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スキル『砦』を使って快適ダンジョンライフ  作者: 日進月歩
第一章 その時地球が震えた
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ここは公園ですか?いいえ、二条家です(改稿済)


「シートベルトはちゃんとした?したね。それじゃしゅっぱーつ」


 玲子さんの車で二条のお家に向かう事にしたのだけど、ミミちゃんを連れて行くかどうかが問題になった。

 ただ、家に置いていくのもかわいそうなので連れて行きたいと言った所、玲子さんが二条家の方に確認を取ってくれて、連れてきても良いと言われたのでこの問題はすぐ解決。


 そして今玲子さんの運転で向かっているのだけど……


「ちょっと玲子さん、スピード、スピード落してぇーーー」

「あはは、大丈夫よー」

「だめ、だめです!こんなにスピード出してたらつかまっちゃうーーー」

「この辺はまだ大丈夫だから安心してー」


 そう、玲子さんはかなりスピードを出す人なのだ。しかもこの辺はまだ田舎道なので確かに警察は滅多にいない。

 警察は滅多にいないけど、だからと言ってスピードを出していいわけでは断じてないはず!


 しかし、もうすぐ峠に差し掛かるという所まで来るとさすがにスピードを落としてくれた。


「さ、さすがに峠はスピード落としてくれるのね……」

「危ないからねー。スピード出すのは周りがちゃんと見える所だけよ」


 そして法定速度よりも少し遅いくらいのスピードで安全運転で走っていたのですが……

 突然曲がり角の向こうから車が猛スピードで反対車線にいるこちらに向かってきます!


「いーやぁーーー、ぶつかるーーー」


 目の前に赤い車が迫ってきているっ!ぶつかっちゃうぅぅぅ……


「このっ……なんて運転してるのっ」


 キキキキィーーーーー


「よ、よこ、横に滑ってるからっ、壁にぶつかっちゃうからーーーっ」


 ちょ、お、おしっこ漏れる、ちみっちゃうぅ……あ、ちょっとでちゃった、うぅぅ……くすん……

 車が横に滑っても玲子さんは余裕の顔で運転しているけど、これって普通の事なの!?


「キャーーー、崖、崖から落ちるぅぅぅ」


 なんとかこっちに向かってきた車は躱したけれど、今度は崖に向かって横滑りして行ってる。

 ……あ、これは死んだ、崖から落ちて死んだ……お父さん、お母さん、お祖母ちゃん、私も今そっちに行くね。


「よっと……ふぅ危なかった。たまーにああいうのがいるからこの峠は怖いのよねぇ」


……


「さて、峠は無事抜けたしここからは高速に乗るよーってあれ、知佳ちゃん?あっちゃー、気絶しちゃってる。さすがにさっきのは刺激が強かったか」


 そして気絶している知佳を助手席に乗せたまま、車は高速を走っていく。


「SAは知佳ちゃん寝てるし、スルーでいっか」


「んんぅ……」

「あ、知佳ちゃんおはよー。昨日眠れなかったのかな?」

「ハッ、ここ何処!?」

「今高速よー」

「玲子さん、わたしは昨日はちゃんと寝ました!さっきはほんと死ぬかと思ったよっ」

「安全運転してたんだけどね、もらい事故も気を付けなきゃね」

「玲子さんの運転で初めて死ぬかと思ったわ。川の向こうでお祖母ちゃんが手招きしてたよ」


 もっとも、さっきの件は玲子さんの責任じゃないんだけどね。

 でも、是非とも普段から安全運転を心掛けてほしいです。

 今玲子さんにまでいなくなられたら私、きっと正気を保っていられないと思う。


「ところで、えっと……お手洗い行きたいんだけど、遠いかな?」


 さっき少し漏らしたのを思い出し、お手洗いで下着を交換したい気分だった。


「あっちゃー、我慢できない?今さっきSA過ぎた所であとは降りるまで無いんだよね。そんな遠くないし」

「えー、えっと、我慢は全然大丈夫だけど、さっきちょっと漏らしちゃって……」

「あー、そっか。そこまで恐かったかぁ」


 そりゃ、これで死ぬかもっていう状況は怖いと思う!


