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スキル『砦』を使って快適ダンジョンライフ  作者: 日進月歩
第一章 その時地球が震えた
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倉庫ですか?いいえ、ダンジョンです(改稿済)


 その後、玲子さんととりあえずダンジョンを見に行こうという事で再びコートを羽織り、車椅子で倉庫まで玲子さんと二人で行くことに。

 そしてダンジョンを見た玲子さんはというと


「へー、これがダンジョンねぇ。なんか、ダンジョンというよりは石でできたガレージって感じね」


 と見た感想を言って来た。確かにこれがダンジョンだと知らなければその通りだと思うよね。


「ここに魔法陣があるから、ここが入り口なのかな?あぁ、確かに入り口の上には何もないね。でも、他のを見た事が無いからこれが本当にセーフダンジョンなのかどうか判断するのは危険かな?」

「ん?セーフダンジョンって何?」


 セーフダンジョンって何だろう?安全なダンジョン?


「あれ?知佳ちゃんはあの説明聞いてなかったの?」

「説明って?」


 あの水晶玉のあるお部屋での会話ではそんな話は出ていなかったような?


「ほら、揺れが収まった後に、我は地球の意志だーみたいなのから始まって、なぜダンジョンを作ったのかとか、ダンジョンとはどういうものかとかの説明がさ」

「わたしはそういうの聞いてないよ?さっきも説明したけど、変な声が聞こえてきたのはダンジョン初踏破って聞こえて、その後も初回報酬は~とかの話だったから」

「あー、そうするとダンジョンの中にいたから聞こえてなかったとかなのかな?」


 そういえばそんな事をあの声も言ってた気がする。


「で、セーフダンジョンっていうのはね……」


 そうして玲子さんはセーフダンジョンについてだけでなく、ダンジョンが出来た理由なども教えてくれた。


「そ、それじゃ、国の方にこれを報告しないでおけば、このままあのお家に住める?」

「あー、それも一つの手かもしれないけど、あまり良くもないんじゃないかな?ダンジョンは各国に与えられた新しい資源らしいからね。国の発展とかを考えるとすぐにとは言わないけど、最終的には報告する方が良いとおもうよ?」


 そっかぁ、やっぱりあの家からは出て行かなきゃいけないのかな……


「あ、でも危険は無い訳だから、立ち入り禁止になるかどうかは判らないと思うわよ?それに家とここはそこそこ距離があるわけだから、少なくとも強制立ち退きでお家も没収とかにもならない、と思う……思いたい……そうだといいな?」

「ちょ、ちょっと玲子さん?」


 なぜそこまで不安になる事を言うの?


「まぁ、その辺の事も含めて、二条家の人達と一度話をしないとね」

「そう……だね」


「それにね、二条の人達は知佳ちゃんに残された、血の繋がった家族なのよ?たとえ今まで一度も会った事が無くてもね」

「でも、たしかお母さんは勘当されたんでしょ?それをいまさらお世話してくださいって言うのも……」


 そう、お婆ちゃんの葬儀が終わった後に二条家から来た母方の祖母を名乗る人からその辺の話を聞かされた。

 なんでも父との結婚を反対され、実家と縁を切って家出までした結果、勘当されたのだとか。

 でもその後私が生まれたという話を聞き、勘当を解いたそうなのだが、お母さんとしては実家に対しての負い目があったのか、その後も連絡を取る事はしなかったのだとか。

 父もその母の遺志を継ぎ、母が亡くなった時に葬儀だけは教えたらしいが、それ以外は全く連絡を取っていなかったそうだ。


「んもうっ、そういうネガティブなのは一度会ってみてからでも良いんじゃない?知佳ちゃんも母方の家族に会ってみたいでしょ?」

「うん……」


 たしかに今は親族としてだれにも頼れない現状、血縁者がいるならば会ってみたい気はする。

 するけど……こんな状況になってから会うのは何か図々しい気がするのも事実で、気後れしてしまう。


「よし、それじゃ早速明日会いに行くことにしよう!」

「え、明日!?ちょっと、それは急すぎじゃ……」

「善は急げってね。後で連絡しておくから、明日行く事決定ね!」

「もうっ、玲子さんたら強引なんだから」

「さて、それじゃ明日に備えてお風呂入って寝よっか」


 そして倉庫の扉を閉め、ダンジョンを人に見られない様にしてから家に戻り、お風呂に入るために玲子さんに服を脱がせてもらっていたのだが、その時に玲子さんに指摘されて下着も魔改造されていたことを思い出した。


