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第26話 戦利品

 俺たちは前に作ったからあげ全てを平らげ、二人は寝息を立て始めた。


 俺もあとをついていくように、二人のもふもふな毛に体をうずめながら、明晰夢を見ずに眠りについた。


 アレは深い眠りに落ちるものではないから、見すぎると睡眠障害を起こす可能性があるのが唯一の欠点だ。



 ■■■■■



「おーい、朝だぞー」

「ワン……」

「オフ……」



 小さく作った寝床の窓から陽光がさし、俺たちに朝を告げた。


 今日の予定は、ドラゴンの解体、飯の作りだめ、そしてフェルルとファルルの武器作成だ。


 まずは、飯にしようと思うのだが、ドラゴンの死体から肉がドロップするかもしれないので、解体から始めよう。


 アイテムポケットから二等分されたドラゴンの死体を出し、蒼穹剣を死体に刺して解体スキルを発動する。


 死体が光の粒となって広がり、集まると、たくさんの素材となって、ぼとぼとと落ちてきた。


 大量の肉塊や鱗、鉤爪などの素材の中に、5つほどの装備や3本の巻物スクロールが埋まっていた。


 一つ一つ鑑定していこう。


 《永遠神竜の肉塊》

 Tips:プライムドラゴン・エターナルの肉。500グラ食べると、全ステータスが1割上がる。

 《永遠神竜の鉤爪》

 Tips:プライムドラゴン・エターナルの巨大な鉤爪。金属と同じように加工できる。この素材で作られた武器防具は、名品になるのは確定。

 《永遠神竜の鱗》

 Tips:プライムドラゴン・エターナルの巨大な鱗。金属と同じように加工できる。この素材で作られた武器防具は、名品になることは確定。

 《永遠神竜の革》

 Tips:プライムドラゴン・エターナルの革。この素材で作られた武器防具は、名品になるのは確定。

 《永遠神竜のたてがみ

 Tips:プライムドラゴン・エターナルの鬣。とても長いので紡げば糸になる。それを織れば、強靭で肌触りもよく、伸縮性のある極上の布になる。

 《永遠神竜の魔石》

 Tips:プライムドラゴン・エターナルの魔石。すさまじい量の魔力を持っている。分割しても丸々一個使っても性能は変わらない。



 絶対竜王のような感じだけど、見た目も強さも全く違う。


 鉤爪や鱗は、絶対竜王のものは漆黒でとても厨ニ心がくすぐられる見た目だけど、永遠神竜のものは純白がベースだが七色に変わって見えて一味違う。


 魔石に関しては、感じられる魔力の量が大きく違う。


 ヤバい素材だ。魔石以外は、こんなに量があって使い切れるかな?と思うぐらいある。


 この強力な素材を使うと、どんな武器が作れるのか計り知れなくてなんだかワクワクしてくる。


 ちなみに、この世界の単位は神によって決められていて、『グラ』という単位は地球でいうと『グラム』で、『キログラム』は『キラ』という。


 他にも、『メートル』は『メト』、『センチメートル』は『セト』、『ミリメートル』は『ミト』、『キロメートル』は『キト』というらしい。


 単位変換は地球と同じだから、新たに覚えなくて済みそうだ。



 そんなことは置いておいて、装備や巻物スクロールもどんどん鑑定しよう。


『エターナライトシリーズ』

 Tips:プライムドラゴン・エターナルからドロップした、レアドロップアイテム。シリーズの中の一つに全障壁スキルがあるので、軽量ながらもオリハルコンの全身鎧並みに防御力が高い。

 《エターナライト・ミラージュコート》

 防御力:9000

 耐久力:∞

 スキル:幻影創造Ⅹ 背景同化Ⅹ 全障壁Ⅹ サイズ変化 破壊不能

 Tips:エターナライトシリーズの一つで、カーディアンのような見た目をしている。背景同化スキルによって、隠れることが可能。全障壁スキルによって、ものすごく軽量ながらも高い防御力がある。また、サイズ変化スキルがあるため、誰が着てもちょうどいい。


 《エターナライト・ルナリスヴェール》

 防御力:4800

 耐久力:∞

 スキル:月光回復Ⅹ 月光加速Ⅹ 障壁超強化紋章 サイズ変化 破壊不能 

 Tips:エターナライトシリーズの一つで、オープンショルダートップスのような見た目をしている。月光回復スキルや月光加速スキルによって、夜の間、魔力や命力回復スキルの回復速度が10倍に、敏捷力が3倍になる。また、紋章を出すと装備中の防具の障壁スキルを強化するスキルがあるので防御力が上昇する。また、サイズ変化スキルがあるため誰が着てもちょうどいい。


 《エターナライト・リベルティーベルト》

 防御力:2600

 耐久力:∞

 スキル:消臭 防汚 自在移動Ⅹ サイズ変化 破壊不能

 Tips:エターナライトシリーズの一つで、ミニスカートとショートパンツを合わせたような見た目をしている。自在移動スキルがあるため、障害物や地形、重力などに縛られず動くことができる。また、サイズ変化スキルがあるため、誰が着てもちょうどいい。



