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スキル『砦』を使って快適ダンジョンライフ  作者: 日進月歩
第二章 ダンジョン出現後一週間経過
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おっきくなりますか?いいえ、なりません


 やって来ました7階へ!


 ここでも何か変化が起こるのでしょうか?

 敵が出たら忘れずに鑑定を掛けないとですね!


 と思っていたらミミちゃんがそわそわしだしました。おトイレかな?

 そう思って聞いてみたのですが、どうやら戦いたい雰囲気。なので皆に良いか聞いてみました。


「敵が1匹なら戦ってみても良いんじゃないか?」

「ですね、いざとなれば割り込んで敵を倒せばいいわけですし」


 との回答。ミミちゃん良かったねー、1匹ならミミちゃんがやっていいってー。


 そうして進む事、最初は犬2匹でした。とりあえず鑑定してみたところ、なんと敵のレベルが上がっています!


「犬のレベル2と3です、気を付けて!」

「分かった、みんな慎重に行くよ!」


 その後、皆さん確かにいつもより慎重に戦っていたのですが、敵のレベルが上がってHPが増えていたせいかさすがに1撃で倒すには至らず、しかし危なげなく2匹とも倒しました。


 ここでまたまた作戦会議です。


「レベルが上がると敵もやっぱりHPは増えるんだね、何時もと同じ感じだったのに一撃では倒せなかったよ」

「ですねぇ、爆砕君が懐かしいです~」


 京香さんがまた変な名前で……でもたしかにあれらの武器だとこのレベルの敵も一撃なのかな?

 という事で、玲子さんにフレイムソードを再び貸す事になり一撃で倒せるかの検証です。


 結果としてはフレイムソードなら一撃でした。

 ですので、私の護衛兼PTの保険として玲子さんはフレイムソードを装備することになり、他の人たちは戦闘訓練を兼ねて通常武器のままとなりました。


 そんな中、京香さんが物欲しそうにこちらを見ていましたが、気が付かないふりをします。

 敵を爆砕されると追加ドロップが出ないみたいですからね、仕方ないのですよ?


 そしてとうとう角ウサギが1匹で現れました。さぁミミちゃん出番です!


「ミミちゃんゴー!」


 そう言うとミミちゃんは勢いよく飛び出し、大きくなることなくそのまま角ウサギに飛び掛かりざまに首にかみつき、体をひねって角ウサギの喉を食い破るという方法で見事倒しました!


「ミミちゃん凄い!」

「おー、大きくなって戦うのかと思ったらそのまま行ったね!しかも一撃とかすごいよ」

「あのサイズのままあの強さって、シーズーってそんな強かったでしたっけ?」

「ミミちゃんはミミちゃんだから強いのよ?」


 などとみんなからも絶賛の強さでした。楓さんだけはちょっと遠い目をしてますけど……

 でもこれ、ミミちゃんを怒らせるとその牙が私に!?

 もっとも、今まで怒らせても吠えるか甘噛みする程度だったので大丈夫とは思いますが、ちょっと気を付けるようにしましょうかね?


 そんなことを思っているとミミちゃんが倒した角ウサギをくわえて私の所に持ってきたので、うさぎを受け取った後ミミちゃんをなでていたのですが、なんとお肉が残りましたよ?

 ミミちゃんがそのお肉をじーーーっと物欲しそうに見つめているので、とりあえず鑑定してみて毒とかないのを確認してから異次元倉庫にしまってあったダガーを取り出し、少しだけ切ってミミちゃんにあげてみたところ、とても美味しそうに食べていました。

 その食いつきっぷりからするに、ミミちゃんお気に入りのペティーチャーム(犬用缶詰)よりも美味しいのかもしれませんね。


 そう言えば今まで出たお肉は全部曾お婆ちゃんたちに渡していてまだ誰も食べていませんよね?

 その事を聞いてみると、なんでも寄生虫はいないか?変な病原菌は無いか?など色々と食品としての検査などに回されているようです。


 その検査って、ある程度通ったら今度は食べてみて美味しいかとかの検査もあるのかな?

 だとしたらその人たちが最初にダンジョン産のお肉を食べる事になる?


