第9話 鍛冶修行Ⅰ
神たちの描写があまりにも下手ですねぇ、リメイクまでに練習しないと……。(11/6、R7)
森を後にした俺は、鍛冶修行にぴったりな場所を探すため、上空を彷徨っていた。 理想は人目につきにくくそれなりに広い洞窟だが、果たして見つかるだろうか……。
(まぁ無ければまたでっけぇ穴掘ればいっか)
どんな武器を鍛えようかと考えながら飛び回ること30分、遂に山の中にいい感じの洞窟を見つけた。
洞窟の中には何もいなさそうだった。「中ボスが現れた!」的なイベントがあったら面白かったんだけどなぁ。
高度を緩やかに落として洞窟内に入った。ゴツゴツ凸凹とした壁面を土魔法で整え、壁紙や魔力で光る蛍光灯、そして前世で一番寝心地が良かったベッドなど、色々生み出して洞窟内を装飾していった。
「結構高級感のある部屋に仕上がったな」
やっと生成に成功した鉄鋼を使い大きめの金床を作り、純ミスリルも生みだした。そしてあらかじめ装飾の際に作っておいた竈に魔法で火を熾し、ミスリルを熱し始めた。
いやいや魔力制御が大変だったぁ。魔法金属であるが故か、ただの火では理想の温度になるまで時間が掛かるし、普通に火魔法で熱しようとすると、魔力制御に失敗して一瞬で蒸発させちゃったし。どれだけのミスリルを無駄にしただろうか、ホントに大変だった。
魔法で熱した純ミスリルをサイコキネシスで押さえる。蒼穹剣を大槌形態にしたものを両手で構え、特殊鍛冶スキルの思うままに振り下ろそうとした。
この世界でのミスリル剣の強さはどうかわからないけど、初めて作ったやつを基準にして成長具合を確認していくとするか。
赫々と輝くミスリルに大槌が叩き込まれる。そしてパーンという軽快な音とともに、
――ミスリルが鍛冶台ごと粉々に砕け散った。
「……いやなんで!?」
原因はなんだろうか。
無意識に力んでしまったか? 異常なまでに成長した腕力ステータスがフルで込められたら、確かにミスリル程度では砕け散ってもおかしくない。しかし意外と重力に任せて振り下ろしたつもりだったが……。
であればハンマーか。なにせグロースレベルがMAXに到達し、攻撃力がもう50000に到達していたのだ。そりゃぁ木っ端微塵になるのも致し方ないか。
仕方ないので、魔力を50000ほど使って、ミスリル以上の金属を生み出そうとした。するとアダマンタイトという金属が生み出された。
《メタルジェネレート》という魔法は、込めた魔力によって生み出される金属の種類や純度が変わってくる。体感、1〜500で鉄、501〜1000で銀、1001〜2000で金、2001〜4000で白金、4001〜20000でミスリル、20001からはアダマンタイトといったところである。
アダマンタイトの範囲についてはわからないが、おそらくかなり広い範囲だろうな。また、これは暁闇剣の装備効果《魔力効率アップ》がある俺の場合であって、通常の人の場合だと必要魔力量が跳ね上がるだろう。
とにかく、これで《クリエイティブ・クラフト》で鍛冶ハンマー生み出せるようになった。
え? 最初からそれ使えば良かったんじゃないかって? いやいや、このスキルは俺が実体験を元に想像したものを自由に創造できるスキルあって、見たことのないものは創造できないのだ。
そして、生み出したアダマンタイトを大槌に変形する。鍛冶台は、万が一力んでしまったときのことも考えて、より上位の魔法金属であるオリハルコン製で作った。魔力を50万ほど使って純粋なやつを生み出せたので壊れにくいと信じたい。
今度こそ成功させるべく、再びミスリルを生みだして熱し始めた。
――30分後。
高速鍛冶スキルのおかげで、かなり速く鍛えの工程は終わった。
鍛えられた剣心は現段階でもかなり鋭く仕上がったが、砥いで仕上げをしていく。ジャリジャリという研ぎ音がテンポよく洞窟内に響く。
あとは鍔と柄も作らなきゃな。まぁ処女作だし、装飾品は簡素なものでいいだろう。
――更に30分後
遂に砥ぎ終わり、後は鍔と柄をつけるだけとなった。
いちいち削り出すのめんどくさいので、鍔と柄は合体したデザインでミスリル製のものを生みだした。
そして、剣を柄に差し込んだ。一瞬剣が薄白い輝きを放った。
――《鑑定》!
