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第27話 最強のクロー武器を作ろう!

 10分もかからないで、あつあつハンバーグを食べきることができた。


 前世の俺なら少し胃がもたれるかもしれないが、今はヤバいステータスのおかげでそんなことにはないだろう。


 ミスリル皿を水魔法で高圧洗浄して、それを風魔法と火魔法で熱風乾燥したあとにアイテムポケットにしまう。


 かわりに、ドロップした《ユニークスキル選択の巻物スクロール》を出し、フェルルとファルルにディスクドッグのように投げ渡した。


 二人は見事にキャッチし、俺に向かって走ってくる。



「その中から好きにスキル選べー」

「ワフ」

「ワン!」



 使用すると、たくさんのスキル名が載ったウィンドウがでてくる。


 《聖属性》《神属性》《邪属性》という、説明をよんでもよく分からないスキルや、《神獣化》《聖獣化》など、変身するスキルもあった。どれもこれも強力だ。


 俺がほしいと思ったのは、金属よりも強いのに極上シルクよりも肌触りがよくて軽い、などの特性を持つ、最強の糸を生み出すという《神糸創造》というスキルだ。


 使い方によっては、神属性を帯びることも可能だそうだ。


 迷わず取得すると、スクロールは光の破片となって砕け散った。


 フェルルとファルルも選び終わったようだ。


 フェルルは《神雷操術Ⅰ》、ファルルは《神炎操術Ⅰ》を取得したようだ。どちらも、神属性を帯びた雷や炎を生み出し、自在に操るというスキルだ。




 さて、スキルも選び終わったし、早速武器を作っていこう。


 二人に、自由に遊んでいるように伝えると、激しくじゃれ合い始め、今では激しい模擬戦が行われている。


 そんな光景を見ながらプリムスティルと神糸を大量に生み出す。


 前回の余ったプリムスティルでもいいと思ったのだが、保険として、大量に生み出しておいたほうがいいと思ったのだ。


 200億魔力ほど使い、1.2メートル四方の純粋なプリムスティル塊を五個生み出し、1メートルの長さのものを2本だけ生み出した。


 なぜか、1メートルの長さの糸を生み出すだけで50億ほどの魔力を持っていかれた。神属性を扱うのはかなりの魔力を使うみたいだ。


 あの大剣を《神煌斬》を使ったとき、魔力の消費がそこまで大きくなかったのは、あの神気が大剣自体のものだからなのだろう。



 超巨大反射炉を作り、《マテリアルハードニング》でどんな高温にも耐えられるようにした。


 アイテムポケットから永遠神竜の鉤爪を出し、反射炉で鍛錬できるようにする。


 不純物を取り除くために『十文字鍛え』というやり方で鍛錬しよう。


 それをするためにはもう二人必要なので、分身を生み出し、俺と一人の分身の蒼穹剣を巨大槌にする。


 残りの一人は熱した鉤爪を掴める形にして、十分に熱した鉤爪を挟む。


 カーンカーンと軽やかな音とリズムを刻ませながらたたいていくと、鮮やかな火花がたくさん散った。


 200回くらいたたくとある程度の長さになったので、魔法で切れ目を入れて折り返す。


 2時間ぐらいで、その工程を50回繰り返し、鉤爪の大きさが四分の三程になったところで、なんとなくインゴット形にしてみた。プライムドラゴン・エターナルの鱗のような色味と輝きを放っていて、美しい。


 とりあえず鑑定してみるか。



 《エターナライト・ドラゴニウム》

 Tips:プライムドラゴン・エターナルの鉤爪や鱗から取れた純粋な金属。プリムスティルに近い強度と美しさを持っているが、この金属で作られた武器は特殊な装備効果やスキルがつきやすい。また、この金属で作られた武器や防具は、名品になるのは確定。



 鑑定した結果を見てみても、『純粋な』とあるから、鍛錬は終わりにして、新たな工程に入るか。




 《エターナライト・ドラゴニウム》と《プリムスティル》、金属の中で一番魔力伝導率の高い《ハルモリウム》を、4:4:2の割合で反射炉で溶かし、均一になるように混ぜ合わせる。


 完成した合金を2.5メートル四方の立方体に形を整えて、事前に作っておいた圧力鍋に水を入れたものにぶち込み、風魔法で圧力をかけながら氷乱魔法で水の温度を一気に下げて金属塊を急速冷却する。