 でも、ネット小説のお話だと大抵はすごく美味しいとの評判なので何か損した気分が……

 ですので鑑定の結果特に問題は無さそうと伝え、このお肉はすでに少し切ってしまったし帰ってから料理してもらって食べてみたいと伝えたのですが……


「知佳ちゃん、鑑定をどこまで信用していいか分からないし、直接口に入れるものだからもっと慎重になった方が良いと思うよ?」

「で、でもミミちゃんにもうあげちゃったし……」

「あー、そうだよね……なんで私たちもミミちゃんにあげるの止めなかったんだろう?」


 あれですね、モンスターを倒すのに忌避感が無かったり、謎の声の言う事を無条件で信じちゃうのと同じように、このお肉も大丈夫って思えるんですよね、鑑定でも食用って出てますし。

 それに、とってきた獲物の一部をあげるのは狩りの基本って事で……え、ちがう?良いんです、ミミちゃんが欲しがったんだから!

 ただミミちゃんがもっと欲しそうにこっちを見上げていますが、お昼ご飯食べられなくなっちゃうからダメよ?


 こうしてミミちゃんも無事戦えることを証明し、今後1匹の時はミミちゃんに戦ってもらう事が決定しました、やったー!


 そしてミミちゃんを抱きかかえてもふってあげようとしたところ、口の周りが血でべっとりだったので浄化を掛けてあげ、その後膝に乗せてさんざんもふってほめてあげました。


 その後も特に問題なく戦闘を続け、2時間ほどで7階の魔法陣も見つけましたが、そろそろお昼にしようという事に。


 そしてここでちょっと探し物をば。何か鉄板の代わりになる物か、もしくは鉄串の代わりになりそうな物は……と。


 んー、アイススピアで肉塊を突き刺して……はさすがに大きさ的にダメかなと。

 ファイアソードは火に強そうだから、それを寝かしてその上で……いやいや、さすがに敵をばっさばっさ切っているのはいくら浄化をかけても気分的に……


 ん?んんん?これ、つかえる……かな?


 じゃじゃーん、取り出しましたるは錬金セットに入っていた金網です!


 これたぶんだけどビーカーとかを温める時に使う奴だよね?理科の実験とかで使ったやつ!

 どうやら真ん中に石綿とかもついてなくて見た感じただの金網だし、この上でお肉を焼けば焼肉に!

 三脚台もあるので、一人分ならこのサイズでも焼けるよね?


 というわけで、その件をみんなに話してみたところ、さっきの話を聞いていなかったのかと怒られちゃいました。

 でも、食べてみたいです!なので鑑定の結果『食用』と出ている点や、いざという時はスキルに状態異常回復やヒールもあるしきっと大丈夫と熱弁したところ、そこまで言うなら帰ってからその辺を曾お婆ちゃんに説明して許可をもらってからにしようという事になりました。


 さすがに状態異常回復やヒールがあるからと言って、危険を伴うダンジョンの中で安全が確認されていない物を食べるのは危険すぎるという事で説得されました。


 言われてみれば今はまだダンジョンの中でしたね、しかも午後もまだ探索を続けるんでした……


「お、お肉の魔力って恐い!」

「いやいや、知佳ちゃんの食欲の方が恐いからね?」


 でもね、食用と出ていて傷んでいないお肉、私にとってはご馳走なのですよ?しかも頭のどこかでこのお肉は大丈夫という感覚がありますし。

 皆さんも大丈夫とは思うけど、安全を取ってという気持ちのが強いんだとか。

 そこはあれですかね、食の安全にうるさい日本人ならではって事なのでしょうか?

 

 というわけで、ミミちゃんにもう少しだけ切り分けたお肉をあげた後、私達は持ってきたお昼ご飯を食べる事にしました。

 皆さん、私が食べるのは反対するのにミミちゃんが食べる分には何も言わないのね……ちょっとその点だけは納得がいかないー。

 まぁ、夜には食べられると信じて今は我慢しましょう。


 そしてお昼も終わり、いよいよ8階に突入です!


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短編を書いてみました


勘違いからの婚約破棄騒動


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