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スキル『砦』を使って快適ダンジョンライフ  作者: 日進月歩
第三章 皇居ダンジョンへ行こう!
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持ちましょうか?いいえ、けっこうです


 あーさー、おはようございます。今日からまた一週間が始まります!


 今日から通常授業なので鞄は教科書がいっぱいです!

 異次元倉庫を使えれば持ち運びも楽なんですけど、そういうわけにも行かないのでね、今日は頑張って持って行きます。


 ちなみに自宅での予習復習用の教科書も買ってもらってあるので、全部学校に置いてくる予定です!




 そして学校へ着いたのですが、玄関で靴を履き替えていると突然挨拶されました。


「近衛さん、おはよう」


「あ、お、おはよう……えっと」


 そこにはショートカットの活発そうな女生徒がいました。

 えっと、誰でしょうかね?同じクラスの人なのかな?

 まだクラスの人の顔はほとんど覚えてないんですよね。


「私は高瀬たかせ 奈菜なな、今日は教科書が多いでしょ?近衛さん大変だと思って手伝いに来たの」


「え?」


 高瀬さんと言いましたっけこの方。

 手伝いって、何のことでしょうか?


「ほら、松葉杖だと手が使えないでしょう?だから荷物を持ってあげようと思ってね。教室まで運んであげるから貸して」


「え、いえ、その位は自分でやるの……」


「ほらほら、遠慮しないで。大丈夫、わかってるから」


 えっと、何をわかっているのかさっぱり分からないのですが?


「いえ、お弁当とかも入っていますし、この位は馴れているので自分でやりますよ」


「でも大変でしょう?こういうのは持ちつ持たれつ、遠慮しないで?」



 遠慮しているわけじゃないんですけどね。

 まぁ、高瀬さんも善意で言ってくれてるのでしょうけど、食べ物も入っていますし良く知らない人に荷物を預けたくないのですけどね。


 というのも、前の学校で1年生の時に同じように荷物を持ってあげると言われ、ありがたく持ってもらったのですがその後荷物を振り回されてお弁当がぐちゃぐちゃになってた事が有ったんですよね。


 あの方も悪気があった訳では無いんでしょうけど、人の荷物を持ってそれを振り回すって一体何を考えていたんでしょうかね?



「高瀬さん、知佳さんもこう言っているし、遠慮してはどうかしら?」


「あ、沙織様。そういいましても、松葉杖をついていると何かと大変でしょう?だから是非私が手助けしてあげようと思って来たのですが、ご迷惑だったでしょうか?」


 そう言って私の顔をうかがってきましたが、正直迷惑なんですけどどう言えば角が立たずに伝えられるかな?


「本人が自分で持つと言っているのだから、それは好意の押し付けではないかしら?」


「そんな、押しつけだなんて、私は良かれと思って来ただけですのにっ!近衛さん、近衛さんはどう思いますか?」


 うーん、泣きそうな顔をして私に同意を求められても、困ってしまいますよ?


「えっと、エレベーターの使用許可も出ていますし、自分で運べるので……お気持ちだけありがたくいただいておきます」


「そうですか……では、わたくしは先に教室に行っていますね。足元気を付けて来て下さいね」



 前の学校でも手伝いましょうかって言ってくれる人はいましたけど、ここまでほぼ初対面で言ってきた人って初めてですね。何かたくらみでもあるんでしょうか?


 っといけないけない、純粋な親切心だったらこの考え方は失礼ですね。でも、過剰な親切心による行動は時に迷惑になるっていうのも知っておいてほしいですね。




 などと、朝にちょっとした出来事がありましたけど、その後は特に問題なくしゅうr……っと、もう一つありましたね。


 例の二条君が朝時間ギリギリに来たのですが、左の頬におっきな絆創膏(ガーゼをテープで止めるタイプ)をしていました。


 誰かと喧嘩でもしたのでしょうかね?それともなれない松葉杖で転んでテーブル辺りにぶつけたとか?


 当の本人はかなりご機嫌斜めの様で、周りの人も話しかけるのを戸惑っていたのが印象的でした。




 さて、そんなこんなで学校も無事終わり、お家に帰ってきたのですが夕ご飯まで何しましょうかね。


 昨夜考えていた様に鑑定するのが良いかな?と考えつつお部屋に戻ると、テーブルの上に箱が2つ置かれていました。


「なんだろこれ?」


「あ、それね。大奥様がランタンとカンテラが出来たから知佳ちゃんに渡しておいてって言ってたわ」


 ふーん……あぁ、そう言えば前にばらしたランタンとカンテラ渡してましたね、さっそく開けて中を見てみましょう!


 おぉ、これは良いデザイン!一流の職人さんに頼んだんでしょうか?


 ランタンはすでにランタンではなくムーディーランプと言ってもいいくらいですし、カンテラも洋室なら壁に掛けても使えそうな感じですね。


 あれ?でもこれ、ダンジョン用にしたんじゃなかったっけ?


「ねぇ、玲子さん。これ、ダンジョンで使いやすい様にって改造したんじゃないっけ?」


 そういうと、玲子さんは苦笑いをして


「そのはずだったんだけどね、どうやら仕事を受けた職人がちょっと勘違いしたみたいで、そんなデザインになったみたいよ?」



 どうやらどこかで意識違いがあって、実用性重視というのが、物理的実用性ではなく、お屋敷等での見た目的実用性となったようです。


「それで、それはそれでがわを作っちゃったので受け取っていて、ダンジョン用のはまた別個作るって」


「ということは、またばらしたのを渡した方が良いの?」


「いや、そこはすでに寸法を測ってあるから大丈夫みたいよ。なのであとから側だけ来るから、中身を付け替えればいいんだって」


 ふむー、まぁランタンもカンテラも予備買ってあるし、いっか。


 それじゃ早速新しい魔石を入れて点けてみましょうかね。



「おぉぉ、これは綺麗!これはもうこのままお部屋用にするのが良いかな?」


「そうだね、これなら普通に使ってもいいかもね。LEDランタンと違ってこのお部屋のムードにもあってると思うわ」


 そして、ランタンはお部屋の真ん中のテーブルの上に、カンテラはベッドサイドのボードの上に置くことにしました。



 そしてせっかくなので出来たランタンをもって夕飯へ行き、曾お婆ちゃんに見せると同時にお礼を言い、ランタンを見た皆さんもその出来に感心していました。


 夕飯後の話し合いでは、明日の授業は5限で終わるのでその後皇居ダンジョンへ行くかどうかを話し合い、少しでも進めるために行くことに決定。


 そうして今日は終了しました。


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短編を書いてみました


勘違いからの婚約破棄騒動


お暇でしたらこちらもよろしくお願いします
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