるような感じにしよう。
デザインは戦闘向きじゃなくても、素材が強力であれば大丈夫だろう。
とりあえず、荒いがデザインを思い浮かばせることが出来た。
剣は、プリムスティル、エターナライト・インゴット、ハルモリウム、そして、ダンジョンコアの欠片で作ろう。
ダンジョンコアの欠片を使ったら、「ダンジョンに入るときだけステータスが超アップ!」といった装備効果が得られそうだ。たぶん。
アクセサリーも、八重桜のような枠を作って、永遠神竜の魔石をはめ込もう。
「スカイー」
「ご主人さまー」
二人が俺を言うと、腕が俺の後ろに回され、優しく包む――前に。
「ショート・ワープ!」
「わっ。逃げちゃったのです」
「スカイ、いじわる」
別に抑え込めなくなったわけじゃないが、更衣室に逃げた。
二人が上がってくる音が聞こえたので、急いで体を拭いて、下着と《ムーンナイトスカイシリーズ》のズボンとシャツだけを着て、寝室に入った。
やがて、フィーナとリライも入ってきて、リライはフェルル&ファルル形態に戻り、犬団子となって寝始めた。
俺たちもベッドに入って寝よう。
「スカイ。腕まくらして」
「良いけど、固いよ?」
「腕まくらをしてもらうのが良いの」
「そうか」
俺が腕を出すと、「えへへ」と微笑んで頭を乗せた。
「なでなで」
「分かった分かった。よしよーし」
今日はやたらと甘えっ子だな。無口っ子ってこういう感じなのだろうか?俺が読んできたラノベではそんな子はいなかった気がする。
「ねぇ、スカイ」
「なんだい?」
「……好き」
「え?」
「……好き。結婚しよ」
「………………は?え?ん?」
い、今、フィーナが、俺のこと好きとか言った……?結婚とかも聞こえた……。
俺はめっちゃテンパった。18年間生きてきて、告られるとか初めてなんだ。しかもいきなり結婚って。
とりあえず理由を聞いてみよう。
「理由を教えてくれないか?」
「私のためにいろんなことをしてくれた。あと強くてかっこよくて、なんだかかわいい。だから、大好き!」
「そうか」
俺も、フィーナのことが好きだと思う。普通に可愛いし。
何より、攻略の相棒としてもとっても大事だと思うし、まもってあげたいとも思える。何事も諦めない姿や、健気に笑う姿にも惹かれる。
「別に俺は良いけど、そもそも、人間と獣人同士って結婚できるのか?」
「ん。問題ない」
資料室で見たけど、結婚は男性が15歳から、女性が12歳からできる。
フィーナは13歳だから、そこは問題ないな。
……って、いまさらだけど、女性の結婚年齢早すぎじゃないか?これが世界共通なのがよくわからない。
フィーナが起き上がったので、俺も起き上がった。
「スカイ、結婚してください」
「ああ」
フィーナは笑顔で言うと、フィーナが俺を抱きしめ、俺も腕を彼女の後ろに回した。
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