第6話 超越者に至る！
――チャンチャカチャンチャンチャンテケテ〜ン♪――
はい！ お料理コーナーの始まりぃ始まり！
今日のメニューは、ハンバーグとご飯です。
材料は《クリエイティヴ・メイク》で創った日本国産（？）米、玉ねぎ、ケチャップ、卵と、グラントロンのひき肉、オクシデスのひき肉です。
まずはボウル（《メタルジェネレート》発動時に魔力を抑えられず、間違えて生み出した純ミスリルを《ソーサラス・シェイピング》で成型したもの）にひき肉をそれぞれ20キロずつ入れ、スキル《サイコキネシス》でよくこねます。
そして、生み出した卵５個と、ケチャップ１パックを全て入れ、足りなかったのでもう１パックを生み出してまた全て入れ、さらによくこねていきます。
さらに、その中に追加で生み出した国産野菜ミックスジュースをコップ一杯ぶんいれます。実は、野菜ジュースを入れると割ったときに肉汁があふれ出るのでぜひやってみてくださいね！
しっかり混ざりきったら、300ｇ程度のハンバーグタネを作ります。そしたら、一人キャッチボールをするようにして空気を抜いていきましょう。
よく空気が抜けたら、中心を少し凹ませます。凹ませないと焼きムラや生焼けの原因になってしまうので、忘れずに行いましょう。
それを巨大ニッケル合金板｜（今度こそ鉄鋼を生み出そうとしたけどまた間違えました）で一気に加熱します。
実食して焼き加減を確認しないでくださいね！ 私のように、腹痛になったり口を火傷したりしてしまいますよ！
治癒魔法で治しながら、捨て身で焼き加減をチェックしながら、一気に焼き上げていきます。
約10個ほどなくなって残り120個ほどになってしまいましたが、焼き上がったハンバーグをアイテムポケットに入れます。
気づいたらあと５分魔獣がでこっちについてしまいますね。時間がないので、《クリエイティブ・メイク》で時間を加速させる領域を作りましょう。名前といったところでしょうか。
これで一時間ぐらいの猶予ができました。最後にご飯を炊いて行きましょう！
――――――
50分後米が炊けたので、心の中で茶番料理番組を終わらせる。
炊きあがったご飯は約5升。炊き上がりを確かめるために一口食ってから、魔法を解いた。
茶番食レポ番組は放送しないのかって？ うん、無理だね正直腹一杯だ。なぜならば焼き加減を確かめるために結構食ったからである。
■■■■■
匂いにつられてやってきたのだろうか。ゴブリンがこっちに向かってきていた。――後ろに強大な気配があることを知らずに。
「ギュギャァァァァ――」
愚かな断末魔が響いた。
ゴブリンの姿はなかった。その代わり、今までで一番でかい気配を放つ魔獣がいた。
――《鑑定》！
――――――
名称:フレア・ドラゴン
種族:魔獣、竜族
状態:平常
Lv61
命力:15891 魔力:20872 腕力:8715 知力:8892 敏捷力:10052 体力:11793
スキル
鉤爪豪術Ⅳ 鉤爪豪技Ⅲ 紅焔魔法Ⅶ 土魔法Ⅵ 風魔法Ⅳ 咆哮Ⅹ 威圧Ⅷ 猛毒牙 自動命力回復 高速再生Ⅷ 回復強化 再生強化 鱗硬化 身体強化 紅焔強化 命力中強化 魔力大強化 敏捷力小強化 体力中強化
固有スキル
ドラゴンフューリー
称号
竜神の配下
Tips:ドラゴンの中では最弱種であるが、Aランクに設定されている。似たような魔獣に「ウォーター」「ウィンド」「アース」「ライトニング」などがいる。高いステータス値に魔術の強さ、そして高い再生力でかなり討伐が困難。猛スピードで突進してきて鉤爪で攻撃したり、高威力魔法を放ったりするのが攻撃手段。Aランク冒険者がパーティーを組んでやっと倒せるレベル。
――――――
やばい。かなり強い。しかも紅焔魔法のレベルは負けているではないか。
暁闇剣を巨大ブーメラン状にしたものを軽く投げつけるも、鱗を少し砕く程度のダメージしか与えられなかった。
更に９体背後から現れ、俺を囲む。獲物を見つけたかのように俺を睨む魔獣共は、どいつもこいつも似たりよったりなステータスをしており、変わり映えがあるのはスキルだけだった。
俺は双剣を構えた。敵も魔法の詠唱を始めたり魔力を練ったりして攻撃の準備をしていた。
数秒後、魔獣共が放ったあらゆる魔法や攻撃が殺到する。俺は全て無効化するため、ある創作ソードスキルを創った。
「《蒼幻煌剣絶斬》！」
俺の腕が文字通り霞んだ。神秘的な蒼き煌めきを纏った双剣が一瞬にして振われ、魔力が圧縮された数多の斬撃が衝撃波を発生させて乱射された。全てを砕くまでその進みを止めない斬撃は、魔獣の魔法や肉体、そして空をも大地をも斬り裂きながら、森の奥に潜む魔獣たちをも殲滅していった。
