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スキル『砦』を使って快適ダンジョンライフ  作者: 日進月歩
第二章 ダンジョン出現後一週間経過
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臭いですか?いいえ、匂わないです


 少し大きめの魔石と、5kgありそうな肉塊、そして低級ポーションが2本と銀貨が1枚でましたが、そのドロップのお肉を見てミミちゃんが欲しがってきました。


 ですが、オーク肉はさすがに初のドロップ品なのでこれの扱いは帰ってから相談という事になり、なんとか上手く言い聞かせて角ウサギのお肉で我慢してもらい、代わりと言っては何ですがいっぱいもふってめて(ごまかして?)あげました。


 その時に葵さんから、「確かに一匹の時は戦っていいと言っていたがボスまで行ってしまうのは想定外だった」と言われてしまいましたが、大丈夫、私もびっくりしました。

 しかし、逆にミミちゃんの強さも分かったので結果オーライという事に。


 そしてドロップが出ると同時に光り出した魔法陣ですが、それを見て一応入って来た扉を確認しましたが開く様子はありません。どうやらこの部屋に人がいる限り開かないようですね。

 その後部屋の中をくまなく探してみましたが、隠し部屋のような物も宝箱も無かったです。


 そして最後に全員で魔法陣に乗ってみたところ、行き先は11階のみでした。ですので11階へゴーです!

 


 やって来ました11階、来た場所だけでいえば10階までと変わらず……と思いきやまたまた変化がありました。

 今まではただの通路に出ていたのですが、この階では魔法陣の上に出ました。もっとも魔法陣は光っていませんが。


「あれ?魔法陣の上?もしかしてこのまま12階に行ける?」

「でも光ってないよ?行き先指示みたいなのって出てる?」

「あー、言われてみれば出てないね。一回皆下りてからもう一回乗ったら光るかな?」


 という事で一度全員魔法陣からおりて、再度乗ると光り出しました。そして行き先指示はというと、外へ出るのみでした。


「10階のボス倒してそのまま外に出られない代わりに、ここで出られるって事かな?」

「他にも何か変わってる事が有りそうですよね、11階からはダンジョンに入ると出口専用の魔法陣に出るとか」

「あー、たしかにそれはあるかも。正直ダンジョンに入ったらすぐ出ることが出来ずに毎回出口を探すのって大変だと思ってたんだよね」


 なるほど、そう言う理由があるのかもしれませんね!

 そしてスキル『砦』の状況把握でこの階層をチェックしてみたのですが、認識できる範囲がまたまた広がっていたので早速鑑定で自分をチェックしたところ、スキル『砦』のレベルが3になっていました。これで結界の最大半径が3mに広がりますます安全になりますね!


 そして11階の状況ですが、どうやらフロアの面積が広がっているようです。どの位かと言うと、10階までは3km四方位だったのか5km四方くらいに!

 さらに言うと魔法陣がもう一つあるのは見つけたのですが、結構遠いです。それを伝えたところ、とりあえずこれで11階に来れるようになっているはずだし近場で数回戦闘をしてから一度外に出て、お昼がてら作戦会議を行う事になりました。


 と言う訳で敵を探すのですが、スキルでの認識で1匹壁の向こうにいるようですね。

 その事を伝えると1匹ならちょうどいいという事で向かう事にしたのですが……どうやら迷路的構造上すぐ行ける場所ではなかったようで、どんどん離れて行ってしまいます。


 そうしているうちに前方に敵の反応がありました。


「前から2匹来る!」

「わかった、京香、爆砕は無しだよ!」

「わかりましたー」


 そうして待っていると、前方からはグギャグギャといった声が聞こえてきました。このグギャグギャっていうの、もしかしてゴブリン?


「なんかしゃべってる?」

「あぁ、どうやら人型の可能性があるな……っと、お目見えだ」


 んー、スキルでの認識範囲が広がったのは良いんですけど、敵を認識してから姿を確認するまでに時間がかかる様になりましたね。

 こう、ライトの光が私の頭上じゃなくてもっと前の方に行ってくれれば見つけやすいと思うんですけど……と思っているとあたりが少し暗く、前の方が明るくなりました。


「え、知佳ちゃん何かした!?」

「敵が見やすくなりましたー」


 えっと……どうやらライトの光を出す位置、好きに変えられるようですね。

 確かに今まで出した後ずーっと私の頭上をついて来ていたので、出した所から位置を動かせないってことは無いですよね、盲点でした!


「な、なんかライトの位置動かせた」

「りょーかい、見やすくなって助かるよ!」


 そして敵の姿ですが、身長120cm位、人の倍以上ありそうな正方形に近い大きな顔に大きな口、つぶれた鼻、しかも口の中の歯はサメみたいにトゲトゲでさらに牙らしきものもあります。

 その腰に巻いているのは腰蓑こしみの襤褸ぼろ切れ?手にはこん棒のような物をもっていて、今までの敵とは明らかに一線をかくしていますよ?


 ちょっとあまり直視したくない気分ですが、忘れずに鑑定しないとですね。今までよりも遠くまで見えるので鑑定する余裕も出来ましたよ!


====================


  種族:ゴブリン

  レベル:5


  ステータス

   HP:30/30

   MP:15/15


   筋力 :14

   知能 :8

   知恵 :5

   耐久力:11

   敏捷度:9

   器用度:8

   魅力 :4

   運  :7


====================


 鑑定した結果をメモに取りながら伝えたところ、とりあえずさっさと倒そうという事になりました。


 戦闘自体はね、京香さんが大地の鉄槌を使ってるので1匹はすぐ死亡、壁の花となり、もう1匹は葵さんがおさえている敵を横から沙織さんが喉を一突きして倒していました。

 やっぱり魔法の武器を使うと強いですね。今回は敵のステータスをメモしていたというのもあって補助魔法をかける暇も無く敵を倒しちゃいました。


 そして戦闘は終わったのですが、二人とも手で鼻をつまみながら死体を踏んずけていますね。

 どうやらかなり臭い様で手で触るのは嫌なようです。そんなところまでお話通りなのですね、臭いは無くてもいいのですよ?


 その後死体が消えると同時に辺りに漂う臭いも消えたようですが、私は全然におわなかったんですよね。これもスキル『砦』の結界の効果なのでしょうか?確か結界内は快適な状態が維持されるとかなんとか説明があった気がしますし、きっとそのおかげなんでしょうね。

 確かに快適なダンジョンライフです!私だけですけどね。


 でもそれって逆に言うと臭いで敵に気が付くことは無いという事でしょうか?だとすると一長一短なのかな?

 ちなみに今は結界の範囲は半径1mほどにしています。これも話し合いの結果で、最大サイズにしていると戦闘時に支障が出るかもしれないので、最低限私を守れる範囲で設定しておいてほしいと言われているからです。


 確かに戦闘中に敵が突っ込んできて待ち構えていたら期待した位置より向こうで敵が止まったら困りますもんね。


 そんなこんなで11階での初戦闘も終わり、食事の前にこの臭いのと何度も戦うのは勘弁という事になりこれで一度外に出る事になりました。


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短編を書いてみました


勘違いからの婚約破棄騒動


お暇でしたらこちらもよろしくお願いします
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