補助魔法は使えますか?いいえ、微妙に使えません
私がスキルの残り取得数に意識を集中しているのを見ていた皆が、思ったより時間がかかっている事に疑問を持ったようです。
「知佳ちゃん、随分難しい顔してるけど何か問題があったの?」
「うんうん、知佳ちゃんにしては珍し顔してるー」
むむ、私が難しい顔するのって珍しいんですかね……たしかに珍しいのかも?
まぁ、とりあえずあった事を皆さんにお話ししましょうか。
「……って感じで一人で取れるスキルの数の上限があって、私の場合は11個なのかな?あ、でも『砦』だけは別枠のような?」
「ふんふん、その枠がみんな同じなのか人によって違うのか……そうなると手に入ったスキルを何でもかんでも取っていくって訳にはいかないのか」
「売られているスキルが思ったよりも安い気もしたんですけど、それなら納得ですね。ほしいスキルを好きなだけ取れればそれだけ強くはなりますけれど、それに対する対策も考慮済みと。意地が悪いというかよく考えられているというか……」
「となると、PT6人っていうのはやっぱり協力してダンジョンを探索しろって事なのね」
「これは、だれがどのスキルの系統を取るのかちゃんと吟味しなきゃですねー」
などと皆さん事の重要性に気が付いたようです。私は取れる残りの数が少ないとしか思ってなかったですけどね!
だからこその6人PTなんですね!
ちなみに、ほかの人達はスキルを持っていないせいかあと何個スキルを持てるかとかの感覚は全く分からないようです。
ですので何か覚えてみるか聞いてみたのですが、今後の方向性を吟味してから覚えるので今はやめておくとの事でした。
スキル取得についての検証も終わ……後回しにし、今日はどんどん先へ進む予定です。
あ、ちなみに今日の皆さんの装備ですが、護衛3人組は葵さんの盾を除いて皆さん自前です。
沙織さんには鎧を貸し出し、武器は自前の薙刀を持っていて、玲子さんも鎧を貸し出し、剣についてはレベルアップの検証という事で刀を持っていますね。
どこから持ってきたんでしょうか?銃刀法とか大丈夫なのかな?
さて、5階の地図はほとんど埋まってませんが、今日はどんどん行きましょー。
と言う訳で1時間ほどで魔法陣へ到達、サクッと6階へ。
え?新しいスキルを試さないのかって?試しましたよそれはもうバシッと!
結果ですか?口を開けて向かってきた犬に対して使ったところ、見事お口に命中してそのままずばーっと貫通しまして……
まぁ、ドロップとして毛皮が出たので良かったですけどね!
なんにしてもオーバーキルでした。そして魔力の消費は私にとってはそれほど大したことは無いのですが、これレベル1の人だと1回使えるかどうかじゃないですかね?
ダンジョンストアを見る感じだと単体攻撃では最上位みたいだしそんなもんかなとも思いますが、強すぎてこの辺の階層だと逆に使い道がないですよ?
そしてロックニードルのマジックスクロールですが……ロックジャベリンを見た後だとかなりしょぼかったです。でも敵は一撃で倒せました。
あと問題点として、誰もスキルのロックニードルを持っていないので、スキルと効果が同じなのかが分かりませんでした!
あ、でもスキルとして覚えなくても魔法が使えるって事は、スキル枠に上限があると分かった今ならマジックスクロールもかなり有効だという話になりました。
そして戦闘をこなすに至ってさらに問題点が一つ浮き上がりました。
補助魔法をかけられるのが私一人しかいないというね……
この辺だと敵が弱すぎて補助魔法をかけても複数掛けてる最中に戦闘が終わってしまいます。
そしてこの補助魔法、効果時間が約1分ほどしか続かなくて事前に掛けておいても敵が来る頃にはとっくに効果が切れているという状況で、掛けるなら敵が来てからという事になりました。
……誰かほかの人も補助魔法覚えてくれないかなぁ。いや補助魔法のおかげで役に立ててるんですよ、私も。でもせっかく攻撃手段が手に入ったわけですし?やっぱり攻撃したいじゃないですか。
え?生活魔法での攻撃は試したのかですか?試す範囲に敵が来ません!
やっぱり生活魔法は所詮生活魔法って事なんでしょうね。でも良いんです、ロックジャベリンが強かったから!
まぁ、PTメンバーとして役割的にどこに重点を置いて行動するのかっていうのもありまして、その辺についても今後いろいろ話し合っていこうという事になりました。
そしていよいよ6階です!ここではどんな敵が出てくるんでしょうね?新しい敵だったら忘れずに鑑定を掛けなければですね!
6階は魔法陣が近いみたい。なのでどんどんと進みます、進みます、進みま……
「前から来るっ、けど2匹!?」
「えっ?」
「っ見えた!」
ここに来て初めて複数での敵ですよ?たまたま1匹のが合流してたのか、それとも6階からは複数が普通になるのか、どっちなんでしょうね?
と言っている間に私にも見えました。どうやら、犬と角ウサギですね。
「オオカミさん、隣に餌がいるよ?わたしよりおいしそうだよ?」
「……知佳ちゃん、あれはモンスターだから、ねっと」
「ふんっ」
そんな事を言っている間に突進してきた角ウサギを京香さんが見事叩き潰し……あれも角砕けてそうですね、そして犬のほうに玲子さんが向かっていき、大口を開けて飛び掛かってきたその口めがけて刀を一突きしてとどめを刺していました。
またまた角を砕いた京香さんは葵さんに怒られてますね。どうやらあの角が京香さん的にどうしても的に見えるようです。
もしかして京香さんは切るタイプの武器を持った方が良いんじゃないかな?などとも思いますが、自前の武器でもハンマーを持ってくるって事はハンマーが好きなんですかね?
そしてここで作戦会議という事に。丁度良いので聖域を試してみましょうかね?
……聖域使ったんだけど、やっぱり半径1mだと私の他は2~3人しか効果範囲に入れませんね。
いや、みんなぎゅうぎゅうに集まれば入れますけど、そこまでするのもね?
そして皆さんダメージを受けたりしていないので確認できそうな効果は敵の侵入を阻む事だけなんだけど、もし敵が来ても聖域の効果範囲に届く前に倒されちゃいますよね?
使い損だったかも!?
あ、でも今使ったMPがいつもより早く回復していく。
うーん、休憩の時は出さない手はないかな?どのくらいの時間休憩するかにもよるけど聖域に使ったMPは回収できそうだし。
そして話し合いの結果、なんと蝙蝠2匹の時は1匹はわたしが攻撃していい事に!やったー!
それ以外の時は、前衛(葵さん、楓さん、京香さんの内二人が前衛、一人が後衛を交代制)二人で1匹を受け持ち、中衛(玲子さん、沙織さん)が交代でもう1匹の相手をすることになり、それを繰り返していく上で徐々にPT連携に慣れて行こうという方針らしいです。
そしてまたまたしでかしました……
「ごめんなさい、今の敵鑑定しておくの忘れました」
「あー、階層変わったら一応見てみるって話だったっけ?まぁ、突然の2匹で驚いたし仕方ないよ。でも次はちゃんと見てね?」
「はーい」
と言う訳で探索続行です。
どうやらこの階層で出る敵は1匹または2匹で出てくるみたいですが全てLV1なので、それを伝えたところ心配事が無くなったという事でサクサク倒してサクサク進みます。
そしてこの階層も1時間ちょっとで魔法陣へ到達。7階へゴーです!