溶けましたか?いいえ、溶けません
素材加工の方法がいまいちわからないので錬金セットの中に何かヒントはあるかな?という事で錬金セットを見直してみたところ、なかに小さな白い湯のみのようなものを発見。
これって、るつぼ?だとしたら、錬金術で金属加工をするとしてもるつぼで溶かす必要がある?それって鍛冶の分野じゃないの?
でも錬金術の極意は溶かすならこれを使えと言っている!気がする。
となるとるつぼを使ってどうやって金属を溶かすのかだけど、中に硬貨入れて熱すればいいのかな?
というわけで、太い針金で出来たはさみみたいな物もあったので、それでるつぼを挟んで中に硬貨を入れ、生活魔法のファイアで熱しようと思ったところ葵さんからストップが。
「知佳さん、もしかして火を使おうとしてる?だったらいざという時のためにお水を用意してからにしましょうね」
そういって葵さんは棚の中を探し、直径30cmほどの片手鍋を持って来て、その中に半分くらい水をためて私の前に置いてくれました。
「これの上でやれば、いざという時に手を放しても水の中に落ちるから大丈夫でしょう」
なるほど火事対策ですね、全く気が付きませんでした。
では気を取り直して、るつぼを鍋の上に持って来てるつぼ全体を炙るイメージでファイアを!
おー、激しい炎が出てきてるつぼを包むように真っ赤な炎が上がり、るつぼも赤くなってきているようです。でも何か……何かが違うと心が叫ぶ!
なのでるつぼを少し傾けて中を見てみると、鉄貨は多少赤くなっているようですが溶ける様子が全くありません。
炙るだけじゃダメなのかな?と、ここで一度中断。るつぼは熱そうなのでお水の中へポイして、一度スマホで金属の溶かし方を調べてみましょう。
と水の中に放り込んだのですが、入れたとたんにジュワァーーーーーーと激しい音と共に湯気が上がり、途中でパキンッという音が聞こえました。
あっちゃー、そういえば熱い物を水に入れたら割れ物なら割れちゃいますよね。持っていても大して熱くなかったのでついやっちゃいました。
きっとパキンという音はるつぼが割れた音なんでしょう、やってしまいました。でもやってしまったものは仕方ありません、このまま金属の溶かし方をヨウツーブで検索です。
ちなみに作業中に横で見ていた葵さんはかなり熱そうにしていて、私に熱くないのか聞かれたのですが、そういえば暑いとか熱いと言うのはなかったですね。
いや、多少は感じていましたが所詮フライパンで炒め物をする時位でしょうか。そう伝えたところ、葵さん的には焚火のすぐそばにいる位の熱さだったらしくハラハラしながら見ていたそうです。
その辺もスキル『砦』の結界の効果が出ているのでしょうかね?
それを考えると、先ほどの暑さは快適とは言えませんが、逆に熱がある程度わからないと困る状況なので、その辺はスキルが適時判断してくれるのかな?このスキルもいまいちわからない所がありますけど、とりあえず便利なのは確かなので良しとしておきましょう。
色々と検索した結果、るつぼをもって下から炙ってもそう簡単に金属が溶けることは無さそうという事が判明。やるなら熱が逃げないような囲いなりを用意してその中で加熱しないとダメっぽいです。
んー、この一抱え有りそうな白い筒は炉っていうんですかね。これを用意しないと溶けないのかな?それとも上下両方から炙ったらいける?
んんん、またまたピーンと来ました。きっと炉で囲まなくても直接高温に晒せば行けると極意先生は言っているっ!
と言う訳で再挑戦しましょう……と思ったのですが、今るつぼ壊しちゃったんだっけ。
どうしようか悩んでいると、検索に結構時間がかかったのか、はたまた気になった関係ない動画を見ていたせいかそろそろお昼との事。
仕方ないので鍋ごと一度異次元倉庫にしまってお昼を食べに行きましょうかね。
今日は月曜日なのでお爺ちゃんも高志伯父さんもいませんので女性陣だけでお昼を食べ、その後はちょっとしたお茶会という名の雑談会。
あ、お婆様はお昼ごはん前には帰って来ていたようです。
そこで話題に出たのはわたしが午前中にやっていた錬金術について。
とりあえずやったことを説明したところ、ランタンについては中を取り出した状態でも光るのか?周りの部品が無くても光るなら周りの部品は使いやすいように作り直した方が色々と利便が良いのではないか?といわれ、それならと後で中の部品だけで光るか試してみる事にしました。
そして金属を溶かす方ですが、調べた結果炉を用意するか、代わりとなる囲いを耐熱煉瓦などで作ればちょっとした事には代用できそうだと伝えると、あとで用意してくれるとの事。
この時ちゃんとした電気炉かガス炉を買ってあげようかと言われましたが、そういうのは扱いが難しそうだしファイアの魔法で加熱できるみたいなので、側だけあれば良いと伝え遠慮しておきました。
そんな感じで食後のお茶会も終わり、まずは先ほどの話に出たランタンの部品だけで光るのかを確認する事に。
さすがにランタンは爆発しないだろうという事で自分のお部屋でやる事にして、引き出しにしまった部品を取り出し、机の上で魔石をはめる台とその上の光る部品だけで組み立て魔石をセット、スイッチと思われる部品を操作したところ(この部品を動かすと魔石が台座と触れ合う)無事光りました。
ですので、どうせだからとカンテラも一つバラして、ランタンとカンテラの両方を作ってもらおうと思います。
またまた途中でバキッって音がしましたけど、どこかがもげた様子も無いのできっとそういう物なのでしょう。
横で見ていた葵さんはちょっと慌てていたようですが、まだあわてる必要はないと思いますよ?ジャムなんかの蓋でも開ける時にガキッとか音しますし、きっとそれと一緒です。
そしてカンテラの部品も一通り鑑定してみたところ、ランタンとほぼ同じ結果でガワの形が違う程度でした。
というわけで一応こちらも動作チェックしたところ無事光ったので、後はこれをお婆様に渡せばいいのかな?
お婆様のお部屋に持って行くと魔石は抜いておいてほしいと言われたので、魔石を抜いてランタンとカンテラの中身を渡しておきました。
その時に一応台座には魔法陣が書かれているっぽいので、直接の加工はしないでほしい事も伝えました。台座を新しいガワに止めるために穴を開けてねじ止め、とかされて魔法陣が壊れたら目も当てられないですからね!
さて、とりあえずのやる事は終わり、金属を溶かす続きをとも思ったのですが、耐熱煉瓦を入手してくれるそうなのでそれが手に入るまで待った方が良さそうですよね?
そこで思ったのが、金属加工をするには熱して叩くことも必要では?という事でそれらの道具も欲しいとお婆様に伝えたところ、耐熱煉瓦と一緒に用意してくれると言われ、明日の午後までにはキッチンに用意してくれると言われたので今日はやる事が無くなってしまいました。
ですので、夕飯までの時間が空いてしまったのでミミちゃんとお庭で遊ぶことに。
今日は天気も良いのでピクニックシートをお庭に広げ、そこで日向ぼっこをしつつたまにフリスビーを投げてあげたりしてのんびり過ごしました。