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スキル『砦』を使って快適ダンジョンライフ  作者: 日進月歩
第三章 皇居ダンジョンへ行こう!
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割れてましたか?いいえ、割れてません


 無事葵さんにスキルを上げお家に帰ってきたのですが、その葵さんはというとどうやら早く鎧を着てみたい様子。


 ですがもうとっくにお昼の時間は過ぎているので鎧を出すのはお預け、先にお昼にしましょうね。そう言った時の葵さんの顔は、ご飯をお預けした時のミミちゃんと同じような顔をしていてちょっと可愛いと思ってしまった私は悪くないと思うの。



 そして今日の昼食後のお茶会は曾お婆ちゃんもお婆様もいないらしく中止。なので葵さんのお部屋にお邪魔して鎧を取り出しさっそく試着してもらう事に。


 まず床の上に鎧を並べて全身像を見てみたのですが……何と言いましょうか、宇宙戦争映画に出てきた金色のロボットをもっとスマートに、そして女性的にし、色を銀色にするとこうなる?と言った感じでした。


 何が言いたいかと言うと、【銀色の葵さんマネキン・ちょっとロボット風味】みたいな?

 いや、これめっちゃ体のライン出ますよね?むしろ葵さんからかたどったマネキン?と言ってもいい気もします。しかもお腹の所は数枚の蛇腹状になっていて鉄鎧にしてはかなり動きは楽そうです。


 まぁ、見ていても仕方ないのでさっそく葵さんに着てもらうことにしたのですが、葵さん曰く何やら足りない様子。何が足りないのかを聞いてみたところ、鎧の下に着る服のようなもので鎧下よろいしたと言うのがあるそうなのですがそれが無いんだとか。

 買った時には無かったので別売りなのかな?だとしたら今度行った時に買うとして、とりあえずそれ無しで着てみてもらうことに。


 そこで葵さんは素肌に直接はちょっとと言う事で運動着を着た上に着けようとしたのですが、どうやら運動着が邪魔でかなりきつい様子。そこで仕方なく下着姿で着けたのですがどうやらぴったりの模様。むしろブラですら邪魔な様子。

 やっぱり専用の鎧下なる物を用意しないとダメなのでしょうかね?


 それでもとりあえずは動ける様で、屈伸したり色々と動きの制限を試していました。そしてその動きはと言うと、とても鉄の全身鎧を着ているとは思えないほど自然な動きでした。


 そして葵さん曰く、鎧下が無いのにどこにも不満が無いとの事。


「まぁ、サイズは購入者に合わせてって事だったから、ピッタリなんじゃないの?」


 と言ってみたところ、どうやらそういう事ではなく、普通は鎧の内側と肌がすれて何処かしら痛くなったりするものなんだそうです。そしてそれの緩衝材代わりに鎧下を着るのだとか。


 ということは、そこはダンジョン産アイテムと言う事だから?それとも激しい動きをしていないから大丈夫?


 その辺については後でトレーニングルームで色々動いて試してみるとの事でしたが、これでますます皆を守れるようになったと大変感謝されました。



 そして葵さんと別れ実験室へ……と思ったら、どうやら今日は葵さんが付き添いと言う名の見張り番のようです。


 実験室で早速指輪作成の続きをと思ったのですが、ここで葵さんからこの間の鍋はどうしたのか聞かれ、そう言えば仕舞ったままなのを思い出しました。

 ですので取り出して返却しようと思ったのですが……



 うん、そう言えば中の時間止まってるんだよね、鍋の中のお水がまだ暖かいです。


 そしてなんと驚いたことに、割れたと思っていたるつぼは割れていませんでした!


 あれ?しまうとき確かに割れてたと思ったんだけど、どういう事だろう?


「ねぇ、葵さん。この間このるつぼ割れてたよね?」

「はい、見事に割れていましたね……なぜ直ってるんでしょうか?」


 んー、どういう事でしょう?もしかして自動修復機能が有るとか?疑問に思った時は鑑定!


 どうやらるつぼに自動修復機能はない模様。となると、怪しいのはスキル『砦』ですかね?



 ……はっ、砦と言うからには中に職人さんがいて壊れた物は直してくれるとか!?まさかそんな訳ないよね?


 でもこれ、どうやって確認すればいいんだろ?葵さんに相談してみると、何かを壊してそれをしまってみてはどうかとの案をいただきました。

 うーん、それもそれでありかもしれないけど、もし直らなかったらと思うと二の足を踏んでしまいます。


 するとちょっと待っていてと言われ葵さんはどこかへ行ってしまいました。ですので私は前回叩いて伸ばした板を取り出し、万力に挟んでがりがりと削り始める事に。


 これがなかなか固くて思うように削れません!

 特に今手に持っている所なんか……手に持っている所、かなりサクサク削れますね?

 先っぽの方は、削れない?何でしょうこれ、手元だけやわい?


 んー、なんだろう、なにかがこう、喉の辺りに出てきそうで出てこないような……



 そう悩んでいると葵さんが薄い箱に入った1枚の割れたお皿を持ってきました。


「そのお皿どしたの?」

「台所付きのメイドさんに割れたお皿か何かないか聞いてみたらこれを渡されまして。いちおうあとで返すという話になっているのですが……」


 どうやら結構お高いお皿を過去に割ってしまい、元の値段を考えると割れたと言っても捨てるのはもったいないという事で取っておいてあったそうで、それを借りてきたみたい。

 なので、それをしばらくしまっておいて直るかどうかの実験をすることになりました。


 もしこれが治ったらドジやってお皿割っても大丈夫だね!と言う事でお皿をしまって指輪の続きですが、葵さんにも知恵を借りる事にし、先ほどの事を実演付きで説明。どうやらはたから見ていても削れ具合が違う模様です。


 そこでいろいろ話し合った結果、わたしのスキル『砦』のうち今の結果に影響を出しそうなのは結界じゃないかとの事。

 たしかにいまは肌から1cmの範囲で展開していますし、削れる範囲もちょうどその位ですね。なので結界の範囲を広げてみたところサクサク削れていきます、これで加工が楽になったよ!


 でも、何で結界の範囲内だとサクサク削れるのでしょうか?そこがちょっと気になりますが、まぁ削る時は結界の範囲をちょっと広げればいいだけなのであまり気にしないことにしましょう。


 そうして削る事しばし、何とかそれなりに綺麗な5cm×3mm×1mm位の棒状になりました。

 え?細くなっていないかって?削っていたらここまで細くなりました、サクサク削れるってすごいね!



 でもこれならもしかすると叩いて伸ばす段階から結界を広げていればもっとよくなるかも?と言う事で新たに鉄貨を1枚取り出して叩くところからやることに。


 今度は結界を50cm位に広げてからペンチのようなもので鉄貨を挟み、炉の中で真っ赤になるまで熱してから前回と同じように勢いよく叩くと……



 一気につぶれちゃいました!


 しかもただつぶれるのではなく、なぜか予定している棒状に近い形に。どう考えても今の一撃ではこの形にならないと思うのですが、一体どういう事なんでしょうね?

 まぁ、とりあえず考えるのは後、指輪にするのに必要な形を思い浮かべ叩く事数回。それだけで思った形になり、表面も前回と違いかなり綺麗になりました。これならやすり掛けも少しでよさそうですね。


 それを横で見ていた葵さんはと言うと、作業の速さにびっくりしていました。


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