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スキル『砦』を使って快適ダンジョンライフ  作者: 日進月歩
第三章 皇居ダンジョンへ行こう!
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ことわりますか?いいえ、いただきます


 両陛下のお住まいである吹上御所に来たのですが、なんと玄関では両陛下がお出迎えを!?


 なんて恐れ多い事でしょう……


 とはいえ、上皇后陛下からみれば旧友が訪ねてきた感覚なのでしょうね。


 そこで軽く挨拶があり、護衛の方々を伴って中へと案内されました。

 この時、玲子さんと葵さんはわたし達のお付きと言う立場のため、護衛の方達の控室で待っていることになるのだとか。


 私と沙織さんもそっちかな?と思ったのですが、そこは上皇后陛下が旧友の曾孫さん達ともお話したいと言ってくださり、私達もご一緒させていただくことになりました。


 そして案内されたのは洋間で、20畳ほどありますかね?そのお部屋の真ん中にテーブルが1つあり、雰囲気的にもかなり落ち着いた雰囲気のお部屋でした。

 もしかして海外からの重要人物などをお出迎えする時のお部屋だったりするのでしょうか?


 そしてテーブルの内一か所だけ椅子の無い場所が!

 もしかして私の場所でしょうか?そう思っていると、その場所を勧められました。

 元から私が車椅子で来ることを想定されていたのですね。



 そうして皆さん席の位置に着いてからお互いの軽い挨拶と、私と沙織さんは前に一度軽く自己紹介してありましたが、再度の自己紹介をしました。


 その後、上皇后陛下と曾お婆ちゃんが昔話に花を咲かせ、私達はそれを聞きつつお茶をいただくという形でしたが、その中で曾お婆ちゃんが


「でね、この間もお伝えしたのですけど、これが出てきたのですよ」


 そういって桐の箱を出し、テーブルの上でその蓋を開け、両陛下の護衛の方達に問題ない事を見せた後、宮内庁の方でしょうかね?その方が出て来てその箱を上皇后陛下の方へと持って行きました。


「あら、懐かしいものが出てきたのね。でもこれ、本当に頂いてしまってもいいのかしら?」


「今まで私の所にあったのです、これからは紗那絵様の元においてあげてくださいませ」


「そう、そうね。秋江さんがそうおっしゃるなら私の手元に置かせてもらおうかしら」


 そう言って先ほどの宮内庁の方を見たところ、その方もうなずいたためこれにてメダルの譲渡は無事終了となりました。


 その後またしばらくお二人は昔話に花を咲かせた後、私達にも学校はどうかとか、色々話を振ってくださり、なんだかんだと1時間ほどお邪魔してしまいました。


 そしてそろそろいい時間と言う事になり、おいとましようとしたのですが、その時に上皇后陛下が私の元へ来て


「知佳さん、この間の件、本当にありがとう。あれのおかげでその後がすごく楽になっています。内緒のお話だったから表立ってはきちんとしたお礼が出来ないけど、気持ちだけでもと思ってこれを用意しておいたの。受け取ってくださるかしら?」


 そういって上皇后陛下からは薄い箱を渡されました。


 えっと、皇族の方から何かをもらうとか、良いのでしょうか?

 そう思って宮内庁の方を見てみると、そっぽを向いていますね。これは、暗黙の了解で見ていませんよアピールでしょうか?

 と言う事は貰わない方が失礼に当たるのかな?そう思っていると


「これもね、古いもので今時には合わないかもしれないけれど、是非受け取っていただきたいの。駄目かしら?」


「い、いえそんな。私なんかが受け取って良いのか……悩む所ですが、ありがたく頂戴させていただきます」


「日用品だから、良かったら遠慮なく使ってくださいね」


 そう言われたので、中を見ても良い物か悩んで、上皇后陛下に目線で聞いてみるとうなずいてくれたので中を確認したところ……





 なんと、銀色の綺麗な懐中時計でした!



 えっと、こんな高そうなものいただいていいのでしょうか?


 そう思っていたのが顔に出ていたのでしょう、上皇后陛下からは


「さっきも言ったけど、これは古いものでね。残り物で悪いのだけど、新しいものは扱いが色々大変なの。これならなんとか大丈夫とOKをもらったのでお礼にと思ってね。それとごめんなさい、秘密と言っていたのだけど、やっぱり一部の人にはバレてしまってね。どうしても言わざるを得なかったのよ。ただ、口止めだけはしっかりとして置いたので、その点だけは安心してね」


「あ、はい。確かにお医者様とか普段から側にいる方にはわかってしまうと思いますので、仕方ないと思います。私も考え無しにやったのが悪いので上皇后陛下のせいではないので……」


 そしてふと思いついた事をこっそりと伝える事にします。


「あの、またどこか悪くなったり、身近な方でどこか悪い方いらっしゃいましたら、遠慮なく言ってください。ダンジョンに来たついででよければヒール掛けますので」


「うふふ、ありがとう。でもあなたのその力は極力隠すべきだと思うの。それに今日いただいたあれ、あれを使えば同じような事を他の人も出来るようになるのでしょう?なので、極力そちらで対応させるようにするわ。でも、いざという時はお願いね」


「はいっ」


 最後にそんな一幕もありましたが、今日の両陛下との謁見はちょっとしたお土産をいただき無事終了しました。



 その後、車の中で頂いた時計を箱から取り出してみてみたのですが、サイズはわたしの手に収まるくらいの大きさで銀色の鎖が付いていて、裏蓋全体が金色の素材で菊の紋になっていました。

 これ、蓋を閉じた状態だと菊の紋が描かれている大きめのペンダントか何かに見えない事も無いですね!

 そして蓋を開けると文字盤の一部がシースルーになっていて中の機械が見えています。


 こういうのって、機械の動きを見ていると飽きずにいつまでも見ていられますよね。



 そうしてニマニマしながらみていると、曾お婆ちゃんが何かに気が付いたのか


「知佳ちゃん、ちょっとそれ見せてもらっても良いかえ?」


「いいよー、はい」


 すると曾お婆ちゃんは裏表をじっくり見た後、「ほぅ」と一息ついたかと思うと


「これ、絶対無くすんじゃないよ。あと普段使いしてほしいって話だったから使うのは良いけど、あまり人には見せないようにね」


 と、ちょっと不思議な事を言ってきましたが、見せびらかすなって事でしょうかね?


 まぁ、上皇后陛下から頂いたものですしね、粗雑に扱う事はしません。

 なので異次元倉庫にしまったのですが……


「知佳さん、異次元倉庫の中は時間が止まっているのでなかったかしら?それだと時計として機能しないと思いますよ?」


「ハッ、そうだった……」


 うーん、どうしましょう。大事にするには異次元倉庫の中、でも時計として使うには出してなきゃいけない……究極のジレンマ発生です!


「それなら、普段は異次元倉庫の中で保管。出かける時は出した後にスマホの時計で時間を合わせてから持ち歩く。とかすればいいさね」


「なるほど。そうしましょう!」


 この時の私はとあることに気が付いていませんでした。



 そう、それなら常にスマホで時間をチェックすれば良いという事に!


 でもせっかく上皇后陛下から頂いた時計ですしね、きちんと日常で使いたいですよね。


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短編を書いてみました


勘違いからの婚約破棄騒動


お暇でしたらこちらもよろしくお願いします
― 新着の感想 ―
[一言] 千佳ちゃんは気付いてないけど、皇族からしかも手渡しで下賜された菊の御紋の小物とか日本人なら子孫代々引き継いで家宝にするレベル。 少なくとも売ったとか無くしたとかすると罰当たりじゃすまない。
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