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【改稿中&リメイク構想中】明晰夢厨の異世界無双〜空想異世界を無双する俺は本物の異世界に転生させてもらったので全てを無双します!〜  作者: 雨波乃 碧天
第一章 戦闘修行とスキル修行

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第2話  ゴブリンは数が多いだけ

 あれから一時間経ったけど、数が多すぎて、斬っても斬っても減った気がしないな。

 俺はすでに記憶の片隅に放られていた剣の情報を走査し、いいものを見つけたのでこれを使うことにした。



 変幻自在:装備者の思うままに武器の形態が変化する。



 剣たちのスキル《変幻自在》を使用し、横幅1メートル、長さ8メートルくらいの大剣をイメージする。剣が俺の魔力を纏い、神秘的な輝きを内包した刀身が伸びて広がっていくと、見事、澄み切った天空と満天の星空をそのまま映したかのような刀身を持つ大剣二振りが完成する。

 地面と水平になるように剣を持って腰を捻り、一度動き出せば竜巻を生み出しそうなモーションを取る。あるソードスキルを発動するために。


 ソードスキルとは、武器を使う魔力を消費して繰り出す必殺技のようなものだ。魔法と同じようにイメージすることが大事である。そして戦技スキルの成長によって習得することができる。



「サイクロン・スラッシュ!」



 限界までひねられていた腰にかかっていた力を逆方向に解放すると、俺の体が軸のブレることのない美しい高速回転を始めつむじ風が生じる。俺の周りにわらわらと集まっていた百体ほどのゴブリンが、ミキサー刃の如き挙動をする大剣により舞い上がり、血と肉片が踊る。

 スキルが終了し風も収まると、舞い上がっていた肉片が雨のように落ちる中、茶色というか赤紫というか、とにかく人間のものではない色をしたゴブリンの血が数滴俺の頬についてしまった。一瞬ブルルっと寒気を感じてから、すぐに手で拭い去る。


 Lv.4双剣技ソードスキル《サイクロン・スラッシュ》。両腕を広げて回転し、敵を斬りまくるソードスキルだ。

 双剣技スキルとは剣系の武器を片手に一つずつ持ちうまく扱うスキルである。刀でも細剣でも剣系の武器なら何でもいいらしい。


 同じことを繰り返すこと約15回。そろそろ魔力が尽きかけてはいたが、《暁闇剣》のおかげですぐにフル回復できている。

 しかし体力が怪しくなってきた。俺のスキルの治癒魔法に体力を回復させる魔法があるのだが、その魔法は俺の少ない魔力量では使えない気がするな。

 だが、試してみたいことがある。《暁闇剣》に溜まっている魔力を俺に移さずにそのまま使用できるのだろうか。とりあえず実験あるのみ!

 俺は、レベルⅢ治癒魔法フィジカル・リカバリーの詠唱を開始した。



「――フィジカル・リカバリー!」



 詠唱が完了すると暁闇剣から自身の身体に魔力が移動し癒やしの光が全身を包むと、かれこれ1時間半程暴れ回ったことで溜まりに溜まった疲労感がすぅっと消え去った。

 さすが上位魔法のレベルⅢ。回復量が凄まじい。

 しかし、完全回復とまではいかなかったか。まだ精神的なものも含めて若干疲労が残っている。フル回復まで何をしようか……。

 俺は軽い休息をとるための効率的にゴブを殺す方法をよーく考えてみる。

 まず最初に思いついたのが、ステ確認のときみたいに土壁を作り、ゴブ共が登りかけたタイミングで壁を倒すというもの。しかし直接攻撃するわけではないため暁闇剣で魔力を吸収できない、よってすぐ魔力が尽きそうだから却下。

