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第4話 テストと登録

「よう。あんたが登録希望者か」

「ああ」

「俺はイライアだ。あんたは?」

「スカイ・インフィニティ。よろしく」

「おう!」



 イライアは、気迫のある声で答えた。



「試験は剣技、魔法、実戦の3つの観点で行いその合計点で合否を判断する。合格すれば、Gランクから登録だ。実力によっては、FランクやEランクから登録できるから、全力で取り組むように」

「それ以上のランクからは始められないのですか?」

「ああ。どんなに強くてもEランクより上からは登録できない」



 なるほどね……。それじゃぁ、適当にやるか。



「武器は片手剣でいいよな?」

「あ、はい」



 イライアは木剣を投げ渡してきた。



「その剣で、そこの人形に剣術と自分の使えるソードスキルを打ち込め」

「了解!」



 まずは、簡単な斬撃から入り、徐々に、徐々に早くしていく。


 早くなるたびに威力がどんどん上がり――、人形の腕が、バキッと折れた。しかし、剣には傷ひとつついてない。



「何っ!硬めの木材で作られた人形の腕を折るだとッ!まぁ、さすがに剣は折れて――折れてない!?」

「あ。やりすぎた(w)」

「お前、何者だ!?剣を折ったやつは過去にもいたが、まさか人形を壊すとは……」

「あ、すいません。あと最後にソードスキルを出しますので、見ててください!」

「え?いやまて――」



 俺は最後の試験官の言葉を聞かずにレベルⅠ剣豪技ソードスキル《ラピッドスラッシュ》を発動する。



「やめろぉ!」

「え!?」



 イライアの叫びを聞いてスキルを止めようとしたが、そのまま剣は横に斬り払われ、人形がさらに壊れる。


 まだソードスキルは終わらず、二連撃目、三連撃目と続き、五連撃目でやっと終わった。この時点で、人形はもう粉々だ。



「なんなんだこいつは。もう合格だろ……」

「では、次は魔法ですね〜」

「あ、ああ。そこの的に向かって魔法を放ってくれ」



 俺はのんきな歩きで的へ近づき、レベルⅠの雷撃魔法とレベルⅡの紅焔魔法、竜巻魔法を放つ。


 さすがに、全属性の魔法を放ったり、無詠唱ではなったりするのは注目を集めすぎると思うので、三属性だけの魔法にしてちゃんと詠唱破棄という形で放つ。



「ライトニング・ブラスト!プロミネンス・ブラスト!トルネード・ブラスト!」

「なッ!?今度は詠唱破棄に、三属性の上位魔法だと!?」



 虚空から生まれた三色の魔法陣から、一本ずつ光線が放たれ、美しく螺旋を描きながら直進していく。


 狙った的や、後ろにあった他の人形や的を飲み込むものの、勢いは全く収まらない。


 そのまま壁に向かっていき、大穴を開けてぶち抜いた。低い音が響き渡り、ギルドが少し揺れる。



「……結界を張っていた壁を、こうもたやすくぶち破れるものなのか」

「げっ」



 結界を張った壁を壊すとか、何か怪しまれそうだ。バレませんように。疑われませんように……。


 ――別に怪しいことはないけど、レベル2599なんていうことがバレたら、国の総力とかを上げて討伐されてしまいそうだからな……。


 イライアは、かなり焦っている様子でジタバタしている。



「実戦のテストは免除する!これで試験は終わりとし、合格を認め、Eランクからの登録を許可する!もう、これ以上の被害は……」



 もう、なげやりになってしまっている。なんだか申し訳ないな。



「たぶん、お前には弁償してもらうことになる。登録が終わったころには修繕費の見積もりも終わっているだろうから、ギルドマスターに会いに行くように」

「……すみません」

「あと、そこの犬っ子はペットか?それとも獣魔か?」

「あ、従魔です」

「それなら、従魔登録も一緒にしてもらいなさい」

「了解です」



 イライアの話が終わり、受付嬢の方へ戻る。


 ギルドマスターってどんな人なんだろう。エルフかな。それとも、紙もひげも真っ白なおじいさんかな?


 入り口では、試験を見ていてかなりびっくりしたのか、受付嬢が口をあんぐりと開けて固まっていた。



「あのー」

「あっ、すいません!すぐに登録をしましょう!」



 俺たちは通路の先の光へ向かってい歩いていった。



 ■■■■■



「では、こちらに記入をお願いします」



 受付嬢が紙を俺に渡してきた。


 記入するのは、名前、年齢、性別、種族、身分の5つだけだった。他にもレベルとか、使える魔法の種類とか色々書かされそうかと思ったが、そんなことはないようだ。


 異世界語スキルを使用して、サササッと記入する。



「スカイ・インフィニティ、15歳、男……。はい、全て埋まっていますね!では、地下室へ行きましょう」

「はい!」



 ■■■■■



 ひんやりとした空気でみたされている地下室についた。


 中央には、ほのかに輝くきれいな水晶がある。壁には、一面に人の顔が彫られていて、少し気味が悪い。


 受付嬢が紙を水晶に触れさせると、紙が粒となって水晶に吸収されるかわりに、黒っぽいカードが出てきた。



「このカードを持ってこの水晶に触ると、あなたの魔力がそのカードに記録され、あなたの情報が冒険者ギルドネットワークに登録されます。職業選択画面が出てきますので、選択すると、登録が完了します。職業によって、ステータス補正がかかりますので、よく考えてお選びください!」



 冒険者ギルドネットワークね……。この世界に情報通信技術は全然発達していないようだし、神が設置したのだろうか。


 出てきたカードには『Eランク冒険者 スカイ・インフィニティ 15歳 男 平民』と刻印されている。



 受付嬢の指示通りに、俺はカードを持って水晶に触れると、たくさんの画面が現れた。



「スカイ様が選択可能な職業は……えっ」

「どうかされましたか?」

「……選択可能な職業が多すぎです……」



 画面にはには、『戦士』、『剣士』、『魔法使い』、『サモナー』、『テイマー』、『鍛冶師』、『料理人』などがズラズラと続いている。どれもこれも俺の所持スキルに影響されているようだ。


 下の方へスクロールしていくと、『剣豪』、『大魔道士』などの最上位職もあった。


 だけど、その2つだと、腕力か知力に大きくかたよってしまう。


 いい感じにバランスよく補正がかかる職業を探していると、『魔導戦豪』という職業があったのでそれにしよう。



「『魔導戦豪』にします」

「え!?それ、最上位職の一つじゃないですか!そんな職業も表示されてたのですか!?」

「うん、奥の方にあったから、あなたは気づかなかったと思うよ」



『魔法戦豪』を選択すると、画面が消えるかわりに、カードに『職業:魔導戦豪』という文字が刻印された。



「これで登録は完了です」

「ありがとうございました」

「あっ、私の名前はリディアと申します。これからよろしくお願いしますね!スカイ様!」

「様なんてそんな……。スカイでいいですよ」

「では、スカイさんとお呼びしますね」



 俺たちはフロアへ戻っていった。



 ■■■■■



「そういえば、イライアさんにギルマスに会いに行けと言われていましたね。ご案内します」

「ああ、忘れてたな。では、お願いするよ」



 どのくらい弁償費がかかるのかを考えながら、階段を登っていった。

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