『エターナライトシリーズ』か。これはリライに使ってもらおう。


 見た目が完全に女の子用だし、純白がベースで光沢感もあって、服の見た目もリライにけっこう似合いそうだ。



 《神煌剣・アークライト》

 ウェポン:ダブルハンド・ラージソード

 攻撃力:20800

 耐久力:∞

 装備効果:腕力上昇(超)

 スキル:神気放出Ⅹ 神気操作Ⅴ 神煌斬 破壊不能

 Tips:プライムドラゴン・エターナルからレアドロップした大剣で、神属性を帯びている。神気を放ったり、操ったりすることができる。また、神煌斬を使うと、どんな種族にでも大ダメージを与えられる。


 《障壁強化・回復紋章指輪》

 防御力:500

 耐久力:∞

 スキル:障壁超強化紋章 回復速度上昇紋章

 Tips:プライムドラゴン・エターナルからレアドロップした指輪で、永遠神竜の金属質な鱗と魔石でできている。障壁超強化紋章を出すと、装備中の防具の障壁スキルが強化される。回復速度上昇紋章を出すと、自分の魔力や命力回復スキルの回復速度が10倍になる。


 《ユニークスキル選択の巻物スクロール

 Tips:全てのユニークスキルから一つを選び、習得できる。



 防具も素晴らしかったが、やはり剣も恐ろしく強力な能力を持っていやがる。チートにもほどがあるだろ。


 巻物スクロールに関しては、3つもある。俺だけが使うのはもったいないので、フェルルとファルルと俺で使おう。



「フェルル、ファルルー。リライに用ができたから、一時的に融合してくれないか?」

「「オフ」」



 二匹の体が光に包まれ、数秒ほどでリライが現れた。



「リライ、お前専用かどうか知らんが、お前に似合いそうな防具がドロップしたぞ」

「やったぁなのです!」



 ボロボロのオリハルコン全身鎧と、前に渡した服をガチャガチャゴソゴソと音を立てながら脱ぎ捨てられ、真っ白な体がさらされる。


 羞恥心を知らないのか!と思いながらリライに防具を渡す。ちょっと大きめだった服が小さくなり、ぴったりフィットしてスタイルのいい体が浮き出てくる。



「どうなのです?似合ってるのです?」

「ああ、すっごく似合っていて、かわいいよ」

「そ、しょんなにぃほめないれ~」



 軽くほめたつもりなのだが、リライはかわいいと言われるのが苦手なのか照れやすいのか……。よくわからんな。


 ミニスカートが短くて足の露出が多いが、上の方がそれがもっと多い。


 元々肩が丸出しになるデザインなので露出が多いのは知っているが、上の方の背中や、お腹も露出していてへそも丸見えなのだが。


 まぁスカートもトップスもフリルが満載で、THEおしゃれな女の子という感じだ。




 さて、リライがもとに戻ってもらったので、剣の方も使ってみるか。


 剣のスキルの神煌斬だ。大剣はほとんど使わないから、ちょっと重いな、といっても魔力をいっぱい吸った暁闇剣と同じくらいかな。


 白金色に輝く剣身から、神気の塊の斬撃が勢いよく飛んでいき、偶然通りかかったプロミネンス・ドラゴンに命中した――いや、どちらかと言うと透過だな――あと雲を裂いてどこかへ飛んでいった。


 プロミネンス・ドラゴンは、一滴も血を落とさず――というかそもそも表面に傷がついていない――に落下した。


 内蔵がやられたのか?いまいちわからない。街へ行ったら神属性についての本がありそうだから、探してみるか。



「ワンワン!」

「ウウウウ!」



 そういえば、飯まだだったな。二匹揃ってヨダレを垂らしながら「飯をくれ!」と訴えてきた。



「ドラゴンの肉を使って絶品料理を作ってやるから、待ってろ!」

「「ワン……」」



 絶品料理と言っても、今は肉しかないけどな。やっぱりハンバーグとカラアゲしかないか。


 ハンバーグも尽きてきた頃だし、今日はそれを作ろう。


 俺はアイテムポケットから巨大ニッケル合金版をガサゴソと探し出し、土台を作って設置した。



 ドラゴンの肉を300キラ、ならぬ300キロ出し、サイコキネシスで剣を振り回しひき肉にする。


 前作ったときに余ったオクシデスのひき肉も使おうと思ったが、味が落ちると思ってやめた。


 いい感じに形成してから、ニッケル合金をアッツアツに熱して、ジュウジュウと音を立手ながら焼き始めた。


 脂身もあるようで、出てきた脂がはねてきたが、障壁スキルが俺を守ってくれた。



 一時間ほどで、1000個焼き終えた。300グラムの大きめハンバーグだ。


 匂いにつられてやってきたウルフ数等を二人が瞬殺するところを確認しながら、ミスリル皿に盛り付ける。



「おーい、できたぞー」

「「アオーン!!」」



 勢いよく走ってきたのに急ブレーキをかけたので、土煙が舞った。料理につかないよう、風魔法でつかないようにした。


 一人あたり5個なので、ステータスが3割も上がる。



「いただきまーす」

「「ワフフワフ」」



 今までの肉料理よりの味を大幅に上回る味だ。力がみなぎり鳥肌が立ったのがわかった。



 ステータスが上がるのって体感できるんだね。

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