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スキル『砦』を使って快適ダンジョンライフ  作者: 日進月歩
第二章 ダンジョン出現後一週間経過
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この位叩けばいいですか?いいえ、叩きすぎです


 その日の夜の食事ではなんと、オーク肉を使ったとんかつが出ました!


 とりあえず最初はそのまま何もつけずに行ってみましょう、ぱくっとな。


 噛むと衣がカリッとした後お口の中に肉汁がじゅわぁっと広がり、それと共に脂の甘味とお肉の旨味がお口の中で暴れています!


 これは……ちょっと味が濃いかもしれません!なのでそこでご飯を一口ぱくりと。

 すると先ほどまで口の中で暴れていた美味しさが程よく緩和され、ご飯の微かな甘みと相まって至極の美味しさです。



 こんなおいしいもの初めて食べました!



 美味しいものを食べて頬っぺたが落ちるとはまさにこの事でしょうか?思わずほっぺを両手で押さえてしまうほど美味しいです!



 ふと気になって周りを見ると、皆さん食べる事に夢中のようです。

 私も冷めないうちにと、次の一切れを味噌ダレ……ですかねこれ?ちょっとソースよりは茶色味が薄い感じの物を付けて食べてみましょう。


 うーん、この味は田楽味噌っぽいかな?これも味噌の風味と甘味、そしてお肉の美味しさが口の中で混ざり合ってえも言われぬ美味しさ!

 こんな美味しいものがこの世にあったなんて、生きてて良かったです!


 その後、とんかつソース、おろし大根にお醤油、レモンを絞っただけと色々なバリエーションで食べてみましたがどの食べ方でもとても美味しく、気が付いた時にはお腹がパンパン、これ以上は食べられない状態でした!




 お爺ちゃん、高志伯父さんに至ってはとんかつのお替りまでしていましたよ?

 皆さん食べ終わった後はお腹がきつそうにしながらも、無くなってしまった事にちょっと残念そうな顔をしていました。



「これは……売れる、絶対に売れる。いや、売る位なら自分で食べる……か?」


 そう言ったのは高志伯父さんですが、よっぽど美味しかったのですね。でもその気持ちは分かります、私も次にもしオーク肉が手に入っても他人に譲らずに自分で食べたいですからね。



 その後のお茶会では皆さん先ほどのお肉の話題ばかりですね。ここまで美味しいと言ってもらえるならまた取りに行くのもありでしょうか?

 そう言ったところ、是非食べたいがそれでダンジョンの探索が遅れるのは……と、悩んでいる様子。


 もっとも明後日から学校が始まってしまうので次にダンジョンに行けるのは今週末になると思いますし、今後の探索を考えるとお肉の為だけに10階に行くのもどうかと思いますので、先の階層でオークが出てくることに期待した方が良さそうですね。


 そんなこんなでちょっと食べ過ぎのお腹を抱え本日は終了。明日は午後から錬金術をするとして、午前中はどうしましょうかね?などと考えているうちに夢の中へ……



……



 あーさー、昨日は何をするか考えたまま寝てしまっていたので予定が立っていません。さてどうしましょうか……


 よし、機材がそろった時に何を作るか考えておきましょう。

 とりあえず、硬貨1~2枚で作れるものと言うと、定番だと指輪かペンダントトップですかね?


 というわけで、午前中はヨウツーブを見て作る物のデザインと作り方の手順のおさらいでもしましょうかね。



 ふむふむ、硬貨から指輪を作る場合は、専用の器具があること前提ですが別に熱しなくても良いんですね。でもこの方法は出来そうにないので、硬貨はあくまでも金属の素体として扱い、熱して叩いて伸ばしてでやっていきましょう。


 そして、どうやらるつぼで熱する場合は叩いて伸ばすという方法ではなく、何かの型に流し込んでやる方法のようです。

 んー、今日はそんな型を用意していないですし、とりあえずは叩いて伸ばしてそれを丸めて指輪にしてみましょうかね。


 などと色々見ているとお昼の時間に。

 食後のお茶会ではお婆様から色々とキッチンに運び込んでおいたので好きに使いなさいとの事。なのでお礼を言っておきました。

 それと、今日の夕方にはお洋服屋さんが制服を持ってくるのでそれまでには作業を終わらせるように言われました。


 なので今日はお試しでちょっとやってみる程度ですかね?一応来る少し前には連絡をくれるそうなので作業に熱中していても大丈夫なようです。



 というわけで、作業用にと用意された布のつなぎの服を着た上にエプロンもつけていざ実験室キッチンへ!


 そしてここにきてビックリ!なんとL字のテーブルの左側に白くて四角い50cm位の箱のような物が!?何かと思ってよく見てみると、耐熱煉瓦で作られた箱(扉付き)がありました!

 しかも扉は真ん中あたりで上下に分かれていて、それぞれ別々に開けることが出来る模様。


 なるほど、私のやりたいことを理解した上で急遽これを用意してくれたのですね、しかもテーブルの右側には熱した鉄を叩くための台やハンマーなどが置いてあります。

 さすがお婆様、やる事にそつがないですね。



 ではこれはありがたく使わせてもらうとしましょう。


 というわけで、今日はテーブルの上に用意されていたペンチの細長いような物で硬貨を挟んで箱の中に持って行き、上側の扉を閉めた状態で硬貨を熱してみます。



 熱しているとどんどんと色が変わっていきます。銀色から暗いオレンジ、赤、黄色、白と変わっていったので、白になったあたりで取り出して鉄の台の上に持って行き、隣にあったハンマーでカンカンと!


 叩くたびにどんどん変形していくのですが、すぐつぶれてペンチごと叩いてしまう羽目に。鉄って結構やわいんですね。

 ですので、次からはペンチまでは叩かない様に気を付けて熱して叩いてを数回繰り返し、とりあえず5cm×5mm×3mm位の板を作り出せました。


 もっとも出来上がった物は多少いびつなので、このままでは綺麗な指輪は出来ません。なので軽く熱して形を整えて……というのを繰り返しているのですが、そうすると今度はどんどん薄くなっていくのみ。



 もしかして、失敗?と思って今日一緒に行動してくれている玲子さんの顔を見ると苦笑いしていました。

 やっぱりはた目から見ても失敗なのですね。


 というわけで、これ以上薄くしても仕方ないので叩くのはここで中断、あとはとりあえずやすりで削ってみる事に。


 テーブルには万力もあったので、それで挟んでやすりで削って平らにしてみます。



 ガシガシと削っていると、そろそろお洋服屋さんが来るから、その前に一度お風呂に入ろうという事になりました。

 たしかにあまり暑くはなかったのですが、色々動いて軽く汗をかいていますのでさっと入って汗を流す事に。


 その後は出来上がった新しい制服を着て最終チェック。さすが一流のプロのお仕事だけはあり、何処も修正する必要はないとの事。

 予備の冬用制服はこのまま作るとして、夏用は一応成長期なので必要になる少し前にもう一度採寸に来てほしいと言われました。


 

 そしてお爺ちゃん達には夕食後に見せる事になり、それまでは部屋に掛けておくことに。着たまま夕飯を食べて汚してしまっては困りますからね。


 夕飯後のお茶会で制服姿を披露したのですが、皆さん可愛いとほめてくれ、私もこんな褒められたのは初めてですごく幸せな気分のまま今日はお布団の中へ。



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