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第8話 初依頼

 5分ほどで無事に着陸し、《パーフェクション・ヒーリング》を5回使用して被ばくの心配を徹底的になくす。


 そしてコピーしたものを、地球儀のような形にして生み出した。


 地形は資料館にあった地図とはほとんど変わらないけど、南部に位置していたオーヴァル大陸は資料館の地図ほど大きくなかった。


 緯度で表すと南緯40〜50ぐらいに位置していたから、歪みが大きいかったのだろう。


 大きさの順番で言うと、アジルグ大陸、ヘキサゴナ大陸、セミサクル大陸とオーヴァル大陸、そしてオクタゴナル大陸という感じだ。


 ちなみに、魔法の名前は《マジカル・コピー》にした。なんか名前を考えるのがめんどくさくなってきたな。


 さて、封印を再びして、街に戻ろう。


 門番にギルドカードを提示すると、なぜか驚いたような表情をしていた。どうやら、初めて街に入ったときにお世話になった門番だった。



「よう、いきなりEランクか。期待してるぞ!」

「ありがとうございます」



 いきなりEランクって珍しいのかな?まぁいいや。


 さて、今日は初めての依頼をこなしてみよう。


 二人に待ってもらっていた宿へ向かいに行くと、ドアの前にリライが立っていた。



「おう、リライ。今日は融合状態で過ごすのかな?」

「いえいえ、元の犬状態でいると街の人の目に付きそうだったのです」

「にしても……。リライ、なんか背高くなってないか?」



 前、融合状態になったときよりも少し大人びた声になっているし、体型に女性らしさが出ている。


 身長からみると10〜12歳くらいなのだが、胸がBカップほどになっている。身長の割に合わない気がするな。


 半年ほどで成獣になるとはいえ、成長早くないか?まぁいいや。



「今日は一緒にギルドの依頼を受けるけど、そのままでもいいぞ」

「了解なのです!」



 成長しても、『なのです』の口ぐせは変わらないようだ。




「なぁ、あいつにあんな仲間いたっけ?」

「う〜ん、登録のときにあいつと一緒にいたかわいい幼女の顔とそっくりだから、たぶんその子じゃない?」

「そうか。でもあれから一日ぐらいしか経ってないぞ?」

「それは知らん。とにかく、あの幼女と同一人物だということはわかる」



 なにやら、周囲の冒険者がざわついているようだ。リライのことについて盛り上がっている。


 話しかけてくるやつに警戒しておこう。



「さて、Eランクが受けられる依頼は……」



 う〜ん、とてもしょぼい。薬草採集とかゴブリンやウルフの討伐とか、そんなのばっかりだ。


 他は、荷物運び、商人の護衛くらいだ。そんなことやってる暇があったら、薬草採取とかの依頼を大量に受けたほうが良さそうだ。


 仕方ない。コツコツと頑張っていくか。



 俺はカウンターにて薬草採集の依頼を大量に受けた。ついでに、ゴブリンの依頼も受けておく。



「薬草の採取場所は知っていますか?」

「いえ。知りません」

「では、この地図を見て採集してください。採集する際は、すべての薬草を取りきることのないようにお願いします」

「わかりました」





 薬草は、街道沿いや、森の中などで取れるそうだ。多くの薬草は、森の中で採集できるそうだ。


 ちまちま探すのは面倒なので、魔法を創って楽しよう。


 対象を探し出し、その場所を俺に伝えるという効果の魔法だ。名前は《ディテクション・ファインダー》にしよう。


 試しに、『ヒーリング草』という薬草を探してみる。街道沿いや遠くにある草原、そして森の中に反応があった。ちゃんと仕事してくれたね。


 さらに、『マジックリカバリー草』『スタミナリカバリー草』『毒消し草』『解熱草』『麻痺草』も検索する。全部森の中にあった。


 俺は森へ向かって全力で駆けた。



「リライ、ついてこい!」

「ご主人さま、待ってなのです〜!」





 まずは『ヒーリング草』だ。


 採集するときは、根を傷つけないようにしなければならない。根を傷つけてしまうと、鮮度や効果が一気に落ちて、買い取り額が下がったり、最悪の場合買い取ってもらえないそうだ。



 《Information:スキル《採集Ⅰ》を取得しました》

 《Information:スキル《薬草知識》を取得しました》



 おっ、薬草系のスキルを習得できた。これで採集スピードが上がりそうだ。




 30分ほどで、『ヒーリング草』を、納品する量の3倍ほどを採ることができ、採集スキルもⅩになった。


 かなり取りすぎたかもと思ったけど、他にも群生しているようだし、問題ないだろう。


 リライにも手伝ってもらっていて、『マジックリカバリー草』も納品する分は採れた。ちゃんと採集スキルも習得してるようだ。


 あとは『マジックリカバリー草』ももうちょっと採って、他の薬草も採ったら納品しよう。



 一番近くにあるのは……。『麻痺草』と『解熱草』だな。


 この2つの草は、一緒に群生していると成長が早くなるのだそうだ。不思議……ではないな。『トマトとバジルを一緒に育てると良い』みたいな感じだろうし。


 たくさん群生しているようで、納品量の3倍ほどを採れた。元々この2つは納品量が少ないからな。


『スタミナリカバリー草』は、納品する分しか採れなかった。全部取ればそこそこの量になるのだが、残さないといけないからな。


『毒消し草』は森が深まったところにあって、虫も多くとても不快だった。量はあったので、納品量の2倍も採ることができた。



「よし。これで全部取れたぞ!」

「……ちょっと戦いたいです。ずっとしゃがんでたのでなんだか体が固まっているような気がするのです」

「そうだな。そういえば、魔獣との戦いのとき、やたらとゴブリンが続いた時があっただろ?」

「はい」

「そのゴブリンたちは、一箇所から大量に出てきたんだ」

「そうなのですか。じゃぁ、そこへ行くと言うことですか?」

「そうだ。飛んでいくぞ!」

「やったー!」



 俺たちは、葉っぱをガサガサと体に当てながら、木々の間から飛び出した。


 途中でリライが蜂の巣を引っ掛けていたが、紅焔魔法で蜂を容赦なく燃やしていた。



 ■■■■■



 フォレスタンの街からかなり離れた、石造りの門がある人工的な洞窟についた。


 その石造りには『ダンジョン 入口』と刻まれていた。



「ダンジョンですか」

「やっぱりな。多分、ゴブリンが出るんだろう。ギルドに報告したほうが良いかな?それとも、攻略しちゃう?」

「攻略したいですが、ギルドに報告したほうが良いと思うのです」

「だよな。俺もそう思っていた」



 リライは大人の考えができるようになったんだな。感心感心!

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