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「はい、切符」
切符を手渡され、改札を潜った。
「よっこいしょ」
「何? 爺臭いんですけど」
「そんな事あるまい」
「そうだぞ」
ああ、これ知ってる。
面倒くさいパターンの奴だ。
なので話題を変える
「何であんた達があんな所にいるのよ」
「何でって、それはこっちの台詞。何であんな所でプロポーズされてるんだよ」
「そうだぞ」
「し、知らないわよそんな事。私だってあんな所でされるなんて思って無かったし」
「繁華街だぞ、あんな人通りのある所でよくやるよ。片膝ついてなんだあれ。周りにカメラ探したわ」
「そうだぞ」
「確かに探したけど、探したらあんた達がいたけども。大体何よ、僕と結婚してくださいって
ゆきが僕とか初めて聞いたんですけど。笑いそうになったでしょ」
「あんな事ふざけてないと出来るわけないだろう、恥ずかしい」
「そうばど」
「ともは弁当食べるの止めて」
「何だよ、佐緒里も腹減ってたのか? 」
「減ってない! 」
相変わらずめちゃくちゃなともとゆきは、私の幼馴染である。
というか腐れ縁ってやつなんだろう。
高校まではずっと一緒だった私達、卒業してからは一切連絡を取らなかったのに
何故かこんな時に再会してしまった。
本当、何ていうタイミング
神様が仕組んだことなら意地が悪すぎる。
やっぱり佐緒里がいると違うな。
このリズミカルな会話、いいね!
思わず親指立ててしまいそうになるくらいだ。
やっぱり、付き合いが長いとブランクなんて感じさせない。
「で、これからどうするよ」
改札を出てすぐにともが訊いてくる。
「どうするって、私に訊かれても」
「まぁ、待て待て。今探してっから」
「じゃあ私トイレ」
佐緒里が行ってしまった。
あれだけ弁当を食べればトイレにも行きたくなるだろう。
う〇こだな。
「で、ゆき。どうするよこれから」
「とりあえず宿は抑えたから、後はどこか遊べそうな所だな」
「ほう、よく取れたな」
「人脈ってやつよ」
人脈と来ましたか、お前それは
「ろくでもない奴が居ますよここに」
「何、どうしたの? 」
佐緒里がすぐに帰って来た、どうやら違ったようだ
「宿はゆきが抑えてくれたので、後はどこか行きたい所はございますかお嬢さん? 」
「そうね、そういえばここって動物園ぽい所なかったけ? 」
「ああ、じゃあそこにしよう」
「そうしよう」
「それにしても、よく取れたわね」
「まぁな。人脈ってやつよ」
「何、やばい人がいまよここに」
「うるせ。行くぞ」
そうして俺たちは動物園ぽい所へ向かうはずだったのだが
佐緒里はまたトイレへと向かった為、しばしの休憩である。
さっきは混んでいたようだ。