 次に思いついたのは、ちまちま回復しながら暴れるというもの。やっぱりフル回復してから戦いたいのでコレも却下。

 となると……ああ、《サイコキネシス》が使えそうじゃないか。思いっきり忘れてたわ。



 サイコキネシス:魔力を消費して、 物を思念で動かせることができる。 強い想像力が必要。



 これで剣を飛ばして斬ればいいのでは? 直接武器攻撃をするわけだし暁闇剣から魔力も賄える。

 俺は二本の剣を刃を持った半径3メートルほどの円盤に変形させる。更に、刃の大きめな六枚刃のチップソーのような形にしていく。

 こんなふうに殺意高めな形状にすることで、より確実に命を奪えるはずだ。しかも少し掠っただけでもノコギリで肉体を抉るような壮絶な苦痛を与えられるのだから、動きを鈍らせることもできるはず。

 そんな殺意高めな物体をサイコキネシス(念動)で高速回転させて飛ばすと、非人道的なゴブリン大量殺戮兵器と化し文字通りゴブリンの血肉を飛び散らしていく。



「――ファイア・アロー!」



 更に追い打ちをかけるようにレベルⅠ火魔法《ファイア・アロー》を20重で発動する。俺の放った炎の矢が、周回軌道をとる円盤、もとい剣の斬撃から逃れたゴブリンを遊撃し、燃やし尽くす。

 しかしこれまで結構な数を斬ってきたが一向にゴブリンの波がやまない。というか、まだゴブリンしか出てきていない。この世界にはそれ以外の魔獣はいないのか? まだゴブリンの後ろ側に違う魔獣の気配はするのだが……。




 あれから一時間経って、やっと俺の体力がほぼ回復した。剣を元に戻し、再起動の準備を整える。

 目前には、今までの雑魚ゴブとは違う気配を放つゴブリンがいる。だが、少し先程の雑魚ゴブよりは強い気がする。


 ――《鑑定》!



――――――


 名称:ゴブリン・ソードマン

 種族:魔獣・亜人

 状態:平常

 Lv.16

 命力:131 魔力:52 腕力159 知力:29 敏捷力:99 体力:67

 スキル

 剣技Ⅳ 暗視Ⅲ 集団行動Ⅳ 腕力上昇(小)

 装備:低品質な鉄の剣

 Tips:ゴブリンが剣技を極めて進化した上位種。ゴブリンの中では非常に強い。ランクはF。


――――――



 おぉついに上位種登場か。まだまだ雑魚な感じがするが、装備が多少グレードアップした感じだし少々キツくなりそうだから、確実に斬っていこう。


 まず、俺は剣に灼熱の炎を付与する魔法の詠唱を始める。レベルⅠ紅焔魔法《プロミネンス・ブレード》だ。詠唱終了と同時に剣の鍔から火が現れ、一瞬で大きく燃え上がり剣を包み込む。

 見た目は轟々と燃え盛る勇ましい炎の双剣だが意外と熱さは伝わらない。装備者には影響がないようなシステムなんだろうか。

 更にレベルⅥ紅焔魔法《プロミネンス・コア》という魔法の詠唱を始める。

 この魔法は、高エネルギーを持った火炎の球を生み出し、それに秘められしエネルギーを一瞬のうちに解放し大爆発させる魔法だ。高威力かつ広範囲に攻撃をするため、自分にも影響が及ぶ可能性がある。



「――プロミネンス・コア!」



 その言葉とともに、十個ほどの小さい火炎球が生まれる。本当は一個だけしか生じないのだが、さっさと殲滅するため多重起動だ。

 真紅の煌めきを放つ十の小球が四方八方に散乱し、何十倍にも膨れて大爆発する。ゴブリン共は衝撃波によりその身を木っ端微塵に砕かれ凄まじい熱量により体液は地面を濡らす前にすべて蒸発する。

