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スキル『砦』を使って快適ダンジョンライフ  作者: 日進月歩
第三章 皇居ダンジョンへ行こう!
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ダンジョンでの怪我ですか?いいえ、ちがいます


 どうやら私の入るクラスは4Fにある様で、先生は階段で登っていくようです。この学校、エレベーターがあったと思うのですけど階段ですか。


 ちなみに、職員室があるのは1Fですので3階分登らなきゃですか……頑張りますかね。

 そんな私に先生が気が付いたのは踊り場を先生が折り返したところで、気が付かずに申し訳ないと平謝りに謝られました。

 職員室で私の松葉杖姿を見ているのですが、この先生ちょっと抜けた所があるのでしょうかね?それともついいつもの癖でと言った感じなのでしょうか?


 そして2Fからはエレベーターを使って4Fまで移動。どうやらこの学校では先生でも重い教材等を持っていない時は基本的にはエレベーターの使用は控えるようになっているんだとか。

 そうしないと必要な人が困るからという理由だそうです。と言う事は先ほどのはついいつもの癖でって事ですね。

 ちなみに私は階の移動時は遠慮なく使ってよいと学園長先生から許可は下りています。


 そしてエレベーターの中での出来事なのですが、どうやら先生はわたしの履いている上履きが気になる様でチラチラと私の足元を見ていました。わたしの上履きは学校指定の通常の物とは少し違いますからね。

 通常の物はハイカット(足首を覆う位の物)の運動靴スニーカーなのですが、私の場合右足の膝から下がほとんど力が入らずそのままだと足首がプラプラして危険なので、足首を固定するという理由で、同じデザインでロングの膝下まである物が許可されてそれを履いているのですが……さすがにロングは目立ちますよね。


 そしてこれは前から見ると紐で編み上げてじるタイプなのですが、実は足の内側にチャックがあって脱ぎ履きがすごく楽なんですよね。

 しかも足首をしっかりホールドしてくれるので助かっています。


 そうこうしているうちにエレベーターは4Fに到着。私の靴について、気にはなっている様でも聞いてくるような事は無くそのまま教室の前へ。

 クラスは3-Aの様で、エレベーター及び階段から一番近い教室のようです。


 まず先生が先に入り、転入生がいる事を説明後私を呼ぶので呼ばれてから入ってきてほしいとの事。

 一緒に入って行くんじゃダメなんですかね?と思っていても、先生には先生なりの流れがあるのでしょうから大人しく待つことにしましたが、さほど待たされずに呼ばれました。


 呼ばれて引戸を開け教室に入ったのですが、ドアを閉めるのが……開ける時は正面側にあるのでいいのですが、閉めるには後ろ手で閉めるわけにも行かず、一度後ろに振り向かねばなりません。そう、松葉杖をついているのでちょっと大変なのです。


 なんとかドアを閉め、再び教壇側に向き直る時に気が付いたのですが……めちゃくちゃ注目されています。

 まぁ、転入生が最初から松葉杖というのはインパクトが大きかったですかね?


 そして先生の横まで行くと先生から軽く紹介があり、その後名前を自分でホワイトボードに書いてから自己紹介するよう言われました。

 ですので右の松葉杖をホワイトボードに立てかけ、左足と左の松葉杖で上手くバランスを取り、何とか右手で名前をなるべく大きく書き、それから皆さんの方へ向いて自己紹介を……と思ったのですが、これまたすごく注目されています。


 めちゃくちゃ緊張してきました!


 え?こんな注目を浴びた状態で自己紹介するの?色々と挨拶考えてたけど、頭真っ白になってほとんど覚えてないよ!?


「こ、近衛 知佳です、年は14歳、○○の△△中学校から転校してきました。よろしくお願いします」


 と、何とか最低限の事を言いぺこりと頭を下げたのですが、反応が何もありません。

 何か失敗してしまったでしょうか?


 と思っていると目の前から拍手が。少しして続く様にクラス中から拍手がされ、ちゃんと挨拶できたんだと一安心です。

 そして最初の拍手の相手を見ると沙織さんでした。その表情はいつも通りほぼ無表情なのですが、今となっては馴れた物であの表情は微笑んでいる表情ですね。沙織さんが同じクラスで本当に良かったです。


 自己紹介が終わると席に座るよう言われ、指定された席に座る事に。どうやら一番前の入り口側が私の席の様で、隣の席は沙織さんでした。

 これも考慮された結果なのかな?色々と不安があるのでありがたい事ですね。

 そしてすぐ横が壁なのでそこに松葉杖を立てかける事が出来るのでこの席はすごく助かりますね。

 その後はSHRでちょっとした連絡事項と、この後の式の流れの説明がありました。この後はすぐ講堂に移動して始業式を行い、そのまま引き続き入学式があるそうです。



 始業式および入学式ですが、多少の問題はあったものの何とか終わりました。


 え?問題は何があったのかですか?えっとですね、実は松葉杖をついている人がもう一人いたんですよ、男子生徒なんですけどね。

 で、式のために講堂に移動するのに、私とその男子生徒だけ移動速度が遅いので別行動となった訳ですが、どうやらその生徒はダンジョンに入って足を怪我した模様。

 そして、なぜか私の足の怪我もダンジョンで怪我したんだろうとかなりなれなれしく話しかけて来るのですが、男性が苦手な私はガンガン話しかけてくるその人に恐怖心を抱いてしまい、まともな会話どころか相手からなるべく離れようとしてしまう始末。


 そんな私を見てその男子生徒がなぜまともに返事もしないのか?俺みたいな男とは話もしたくないのか、離れていくという事は同じ空間にいるのも嫌なのか!と怒りだしてしまい、エレベーターを降りた頃には怒鳴ってまで問い詰めてきました。

 そしてわたしが男子生徒に怒鳴られている所にその声を聞きつけた沙織さんが駆け付け、私をかばうような位置に立ち逆に男子生徒を怒り出すというカオスっぷり。


 その後担任の先生もやってきたのですが、沙織さんと男子生徒のやり取りにおろおろするばかり。

 そうこうしていると他の先生が来てとりあえず二人を落ち着かせ、なんとか皆を講堂へ移動させるという事が有りました。


 どうやら担任の先生は今年が担任3年目で、まだまだ他の先生方から見ると未熟な様子。普段からおっとりしている方の様でこういう事には不慣れなんだとか。

 不慣れでもクラスの担任なのですからもう少しこう……ねぇ。と思ったのですが、問題の男子生徒はかなりわんぱくなようで、先生も普段から対処に困る事が度々(たびたび)ある様子。

 さらには沙織さんは普段学校ではすごく大人しい様で、その沙織さんが学校で初めて見せたお怒りモードに対処不能に陥っていたようです。



 そんなこんながありましたが無事式も終わり教室へ戻る事に。教室に戻る時はみんなで整列して移動する必要は無い様で、沙織さんが一緒に移動してくれましたがなぜかクラスの皆から注目が、そして例の男子生徒からは睨まれてしまいました。


 沙織さん美人さんだから美人に一緒に居てもらえてうらやましい的な?

 でもこの程度でうらやましがられると、一緒のお屋敷で暮らしていると知れたらどうなっちゃうのでしょうかね?


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短編を書いてみました


勘違いからの婚約破棄騒動


お暇でしたらこちらもよろしくお願いします
― 新着の感想 ―
[一言] この話の時点で、エレベーター内で結界をドンと展開してたらと妄想してしまうw
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