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第1話 タック・ライスフィールド

よろしくお願いします。

初めまして、私、田中卓也と申します。

令和に変わった現代日本に生きておりましたが、この度、不幸に見舞われ、命を落としました。

さて、命を落とした私がなぜ、自己紹介をしているかというと、この度、転生致しました。


「おぎゃ、おぎゃ、おぎゃ、おぎゃ、おぎゃ・・・」

「おお、生まれたか!」

「はい旦那様、元気な男の子です。」

「なんと、そうか。これで我がライスフィールド家は安泰だ。はははは・・・」

「あなた、早くこの子に名前を付けてあげてください。」

「おお、そうだったな、うーん、タックだ。どうだ、いい名であろう。」

「はい。タック、あなたはタック・ライスフィールドですよ。」


そう、この生まれた子供が私、タックなんです。なんと私、異世界転生することになりました。しかし、私の苗字、『ライスフィールド』って、田んぼを英語でいうと、『ライスフィールド』なんですよね。おまけにタックって、卓也だったんで、似てるんですよね。まぁ生まれた家に文句は言えないので、仕方ないんですけどね。では、自己紹介はこの辺で失礼いたします。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――

~5年後~

私の名前はタック・ライスフィールド、このライスフィールド伯爵家の嫡男である。

生まれてから5年が経った。そんな俺が何をしているかというと、

「タック。どこに行こうとしているのかしら。」

「は、母上」

今、私を呼び留めたのは俺の母、メイ・ライスフィールド、子供を産んだと思えない程若々しく、金髪の美人で、社交界では大層持モテたようだ。でも今は俺を調教する、鬼教官である。

「まだ、お勉強は終わってないわよね。」

「はい」

私は鬼教官には絶対服従の姿勢をとっている。


今の私はひどく退屈している。毎日勉強ばかりである。

次期伯爵は勉強、勉強、勉強・・・である。

私は刺激を求め、屋敷の中を探索していると、

「タック。こんなところで何をしている。」

「ち、父上」

俺の父はリック・ライスフィールド、現在のライスフィールド家の現伯爵である。金髪に鋭い目をして、若いころは王子様系、今は渋めなナイスミドルな顔立ちだ。

「なにをしている。タック。」

「あの父上、屋敷の中を見ておりました。」

「そうか、何か面白いものは見つかったか。」

「いえ、特に何も。」

「そうか。」

私は父上とあまり会話が長続きしない。悪い人ではないのだが、話下手なひとである。

「そうだ、面白いかは分からないが、変なところに連れて行ってやる。行くか。」

「はい。行きます。」

俺は退屈していた。何か面白いものが見つかるといいな。


大きな扉がある。扉には番号入力式のカギが付いている。

「ここだ。先祖が残したものがある。」

「先祖が残した!」

俺は冒険心をくすぐられて、父上がカギを開けるのを今か、今かと待っている。父上が番号を入力し、鍵が開いた。

「――――――っ」

そこには所狭しと、色々なものが置いてある。

ラベルが一つ一つに張られている。結構几帳面な性格だったのかな、ご先祖様。

「ここにあるのは、先祖、いやライスフィールド家初代オリジン・ライスフィールド様が残したものだ。初代様はここにあるものを使い、ドラゴンを倒し、この王国を救ったお方だ。」

「オリジン・ライスフィールド。それにドラゴンを倒したって!」

「フフ、タックはそういう話が好きか。」

「はい。もっといろいろ教えてください。」


父上が困った顔をしながら、一つの本を見せてくれた。日本語で書いてある。

「いや、それがな、どうやらこの本に記載されているようなのだが、初代様にしか読めず、それ以後読める者がいないと言うことなのだ。」

「うーん、父上、でもこれ、『俺の秘密の書』って書いてありますよ。」

「――――――っ、タック、お前これが読めるのか!」

父上が驚き、俺に確認してくる。

「うーん、ちょっと貸してください。」

私は父上から本を受け取り、読み進めてみる。


「えっと、『ここには俺、オリジン・ライスフィールドこと、田中源(たなかげん)の全てを記す。』って書いてあります。」

「――――――っ」


俺はこれが読めることの意味をまだ知らなかった。


ありがとうございました。

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