 また爆発と同時に風の魔法で障壁を張り熱気が伝わらないようにしながら剣を振り続ける。



「ギュァァァァァァ――」

「キィィィィィィィ――」

「グァアアアアァァ――」

「あっつ!」



 爆心付近にいなかったゴブリンも爆発と同時に勢いよく広がった猛々と燃える紅焔により全身を焼かれ黒焦げにされるのだった。

 さすが上位魔法レベルⅥ。これでは全くオーバーキルだし、自分にも害が出そうになるくらい高威力だ。

 というか、《暁闇剣》の魔力の消費がやばい。一気に1200ぐらい減ったぞ。まぁ1つあたりの発動時消費魔力が100を超えているし仕方ないか。



 剣への炎付与の効果が切れ大爆発の余波も収まり視界が開ける。そこにはただの焼け野原しかなかった。焦げ臭い匂いが俺の鼻をつんざく。

 俺が先程まで戦ったゴブリンの大群の反応も無いので波はもう終わったようだ。しかし焼けずに残った鬱蒼とした森の闇の中には、まだまだたくさんの魔獣の気配が潜んでいる。

 そして、俺の目の前に立て続けに現れたのは、恒例の複数のウィンドウによるレベルアップと称号とやらの獲得の大量のお知らせ。



「おいおい、何だこれ」



 《Information:称号《大量殺戮者》を獲得しました》

 《Information:称号《ゴブリンアナイアレイター》を獲得しました》



 うわぁ物騒な……、と思いながら詳細を表示させる。



――――――


 大量殺戮者:たくさんの敵を一度に葬った者に与えられる称号。

 効果:攻撃魔法を使用するとき、範囲と威力を1.5倍にする。

 取得条件:一回の攻撃で、1000体以上の敵を撃破する。


 ゴブリンアナイアレーター:ゴブリンを山程葬ったものに与えられる最上級の称号。

 効果:レベルアップボーナス(小)

 取得条件:ゴブリンを合計2000体以上撃破する。


――――――



 うん、確かに物騒な名前と取得条件なだけあって効果も強力だ。だけどな、名前があまりにも終わってないか!

 そういえば、他にも《ゴブリンキラー》、《ゴブリンスレイヤー》、《ゴブリンデストロイヤー》があった。効果は大小はあるもののどれも全部ステータスアップか。結構ありがたい。


 ゴブリンアナイアレーターのレベルアップボーナスというのは、レベルアップ時に上昇するステータスの数値に補正がかかるというものらしい。

 しかも必ず発動して、(小)で2.5割増というチート称号なのだ。「キラー」「スレイヤー」「デストロイヤー」と来てるから、おそらくこれはゴブリン討伐関連の最上位のものだろう。



 そして、ドスドス、と言った感じの効果音がつきそうな非常に重たい足音が新たに聞こえて来ると、やがて、音の主と思われるモノが俺の目に入った。

 折り畳まれたような耳に潰れて平たい鼻。腕は筋肉や脂肪により太く、右腕には打撃威力の高そうな混棒を握るその姿は屈強で威圧的。枯れ草のしょぼい服を着ており装備は大したことはないが、身長が高く全身が脂肪や硬い筋肉で出来てそうな重量級の体つきから、ゴブリンよりは全然強そうな魔獣だと感じ取れる。

 コイツはおそらく――《鑑定》!



――――――


 名称:オーク

 種族:魔獣・亜人

 状態:平常

 Lv.10

 命力:311 魔力:45 腕力:289 知力:8 敏捷力:34 体力:167

 スキル

 棍棒術Ⅷ 腕力増加Ⅵ

 装備:木の棒 

 Tips:非常に腕力が高いが、知力が低いという、脳筋魔獣。その腕力が高いため、武器攻撃の威力が非常に高い。ランクはF。


――――――



 ゴブリンの上位種よりレベルが低いのにステータスでは勝っている。種族としての基礎能力が全然高いのだろう。俺にとってはやはり雑魚だが。数は多いし一応慎重に行こう。命力も比較的高いし。


 俺は気合を入れ、先程のように殲滅せんとオークの群れへと突撃するのだった。  

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