 圧力鍋から聞こえてくる、ジュワーという心地よいASMRサウンドを聞きながら、冷えるのを待つ。


 二分ほどで、いい感じに温度が下がり、次の工程に入る。


 今回使うと思うプリムスティル合金を50センチほどに切り出し、それを切り分けて、クローの爪部分の形に20個鍛造し始めた。



 ■■■■■



 汗水垂らして、八時間もかけて、ついに鍛造が終わった。


 夕日が眩しい。そして、作業に集中しすぎて、空腹とフェルルとファルルの飯のことを忘れていた。


 急いでハンバーグを12枚出して、二匹に4枚ずつ渡す。


 俺は急いでハンバーグを食って、仮眠を取った。



 ■■■■■



 一時間ほどで目覚めて、アイテムポケットから永遠竜王の革を出して、次の工程の準備を始める。


 魔力回路の構築のための魔液マナを、永遠神竜の魔石で作る。前回のは使い切ったからな。


 フェルルの回路は、前に使った雷撃回路を強化した回路に加え、ソードスキル強化回路、腕力上昇回路、敏捷力上昇回路を描く予定だ。


 対して、フェルルの回路は、前に使って魔法強化回路を強化した回路に加え、魔力上昇回路、魔力効率上昇回路、知力上昇回路を描く予定だ。


 俺は、革を生み出した神糸で縫い、プリムスティルの装飾を施し、鍛造した爪をくっつけて、原型を完成させた。


 さらに、フェルル用とファルル用の回路式をすべて書き込む。あとは前みたいに魔石をはめれば完成だ。


 不思議な輝きを放つ、透き通った魔石を直径6センチほどのものを4つ切り出し、ラウンドブリリアンカットという研磨方法でていねいに磨いていく。




 三時間たって月が出てきた頃、やっと4つ磨き終わり、あとはパチンっとはめれば完成するところまで来た。ずっと下を向いてやっていたので、少し頭が痛い。


 30分ほど休んでから、4つの魔石をパチンとはめて完成させると、クローが明るく輝いた。


 ――《鑑定》!


 《轟雷爪ごうらいそう・オールディヴァステーター》

 ウェポン:クロー

 攻撃力:38680

 耐久力:∞

 装備効果:腕力三倍 ソードスキル強化(超)敏捷力上昇(大)爪撃術強化(大)魔力上昇(中)

 スキル:黒雷纏こくらいてん 黒雷障壁 麻痺牙 神気放出Ⅹ 神雷撃 破壊不能 サイズ変化

 Tips:スカイ・インフィニティ銘のネームドクロー。エターナライト・ドラゴニウム、プリムスティル、ハルモリウムの合金で爪部分ができているため、物凄い切れ味があり、そしてほんの少しの魔力で攻撃力を上げられる。また、神気放出スキルがあるため、攻撃に神気を纏わせることができ、ダメージの回復や再生が遅くすることができる。爪はしまうことができる。



 《星天爪せいてんそう・セレスティアルゲイル》

 ウェポン:クロー

 攻撃力:28500

 耐久力:∞

 装備効果:全魔法強化(超)知力三倍 魔力効率上昇(超)魔力上昇(超)腕力上昇(小)

 スキル:魔力放出Ⅹ 神気放出Ⅹ 魔法神気付与Ⅴ 神毒牙 破壊不能 サイズ変化

 Tips:スカイ・インフィニティ銘のネームドクロー。エターナライト・ドラゴニウム、プリムスティル、ハルモリウムの合金で爪部分ができているため、物凄い切れ味があり、ほんの少しの魔力で攻撃力を上げられる。また、魔法神気付与スキルがあるため、魔法で与えたダメージや傷の再生が遅くなる。爪はしまうことができる。



 これは……。半日以上かけて、頑張って打った甲斐があったなと感じる鑑定結果だった。


 攻撃力も高いし、二匹の長所を最大限に活かせる武器を作れた。しかも、破壊不能だ。これ以上のものはないな。


 永遠神竜の素材を使ったからか、神気を使うスキルが多い。


 問題は、神気を放つ武器は、この世界の人にどうやって隠すかだな。神気を扱う武器となったら、絶対奪いにくるに違いないし、フェルルとファルルなら、常人を一瞬で殺してしまう。


 念のため、しょぼいクローでも作るか。まぁ、それは明日にしよう。


 最後の仕上げとして、二人に合うカラーに変更する。フェルルのクローは漆黒に、ファルルのクローは純白にする。



「フェルルー!ファルルー!最強の武器ができたぞーー!」

「「ワン!」」



 二人はクローを装備して、各々ソードスキルや魔法を放ちまくって性能を確かめていた。


 満足したようで、「「ワンワンワフワフ」」と言って喜んでいた。


 満足しなかったらどうしようかと思っていた。それくらい、魂を込めて作ったのだ。



 ■■■■■



 俺たちは夕食を食べて、二匹はあの寝床に入った。


 二人は遊び疲れたのか、すでに寝息を立てていて、仲良く犬団子になっている


 明日は、街へ行こうと考えている。食料は問題ないが、味が同じだからちょっと飽きてくるのだ。


 あとは普通にこの世界の人々と交流してみたい。


 俺は空を飛び、街がどのへんにあるか調べた。


 50キロほど北東へ進むと、光の集団が見えてくる。この世界は、結構夜も活動的みたいだ。


 街探しはそこまでにした。楽しみは残しておくべきだからな。


 俺は寝床へ急いで帰り、犬団子の間にダイブして眠りについた。

次回更新はデータ回です

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