●翌日午前中 二条家執務室にて……
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 翌日午前中 二条家執務室 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
そこには昨夜のメンバーに加え、楓と京香も来ていた。もっとも二人は入り口前で立ったままだが。
そこで伝えられた現状のPTでの問題点を聞き、二人は神妙な表情をしていた。
きっと今伝えられた話から、自分たちがPTから外される可能性が高いと気が付いたのだろう。
「そこで二人に提案、というかお願いがあるのだがね」
「お願い……ですか?」
そう言われた二人は怪訝そうな顔をしていた。
それもそうだろう、このメンバーで集まって今の話を聞いた現状、二条家からの解雇まではないにしても、他のPTへ移ってくれと言う、事実上知佳ちゃんPTの解雇が頭をよぎったのだろう。
「今言ったように、我々は現状知佳ちゃんへの負担が大きいと判断している。肉体的にも精神的にもね。そこで二人にも魔法を覚えてもらい、知佳ちゃんの負担を減らすようにしてほしいんだよ」
「わたし達が、魔法を覚えて……ですか?」
京香の方は、やはり魔法で戦うことに抵抗あるのか渋い顔をしている。それに対して楓はと言うと
「わかりました。ただ、出来うるなら私としましては攻撃よりはサポート系や補助系などの方が適性があると思われます」
と、今の状況を十分把握し、自分が何をすればいいのか、また自分に何ができるのかを十分把握しているようだ。
「そう、京香君は敵を爆砕してしまい、素材採取にも若干の問題も出ているようだし、いっその事魔法をメインに使ってもらえばそれも解決できて、知佳君の負担も減らせる。一石二鳥だとは思わないかね?」
「で、ですが総帥。私は直接敵を叩く方が戦力になると思います!魔法を覚えるのなら玲子さんや沙織さんの方が適性があると思いますが……」
あぁ、やっぱり京香は駄目だ、クライアントの意向を無視して自分の我を通そうとしてしまっている。
これでは他のPTを任せるのも不安が残ってしまう。
「……そうか、残念だよ京香君。今をもって君を知佳ちゃんの護衛担当およびPTメンバーから解任する。次の任務は追って伝えるのでそれまで休んでいてくれたまえ」
「え……、わたし、知佳ちゃんの護衛をはずされるん……ですか?」
「あぁ、今の君では知佳ちゃんに悪影響しか及ぼさないと判断した。よって知佳ちゃんには以後勝手に近づかないように。また、知佳ちゃんから何か聞かれても今回の件は内密にし、他の業務を言い付かったとだけ言うように、良いね」
「は、はい……」
そう言われた京香はかなり落ち込んだ様子で部屋を退出していった。