――――――
《上質なミスリルのロングソード》
ウェポン:ワンハンド・ロングソード
攻撃力:550
耐久値:1280
装備効果:なし
スキル:なし
――――――
「上質な」とあるし、初めてにしては良い出来だろうか? これを基準にして、上達具合を測っていこう。
俺は五分間ほど休憩を取っていたところ、魔獣が洞窟に入ってくる気がした。気配察知で探り鑑定したところランクC魔獣《グレーター・オクシデス》と分かった。
せっかくだから、鍛えたてほやほやの剣で倒してみよう。魔力を1000ぐらい込めて攻撃力と強度を上昇させた。
俺が剣を構え戦闘態勢を取ったのを即座に感じたのか、軽く地面を抉りながらオクシデスが突進してきた。
ランクC魔獣だけあって常人にとってはかなり速いだろうが、戦闘モードに入った俺には、もはや子供が走るくらいのスピードにしか見えない。
俺は突進を華麗に躱した。そして猛牛は無駄のない動きで首を斬り落とし食用肉の塊にされたのだった。
まだハンバーグの在庫があるので、しばらくはアイテムポケットのお荷物になるだろう。
肉をしまうと同時にハンバーグとご飯を出す。腹の虫が鳴き始めたのでもうそろそろ昼食時だろう。
では、いただきます。うん、肉汁がエグい量出てきて、めっちゃ美味しい。ご飯もすごく進む。
ただアイテムポケットの中は時間停止されているため、取り出したハンバーグは出来たて同然で、猫舌の俺にとってはそれなりに熱かった。
食事を済ませ、再び鍛冶の修行に戻ることにした。
ここには長居をあまりしたくないので、周囲時間の流れを限界まで遅くするため、創作魔法《クロノスペロシティ》を創る。10時間を72倍に加速させて720時間、つまり1ヶ月間鍛冶に集中することにした。
食料が尽きてしまうのは困るため、時間が加速された領域にいても、加速空間外と同じ10時間進むという設計だ。
俺は鍛冶を再開した。
もし、この洞窟を外から見たら、少年が目にも止まらぬ速さで鍛冶をするというかなり奇妙な様子が見えるだろう。
■■■■■
――神界にて。
そこには、魔法神、武神、職人神、輪廻神がいる。
「なんかすごいことをしておるのぉ。なぁ、職人神」
「うむ、そうじゃな。こんな転生者は初めてじゃ。輪廻神」
「オレと魔法神が認めるほどの逸材を持ってきやがった輪廻神には感謝だぜ」
「地球という星は、不思議ですねぇ」
「うむ。まったくその通りじゃな」
転生者スカイ・インフィニティこと黒木宙來の転生生活を見守る神たちは、色々と彼の様子を見て話していた。
「ねぇ、輪廻神。転生者を出したってことは……」
「そうだ。『ヤツ』が復活しそうなのだ」
「マジかよ。ところで、普通ならオレ等が転生前に寵愛を授けるのが普通のはずだが、なぜそれをさせなかったのか?」
「それは……。あやつがこの世界の理解が非常に早そうだったからだ。やつがどんなふうに魔法やソードスキルを使うのかを見てから寵愛を授けさせようと思ってのう」
「確かに、転生者じゃなくてもあんなに魔法を応用してくれたら普通に寵愛を授けるだろうねぇ」
「しかもあの量の魔獣を転生初日から戦わせても、あの竜王を送り込むまでノーダメージでいたなんて……。こんなやつは過去におらんわ」
「今回は『ヤツ』を完全に滅ぼし切れそうな気がするぞ」
「そうね。期待しましょう」
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