第11話 出会い
俺は、幼獣の鑑定結果に頭を思いっきり殴られたかのような衝撃を受けていた……。
――――――
名称:フェンリライアンス・ファングアーク(幼獣)
種族:魔獣 魔狼
状態:平常
Lv.15
命力:8216/9821730 魔力:128/5712350 腕力:8621590 知力:4098920 敏捷力:9912870 体力:8325860
スキル
爪撃豪術Ⅴ 爪撃豪技Ⅱ 極光魔法Ⅱ 生存術Ⅵ 空中疾駆Ⅰ 加速Ⅷ 身体サイズ変化Ⅱ 気配察知Ⅴ 咆哮Ⅷ 再生Ⅸ 魔力回復Ⅱ 命力回復Ⅳ 連携Ⅷ 毒牙 感覚強化Ⅳ 皮膚硬化Ⅴ 爪硬化Ⅴ
ユニークスキル
■■■
専属スキル
融合・コード428
称号
唯一無二 神狼の眷属
名称:フェンリライアンス・ファングアーク(幼獣)
種族:魔獣 魔狼
状態:平常
Lv.15
命力:3017/5641520 魔力:500/10324110 腕力:4091820 知力:15395260 敏捷力:4981240 体力:6187630
スキル
紅焔魔法Ⅱ 風魔法Ⅷ 水魔法Ⅸ 土魔法Ⅱ 雷撃魔法Ⅱ 闇黒魔法Ⅰ 氷乱魔法Ⅲ 回復魔法Ⅷ 身体サイズ変化Ⅱ 咆哮Ⅰ 再生Ⅲ 魔力回復Ⅵ 命力回復Ⅰ 連携Ⅷ 感覚強化Ⅰ 皮膚硬化Ⅱ
ユニークスキル
■■■
専属スキル
融合・コード428(現在使用不可)
称号
唯一無二 神狼の眷属
Tips:フェンリライアンス・ファングアークの幼獣。半年ほどで成獣になる。幼獣時代でSランク、成獣になればSSランク以上にまで成長する。神狼に最も近い魔獣と言われ、人々に畏れられている。この魔獣は独立した二体で一個体のため、片方を倒しても一分以内にもう片方も倒さねば討伐できず、一分経っても倒すことが出来なければ復活してしまうため、非常に厄介な魔獣である。なお、ユニーク個体であるため、普通のフェンリライアンス・ファングアークよりも強力な力を持っている。
――――――
これが一枚のウィンドウに表示されていた。
(片方は近接戦闘型で、もう片方は魔術師型か、バランスいいね)
通常、一体の魔獣につき一枚のウィンドウなのだが、この犬……じゃなくてウルフたちは二体の情報が一つのウィンドウで表示されている。二体で一つって、ふたりはプ◯キュアかよ……。
話はウィンドウの内容に戻るが、専属スキル《融合・コード428》というのは、同じコードを持つ個体と融合できるというスキルらしい。なるほど、別個体とは融合できないようスキルで区別してるのか。
あと、ユニークスキルの《■■■》ていうのが気になるな、一体どんなスキルなんだろう。
伏せられたスキルについて、フェンリライアンス・ファングアーク――面倒くさいなフェンファンでいいや、とにかく彼らを見ながら考察していると、段々とある欲望が膨らみあらゆる思考を邪魔してくる。
(――ペットにしたい。モフりたい……!!!)
助ければテイムできるか、とフェンファンに集るウルフを殲滅すべく、双剣技王ソードスキル《オーバードライブ》を発動。剣が赤く輝き出した次の瞬間、紅の閃光となった俺は、ウルフと衝突すると次の獲物へと反射した。最上位ソードスキルによりアシストされた斬撃と突進により、あっという間にウルフ共がサイコロステーキと化した。
一番強かったウルフはAランク魔獣だったので、素材になるようにきれいに倒した。
近くで見てみると、想像以上に大きかった。体長1.5メートルぐらいあるぞ。
俺は、傷だらけのフェンリライアンス・ファングアーク、略してフェンファンを回復しようとした。
「ガルゥゥゥゥゥゥ!」
「ヴヴゥゥゥゥゥゥ!」
「めっちゃ唸るやんけ」
やばい、テイムできるか心配になってきた。でも、希望を持ってなにかしてみるか。
俺は、レベルⅧ治癒魔法《エクストラ・ヒーリング》をフェンファンにかけた。真っ白な癒やしの光に包まれると、血や土に汚れた体表がきれいな色と毛並みを取り戻した。
「ガルゥ」
「ヴゥゥ」
「まだかぁ……」
少し収まったが、まだだめらしいので、アイテムポケットから俺の特製ハンバーグを取り出しそれぞれに三枚ずつあげた。ものすごい勢いで食べている。
「ガウガウッ」
「ガフガフッ」
「なんて良い食いっぷり……。可愛い♫」
一分もしないうちに三枚の巨大ハンバーグを食い終えると、しゅるしゅると体が小さくなりチワワサイズになったフェンファンが俺の胸に飛び込んできた。俺の鎖骨辺りに肉球を引っ掛け、顔をやたら舐めてくる。どうやら餌付けは大成功のようだな。
実はどちらかといえば猫派だが、犬も大好きだ。
「ワフッ」
「ワウッ」
「かぁわいぃいぃ……」
《Information:スカイ・インフィニティがフェンリライアンス・ファングアークのテイムに成功しました。また、スカイ・インフィニティがスキル《テイムⅠ》を取得しました》
《Information:フェンリライアンス・ファングアークのネーミングが可能です》
じゃぁ、フェンファンから取って近接戦闘型を「フェルル」、魔術師型の方を「ファルル」としよう。
《Information:フェンリライアンス・ファングアークの名付けが完了しました》
■■■■■
俺は作業場に帰り、創り出したベットの上でフェルルとファルルをモフっている。
改めて彼らの全身を観察してみる。フェルルはネイビーブルーの体毛に、首元の澄んだ空の色のもふもふが非常に映えていて、一本のながーい尻尾も魅力的だ。対してファルルはスノーホワイトの体毛に、フェルルと同じように空色のもふもふがよくマッチしている。そして、ながーい尻尾が5本もある。
どうやら俺はなかなかのテクニシャンのようで、一分ほど撫でていただけで眠らせてしまった。
これは前世の頃からそうだった。
俺が生まれたときと同時に飼い始めた猫がいた。その猫は日本語がわかっているような気がしたちょっと変わった猫だった。俺が16のときに死んじゃったが、死んじゃうまでずっと可愛がっていた。
その時の明晰夢の次に得意な技が「30秒で飼い猫を眠らせること」だった。疲れ切って家に帰ったら真っ先に抱っこして、ストレスを吸収してもらっていた日々が懐かしいな。
そんなふうに前世のほっこり日常を思い出しながら、温かいもふもふ天国の中で眠りに落ちていった。
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