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第1話 竜になっていざ街へ!

「おーい、起きろーーー!今日は街へ行くぞーーー!」

「ワフゥ……」

「ワゥ……」


  朝日を背に浴びながら二人を起こし、出てきたのを確認してから寝床を破壊する。



「今日中には街へ向かうから、まずはその準備をするぞ!」

「ワン!」


 

 まずはしょぼいクローの準備だ。ミスリルで作ろう。その前に、飯を二人に渡そう。


 俺は一枚だけ食べて、作業に入る。お腹がいっぱいだ。


 昨日作った巨大反射炉で熱して鍛造し、研磨して爪の部分を作る。


 革部分は、古代竜エンシェントドラゴンのものを使い、少し魔法回路をを組み込む。


 一時間で完成させた。攻撃力は1500ぐらいで、それなりの一品になってしまった。


 しかも古代竜の革を使ったからか、耐久値が異常に高い。まぁいいや。



 さて、街へ行く前に、竜王覇術がレベルⅤになると使える、《竜化》の術で、竜になってみよう。


 早速、()()()に使ってみる。



「竜化ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「ワ、ワフ?」



  突然の俺の大声にファルルはびっくりするが、そんなことを構わずに俺の体は変化していく。


 やがて俺の体内の魔力の動きは収まって、変化が終了したようだ。


 銀の鏡を生み出して自分の姿を確認したが……。


 10メートルほどのの大きな翼と3メートルほどの巨大な尻尾、そして頭には短い角が生え、瞳孔が猫のように細くなっていた。


 顔や腕はそのまんまだけど、翼や尻尾の近くには少し鱗が生えている。どうやら、完全には竜にならないようだ。


 でも、翼は思うように羽ばたかせられて風圧で敵をふっとばしたり、尻尾も自在に動かして敵を殴ったりすることもできるようだ。


 巨大な体とは便利なものだ。


 巨人化みたいなスキルが欲しいと思ったが、人間の体が大きくなったとしてもそこまで便利じゃなさそうだし、いらないか。



 ついでに神竜化も、()()()()試してみる。大げさにやるのは楽しいものだ。



「神ッ・竜ッ・化ァァァァァァァ――!」



 発動した瞬間、凄まじい力が俺の体内で暴れまわり、魔力がこれまでにないペースで抜け落ちていく!


 しかも、ほんの少しずつ命力が減っている。


 たぶん、神竜化するため、つまり神族に至るために、魔力ではない別の力が必要になって、魔力がその力に変わったのだろう。


 神気を感じられる力なので、『神力』と呼ぼう。勝手に名付けたが、この世界では本当にそう呼んでいるのかもしれない。


 溢れ出た神力が神気となり、体中の表面を静電気のように走る。


 神力へ変えるには、かなりの魔力が必要なようだ。



 《Information:ユニークスキル《神属性Ⅰ》《神気放出Ⅰ》《神気操作Ⅰ》を習得しました》



 神竜化を経験したからなのか、神力が関わってくるスキルを得られた。


 神属性は、魔力を神力に変えるスキルで、神気放出は神属性で生み出したものを外に放出するスキル、そして神気操作でそれを操るというスキルだ。


 神属性スキルのスキルレベルが上がると、神力へと変換する効率が良くなるらしい。


 街へ向かう前にヤバメなスキルを取得してしまったなと思いながら、神竜化や、神気関係スキルで遊んでみた。


 まず、翼を畳んで地上に降り立って、身体能力を確かめてみよう。軽く足をあげて走る――。


 踏み込んだ瞬間、足元の土が深くえぐれ、風を切る音を置いていくほどの速さで弾丸のように()()()()()


 方向転換しようとして再び踏み込むと、物理法則など無視してカクッと曲がり、さらに勢いが増す。


 押し寄せる風圧の心地よさをある程度楽しんでから、急ブレーキをかけて止まる。少し滑るかと思ったが、全く滑らなかった。



 ――パァァン!!



 止まってから数秒後、置いて行っていた風切る音が、一気に押し寄せ、俺の鼓膜をぶち破いた。



 ■■■■■



 ヒールをかけて聴力を戻したあと、さらに身体能力を確かめる。今度は腕力だ。


 残っている森の近くまで行き、木を軽くぶん殴る。


 バキバキと木の断末魔が響き渡ると、数秒後にドゴォォォンと低い音が響き、土煙が舞う。


 よく見ると、500メートル先の木まで全てへし折れ、残り100メートル圏内の木は穴が空いていた。


 腕力も申し分ないようだ。




 今度は神力を腕に集めて、地面を殴ってみよう。落下速度のおまけ付きで。


 翼を広げ、力強く羽ばたかせると、ロケットのようにゴゥッと舞い上がる。


 雲の高さまで到達すると、空中疾駆を使って空を蹴って、地上へ落ちていく。


 頭に摩擦熱を感じながら、右腕に神力を集める。大量の神気が右腕から溢れ、黄金の輝きが稲妻のように走る。



 ――地面スレスレで構え、全力で突き出す。



「オラァ!!!」



 右腕が地面に触れた瞬間、解放された神力エネルギーが、かの海賊王の『アレ』のように俺の周りを暴れまわる。


 地面はクレーターのようにへこみ、割れて、割れた隙間から黄金の眩しい光が溢れて輝いた。


 凄まじい衝撃波も発生し、また森の木々が爆散し、森の緑が削れた。


 やがて、俺の魔力が完全に尽きて全身を物凄い倦怠感が襲い、翼や尻尾などが光の粒となり消えていった。



 ■■■■■



 30分ほどで少し力が戻って、「何事か!」といった感じで走ってくるフェルルファルルをなでてやる。


 今回わかったのは、神属性は肉体の圧倒的な強化など、凄まじい力を与えてくれるが、周囲への大きくとても危険なので、乱用はしない方がいいってことだな。


 それに、魔力の消費が激しいし、なぜか回復もとても遅くなっている。



「よし、今度こそ街へ出発するぞ!」

「「アオーン!」」



 周りの魔力を吸えるだけ吸って、《ガーミネーション・ラピッドグロース》を発動して森を復活させる。


 凹ませた地面を戻すのを忘れたが、気にしないことにした。



 残りの魔力を使用して再び竜化し、小さくなったフェルルとファルルを肩に乗せて飛んでいった。



 ■■■■■



 40分ほど飛ぶと、巨大な壁が見えてきたので、地面に降り立ち、竜化を解いた。


 少しだけ走ると、ゴツめな鎧と長槍を持った門番と思われる二人組が、巨大な門前に立っていた。



『ちょっと待たんかぁぁぁ』

「え?は?」



 急に響いた()()()()()()に驚いた直後、視界が暗転した。

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