第2話 強くなりすぎ、だと!?
『ちょっと待たんかぁぁぁ』
「え?は?」
急に聞こえた輪廻の神の声に驚いた直後、視界が暗転した。
■■■■■
『やぁ。最近よく会うのう」
「なんの用だい?」
目の前には、創造の神、輪廻の神、そして職人の神がニコニコしながら俺を見ている光景が映る。
『いやぁ、危なかったぞ』
「創造神、なにが?」
『お前が常人に近づくと、相手側がほとんどの確率で気絶してしまうのだ』
「へぇ、なんでなんだい?」
『それは、お前のレベルがもうSSランク魔獣の中でも、ものすごく強い個体並みのレベルだから、気づかないうちに溢れ出るオーラがすごいのだ。そのオーラに耐えられるとしたら、あっちの世界のSSランク冒険者と、歴代の転生者ぐらいだろう』
「今までに転生者っていたのか?」
『その話はまた今度な』
転生者って俺以外にはいると思わなかったな。
『さて、本題に入るぞ。職人の神よ、例のブツを出してくれ』
『はいよ』
「神としてそんな言い方どうかと思うのだが」
『うるさい。神にわざわざツッコむな』
職人神は、美しく輝く指輪を持ってきた。
『これは、装備するとオーラが封じられるというものだ。お前がそれなりの実力者と認識されるようにな』
「なんでそんな中途半端に封じるんだ?封じるなら完全にしちゃえばいいのに」
『それは、この世界の人間は、ある程度の実力を持つとオーラで相手の実力を見極められるようになるのじゃ。もし、完全に封じてしまえば、お前は周囲の人間に弱いやつだなと思われてしまうぞ』
「なるほど」
確かに、明晰夢の中の空想異世界で、俺はそんなことをやっていたような気がする。
「じゃぁ、こんなことはできないのか?」
『なんじゃ?』
「装備しているときだけステータスが封印されるというものだ」
『なんじゃと!?』
「この世界に転生して、爽快に敵を倒すこと、戦慄を味わうようなギリギリの戦いをすること、どっちも楽しいんだということを俺は知った、だけど、俺は強くなりすぎて、多くの敵はイチコロしてしまう。爽快さだけじゃ楽しくないだろう?」
『どうしてこんな戦闘狂になってしまうのかね』
「辛辣ぅ〜」
今のは普通にヒドイと思うぞ。
『はぁ、わかったよ。創造の神よ、できるな』
『ああ。すぐ作るよ』
輪廻神は指輪を創造神に渡した。
『なぁ、スカイよ。前に装備を強化したとき、名前をつけるの忘れてたよな?』
「そうだな、鑑定結果でも『名称:なし』となっていて、ちょっと気がかりだったんだ」
『なら、今のうちにつけてしまおう。ちなみにそれはシリーズにするつもりじゃ』
「そんな突然な」
う〜ん、全体的に黒いから、『ブラックシリーズ』か?いや、それたとダサいし。そういえば、強化してからほんのちょっと青色っぽくなっている気がする。まるで月夜の空のような色になった。そうだな……。
「『ムーンナイトスカイシリーズ』。どうかな?」
『うむ。いいと思うぞ』
俺の服がほのかに光ったとき、創造神が指輪を持って戻ってきて、俺に渡してきた。
『他にはないよな?』
「それが、一つだけありまして……」
『一個だけだぞ?』
「魔力ゲージを創って欲しいんです。計算式は命力ゲージと一緒で、ゲージの横棒の色は何割になっても水色と言った感じで」
『はぁ、わかったよ』
「お願いしまっす!」
『やれやれ』
渡された指輪を左手の薬指にはめると、ピッタリ入った。すると、なんだか一気に力が抜けたような気がした、
鑑定してみよう。
名称:スカイ・インフィニティ
種族:人間
職業:なし
年齢:15歳
状態:封印
Lv.2599
ステータス
命力:5971 魔力:9009 腕力:3487 知力:3503 体力:3399 敏捷力:8800
ステータスが、レベル40〜50程度のときの俺に下がっている。
『魔力ゲージができたぞ。あ、鑑定しただろ。ステータスが物凄く下がっているが、それでもあっちの世界では中間ぐらいだぞ』
「ああ。すごいな」
『もう本当にないだろうな』
「ないけど、そんなフラグ発言してもいいんですか?」
『黙れ』
「すんません……」
そして、視界には魔力ゲージが出現していた。もちろん、全快していて、満タンだ。
前回神とあったときのように、俺の体が金色の光に包まれた。
『時間のようだ。殺気は封印状態でも、してないときと同じくらい出るから、くれぐれも気をつけるようにするんだぞ』
「わかった。色々ありがとう。では、また――」
金色の光に視界が埋め尽くされ、数秒後には草原の緑色の葉っぱが目に飛び込んできた。
肩に乗るフェルルとファルルを降ろし、少し大きくなるように伝える。
門前に並んでいる30人ほどの行列の後ろに並び、まだかまだかとソワソワしながら順番を待った。
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