「で、下着を替えたいんだけどっ……て、あれ、そういえば濡れてない?」

「ん、そうなの?もう乾いちゃったとか?でもあれからまだ10分も経ってないよ?」

「SAがもうないなら、できれば高速降りたらどこかのコンビニに寄ってほしいんだけど」

「濡れてないならそのままでもよくない?特に臭いもしないし」

「それはそれで気分的に、嫌かなぁ」


 さすがに濡れていないとしても一度お漏らしした下着を着けたままというのは……


「それに、替えの下着持ってきてないでしょ?というか、例の下着の上に普通にパンツ履いてきたんだよね?」

「うん、そうだけど」

「じゃぁ、ある意味2枚履いているわけだから、1枚をひざまでおろして状態見てみたら?汚れてるようなら高速降りたらコンビニ探して新しいの買ってあげるよ」

「え、ここでパンツおろすの?」

「高速だし外から見えないよ?わたしは運転してて前見てるしね」


 いやいやまって、ここ車の中とは言え家の外よ?さすがにそれは……


「完全に脱ぐってわけじゃなくて、どの位汚れてるか確認すればいいだけだって」

「むぅ、じゃちょっと見てみる」


 そうして膝辺りまでパンツを下ろして確認してみたのですが、今まで穿いていたとは思えないほどに綺麗な下着がそこにはあった。


「あれ?」

「ん、どうしたの?やっぱり濡れてた?」

「いや、濡れてるどころか、全く汚れてないんだけど……」

「あら、よかったじゃない。漏らした気がしただけで、実は漏らしてなかったんじゃない?」

「そう……なのかな?」

「もしかしたら例の魔パンツのおかげとかじゃないの?」

「魔パンツって……まぁ、汚れてないならいっか」


 そんな会話の後、私は気を取り直して玲子さんとのんびりお話をしながら景色を楽しみつつ短時間の高速ドライブを楽しみ、その後は特に問題なく無事高速道路を降り、下道を少し走って家を出てから1時間ちょっとで二条家に着きました。


 着いたのですが……


「ねぇ、玲子さん」

「ん、どうしたの?」

「本当にここなの?」

「そうよー、おっきい家だよねー」

「いや、おっきいとかそういうレベルじゃないでしょ、これ?」


 そう、さっきからしばらく片側に壁ばかりあって、大きい公園か何かかなーと思っていたのだけれども、どうやらここが二条さんのお家らしい。


「あはは、まぁ二条家ってかなり歴史のある家だしね」

「そうなの?聞いてないよ!?」

「えー、二条家って結構有名だと思うんだけど、知らなかった?ほら、TVでも二条系の会社とか結構コマーシャルでやってるじゃない?」

「え?有名って、もしかして二条銀行とか二条インダストリーとかある、あの二条なの?」

「そうだよー」

「ちょ、えぇぇ……そんなすごいお家にこんな普通の恰好で来ちゃってよかったのかな?」


 今日着てきた服は、私の持っている中では良い方だけれども、それでも所詮安物。

 こんな大きなお家にこんな格好でお邪魔しても良いのかな?


「ダイジョブダイジョブ、昨日連絡したときは楽な服装でって言ってたから気にしなーい」

「わたし、玲子さんのそういう所すごいと思う」

「あはは、褒めても何も出ないよー」


 褒めてるわけじゃないんだけど、まぁいっか。


 そして車は木でできた大きな門の前に着いたのだけれど、そこに車を止めると門が自動で開きだし、玲子さんはそこに滑り込むように車を中に進めた。

 門をくぐって中に入って最初に思ったのは、これ本当に家なの?という感想だった。

 これやっぱりどこかの公園とかじゃないのかなって位広いよ!


 この敷地面積、うちの畑何面分あるんだろう?

 あ、遠くの方に家らしきものが見えた。という事は、やっぱりここは公園じゃなくて庭なのかな、すごいなぁ。


 そうして車は二条さんのお家……と言うよりお屋敷と呼ぶのがふさわしい建物の玄関前に着きました。


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短編を書いてみました


勘違いからの婚約破棄騒動


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