これで後ろに控えていた残り90体いた魔獣も40体ほどにまで削れた。
運良く残った魔獣も致命傷やそれに近い傷を負い悶え苦しんでいるのだろうか、その位置に留まったままである。気配察知の反応が全く動きを見せない。おそらく回復するには、しばらくその場所に留まらなければならないんだろう。
とりあえず休憩するか。
先程の創作ソードスキルで、腕がもげ飛びそうになったのだ。放とうとしたその刹那に勘がそう囁いていたので、補助魔法で強化しながら斬撃を飛ばしていたのである。それでも腕へのダメージは尋常ならざるものだった。
そして恒例のレベルアップや称号獲得メッセージが現れる。ステータスを見てみよう。
――――――
名称:スカイ・インフィニティ
種族:人間
職業:なし
年齢:15歳
状態:平常
Lv.132
命力:958700 魔力:1004200 腕力:648750 知力:705700 敏捷力:583990 体力:608580
スキル
紅焔魔法Ⅵ 擊流魔法V 地磁魔法 V 竜巻魔法X 治癒魔法X 雷撃魔法X 空間魔法X 補助魔法X 気配察知 X 鑑定X
エクストラスキル
サイコキネシス 状態異常無効
ユニークスキル
戦技王Ⅹ 戦術王Ⅹ 残光Ⅹ
専属スキル
クリエイティヴ・クラフト 創作魔法メモリ 創作ソードスキルメモリ
装備
蒼穹剣 レインカルナティオ 暁闇剣 マジックプレデター 異界の黒色オーバーコート 異界の紺色半袖 異界の黒色長ズボン
称号
転生者 神と会った者 魔法使い ゴブリンキラー ゴブリンスレイヤー ゴブリンデストロイヤー ゴブリンアナイアレーター 大量殺戮者 オークキラー オークスレイヤー オークデストロイヤー オークアナイアレーター 魔法を愛する者 ウルフキラー ウルフスレイヤー ウルフデストロイヤー マンドラキラー マンドラスレイヤー ジャイアントキラー ローチキラー カーリンキラー オウルウィスプキラー グラントロンキラー オクシデスキラー デビルキラー デビルスレイヤー スライムキラー ウルフアナイアレーター ワイバーンキラー マンドラデストロイヤー オウルウィスプスレイヤー ミノタウロスキラー 魔法神の寵愛 武神の寵愛
NEW!
ドラゴンキラー ドラゴンスレイヤー デビルデストロイヤー オーガキラー オーガスレイヤー 超越者
――――――
今回の波は魔獣の種類が少なかったからか称号獲得数は結構少ない、しかしトンデモ称号が一つあった。
超越者:人外な人間に与えられる称号
効果:全ステータスレベルアップボーナス（神）
取得条件:ノーダメージでレベル125に到達すること。
えっと、《神》ていうのは、15割らしい。
……ちょっとステータスボーナスを計算してみよう。
計算結果は命力は30割、魔力は37.5割 腕力と知力は32.5割、敏捷力と体力は22.5割。もうただの化け物じゃねぇか！
20分後……。
回復を終えたＡランク魔獣たちが一気に襲いかかってきた。一塊になって移動してくる様は、速度と相まって弾丸のようにも思えた。
その中から一匹飛び出してきたウィンド・ドラゴンに当たりそうになりながらも先程の《蒼幻煌剣絶斬》を、一弾に向けて集中的に放つ。あと通り抜けていったウィンド・ドラゴンにも。
そうして遂にＡランク魔獣を殲滅しきったところで、二通のメッセージウィンドウが届いた。
《Information:スカイ・インフィニティがレベル150に上がりました。》
《Information:スカイ・インフィニティが称号《亜神人》を獲得しました。》
亜神人:人間の域を超え、かつ神に認められし存在となった人間へ送られる称号。
効果:全ステータス二倍。
取得条件:レベル150にノーダメージで到達し、かつ神に認められること。
「もうええわ……」
この称号のおかげ、いやそのせいで一部ステータスが50万を超えたんだけど。
（冒険者登録とかしたときにこんなステータス見られたらどうなんねん……）
そんなふうに内心焦ってから、俺は改めて気配察知を使った。
とてつもなく強大な気配が、時速約1000キロほどでこっちに近づいてくる。敵の存在を表す赤色の円が非常に大きい。
そして――
竜巻でも発生したように思わせられる砂埃を巻き上げながら、目の前に現れた。砂埃が目に入らないようにレベルⅠ竜巻魔法《テンペスト・ブラスト》を放つと、砂埃に紛れた敵の姿が少し露わになった。
やがて砂もきれいに消え去り、視界に入ったものは――
巨大なクレーターの上に存在する、身の毛もよだつような異様な気配を強烈に放つ黒竜だった。
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