「知佳ちゃん、そんな下着持ってたっけ?」

「あ、例の声が下着も改造したって言ってたの忘れてた」

「ふーん。見た感じあれね、バニーガールのお腹周りを丸々無くしてツーピースにしたような?無地な分清楚な感じで良いデザインね。色も白で清潔感あるし」

「そ、そうかな?」


 言われてみてみると、たしかに無地で真っ白の下着は落ち着いた感じで、自分に似合っている気もする。


「でもこのブラ、ホックが無いし随分ぴったりしてるけどスポーツタイプ?むしろ肌に色を塗っただけって感じも……普通に脱がせれるのかな?」

「えっと、どうだろ?これ実は締め付けとかがまったく無くて、それで今の今まで忘れてたよ」

「へぇ、そうなんだ。ん、指は入るから普通に脱がせれるのかな?」


 そう言われたので指を掛けると普通に引っかかった。

 なのでブラを外すために持ち上げようとした段階で……消えた!?


「あれ?」

「ん、どうしたの?」

「ブラが、消えた?」

「え?」


 玲子さんが何言ってるの?という顔で私を見てくるけれど、そんな顔で見ないでー、確かに消えたのー。


「んー、どういう事だろ?まぁ、いっか。とりあえずこのままいたら寒くて風邪ひいちゃうからあとで考えよう。さっさと脱いじゃってお風呂入ろう」


 そう言われたのでパンツに指をかけ、椅子に座ったまま腰を跳ね上げる要領でパンツを下げようとしたのだが、ジャンプする前に指に掛けていたパンツの感覚が消えた。


「やっぱり消えた……。んー?よし、とりあえず温まろう!」


 今度は玲子さんも見ていたようで、消えたことに納得してもらえた。

 納得してもらえたんだけど……私は納得いかなーい!


 でも……うん、難しい事は後回しにする玲子さんのそういう割り切った所はちょっと好感が持てる。

 持てるが、どう反応すればいいのかもちょっと困るので、寒いのを理由に私も深く考えるのをやめてお風呂に入って温まる事にした。


「ふぃ~、それにしても知佳ちゃんが初クリアねぇ。世の中何が起こるか分からないものだね!」

「だねぇ」


 そう言われたが、お風呂の暖かさでぬくってる今、あまり頭が回らない。


「で、いろいろとスキル?とかもらったんだっけ。あとは下着と、車椅子の魔改造?」

「そうそうー、後ミミちゃんが従魔になったとかで、ずーっと一緒に居れるんだってー」

「おー、それはいいねぇ」


 いまいち回らない頭で適当に回答をする。


「あとは、お宝もあるって言ってたー」

「ちょっと知佳ちゃん、お宝ってどんなのがあったの!?」


 今までとろけたような顔をしていた玲子さんが、急に真剣な顔をしてそう言って来たのを見て、こちらも少し意識がはっきりした。


「わ、わたしはまだ見てないから良く分かんない……かな?なんか私のスキルがうんたらで、そこに入れておくとかなんとか、いってたから今度暇な時にでも確認しようかと……」


 今日は色々とあって気疲れしたせいか、はたまた冷えた体が温まってきたせいか頭が上手く回らなくて、なんか色々な事がどうでもよくなってきた。


「あぁ、いろんなことあって疲れちゃってもうおねむかな?それじゃ、色々な詳しい事は明日以降にしようか。特にお宝とかね!」

「うんー」


 そしてゆっくり温まった後、頭と背中を洗ってもらい、再度温まりなおしてからお風呂を出て服を着ようとしたのだけれど、ここでびっくりしたのが体を拭き終わってさあ下着を着けようと替えの下着を取ろうとした瞬間、例の魔改造された下着が着た状態で現れ、それを見ていた玲子さんがびっくりしていた。


「ちょっ、突然現れるとか、なにこれ?」

「え?あれ、ほんとだ。それにしてもこれ、ほんとに着けてる感じしないなぁ。下着としての機能はちゃんとしてるのかな?」


 そう言ってブラのカップ部分を指で押してみるけど、何もつけていないのと感触が全く変わらない。

 本当に謎だ……


「それにしてもこれ、本当に下着なのかな?肌の色が変わってるだけに見える。あ、でも先っちょとか見ると、ちゃんとした下着なの……かな?」


 そういって玲子さんはじっとカップ部分を見たかと思うと、おもむろに背中の本来ホックのある辺りを手で撫でてきた。

 急にやられるとめちゃくちゃくすぐったいんですけどっ!


「下着の感触が全くなくて直接肌をさわってる感じしかしないよ?なんなんだろこれ」

「んー、あれだ!魔改造された魔道具って事で?今日は納得して寝よー」

「そうだね、それじゃ今日は久しぶりに一緒に寝よっか」


 もうかなり眠いので深く考えるのを放棄する事にし、この日は玲子さんと一緒のベッドで寝たのだった。


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