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スキル『砦』を使って快適ダンジョンライフ  作者: 日進月歩
第一章 その時地球が震えた
43/232

教えても良いですか?いいえ、秘密です


 そして、お婆様も見てほしいとの事なので見てみました。


====================


  レベル:1


  ステータス

   HP:15/15

   MP:12/12


   筋力 :15

   知能 :13

   知恵 :16

   耐久力:16

   敏捷度:11

   器用度:14

   魅力 :15

   運  :14


====================


 お婆様もなかなかすごい数値ですね。


「ほう、お母さまには負けるけどアタシも捨てたもんじゃないね」


 曾お婆ちゃんとお婆様のステータスはお爺ちゃん、美雪伯母さん、高志伯父さんたちで回し見していますね。情報共有でしょうか?


 そして、ついでにという事でわたしのステータスも教える事に。


「参考になるか分からないけど、一応私のも書くね」


====================


  レベル:9


  ステータス

   HP:163/163

   MP:226/226


   筋力 :10

   知能 :25

   知恵 :23

   耐久力:212

   敏捷度:105

   器用度:27

   魅力 :28

   運  :27


====================


 そして皆さん気になったのが、HP、MP、耐久力、敏捷度の4つでした。そこはね、スキルやら装備やらでかさ上げされてるのでその点も説明しました。


「ほうほう、これほど変わる物なのかい?スキルや魔法の防具っていうのはすごいんだねぇ」

「まぁまぁお母さん、その辺は各自の秘密にした方が良いという話でまとまっていたじゃないですか」

「そうだったそうだった。知佳さんごめんよ、秘密を聞くようなことを言って」


「秘密にする……ですか?」

「そうさ、これらの数字はこれから先あんたたちを守る物でもあるんだ。これらが他人に知られると悪意ある相手がいた場合、何らかの対策を取られるかもしれない。もちろんスキルについてもね」


「そうそう、だからそれらは極力個人の秘密にさせようってあたしたちで話して決めたのさね」


 そしてお婆様は、これら能力値が分かるとそれを元にいろいろ対抗策を練られ狙われる可能性があるので、極力人には知られない様にと説明してくれました。

 今回沙織さんに数値を聞いたのはあくまで参考にするためで、参考になる数値が分からないと他の人をダンジョンに入れても安全かどうかの判断を付けられないため、やむを得ずと言った感じだったそうです。

 ただ、そのやむを得ずでも葵さん達のを聞くのはマナー違反だろうという事で肉親である沙織さんのステータスを聞いたそうです。


 そんなわけで、今後もたとえPTメンバーであってもステータスの数値は極力他人に教えない様にと注意を受けました。


 その理由として、これらの数値を秘密にするのは最終的に自分を守る為であり、何処で悪意ある人物に漏れるか分からないため普段から気を付けるためだそうです。

 そう言いながらお爺ちゃんは先ほどの紙を灰皿に入れ、火をつけて燃やしてしまいました。証拠隠滅ですね!


 言われて納得、わたしなんかそう言う注意を受けていなかったら聞かれたときにぽろっと言っちゃいそうですしね!

 そして、今までみんながレベルの話はしても、ステータスの詳しい数値の話はしていなかったのはそれが理由なんだそうです。


「この辺は一般開放されるようになったら他人にステータスの数値は教えない、ダンジョンカードで他の人にも見える物しか教えないという風潮を作っていけば良いでしょう」

「そうさね、将来的にはその辺はオープンになるようになるかもしれないが、少なくともある程度の人達がダンジョンというものに慣れるまでは秘密にする方が良いだろうね」


「そして、秘密という風潮があるにもかかわらずしつこく相手のステータスを知りたがるようなやつは腹に一物を抱えてるって思えばいいのさ」

「逆にそんな状況でもやたらと自分の数値を教えてくるやつはただのバカか……何らかの目的の下に嘘を教えてるかだね」


「こういうのはどれだけ規制しても絶対他人を狙う奴は出てくるからね。しかもダンジョンの中だとほぼ人の目が無い。さらに言うならカメラなんかの情報保存方法もない。だとしたら他人にステータスは知られない方が良いのさね」

「そうそう、そう言う奴は自分より弱いやつを狙う。相手が自分より弱いかどうか判らなければそれなりに躊躇ちゅうちょするだろう?」


 なるほど、ゲームでいうPKですね。皆さんそこまで考えているとかすごい!


「それともう一つ、知佳ちゃんその鑑定能力を含めたスキルも持ってるアイテムも、ここにいるメンバー以外には秘密にしなきゃだめだよ?」

「そうだね、そのうちある程度の魔法は見せても大丈夫になるかも知れないけど、当面はそれすらNGだね」


 なんでも、私の鑑定を含めたスキルについては犯罪者や一部権力者、他国の偉い人達などにばれたら、さらわれたり最悪殺されたりしちゃう可能性があるほど魅力的なものなんだそうです。

 さらわれたりしない様に絶対秘密にしなきゃですね!


 その後、曾お婆ちゃんとお婆様のステータスを参考値として、そこからレベル1の人の初期ステータスがどの位かを予想しその上での話し合いが続いているのですが、結論としては他の人をダンジョンに入れても、準備さえきちんとしていれば十分生きて戻ってこれる、多少訓練を積んだ人なら怪我もほぼしないだろうという事で話がまとまりました。


「しかもレベルが上がればどんどん強くなっていくんだろ?なら今のところ5階までなら他の人間を入れても大丈夫そうだね?」

「ほかの人間を入れる……ですか?」


 他の人を入れる理由として次のような事を言っていました。


・私達だけだとやれる事が限られてしまう事

・あと10日ほどで私と沙織さんの学校が始まってしまう事

・私の能力をもっと有効活用するため、私のダンジョン内での時間を有効活用しようという事


 そしてわたしにしか出来ない事はわたしがやり、それ以外のことを他の人達に任せようという話になりました。

 どんなことを他の人に任せるのかと言うと、次のような内容を言われました。


・新商品予定の実用性確認および体験レポート作成

・マップの全埋め(私たちは基本的に出た所から最短ルートしか調べない)

・敵ドロップの収集およびドロップ品の種類やドロップ率の調査

・レベルの高い人たちの早期育成、そしてその人たちは後々複数のPTを率いてダンジョンアイテムの収集などを受け持つようです


 さらには、私や沙織さんのプライベート時間をもっと作ろうというのもあり、これらは決定事項だそうです。

 たしかに今って毎日ダンジョンに入ってばかりですからね、遊ぶ時間とかないですよね。

 もっとも、ダンジョンに入るのも面白いので、こう言っては不謹慎かもしれませんがある意味楽しんでやってますけどね。

 でも確かに今後もずっとダンジョンばかりというのはいろんな意味できついし、他の人が入るのは当然の結果ですね。


 さらには、曾お婆ちゃんはこんなことも言っていました。

「少しでも早く、そして少しでも多くの強い人員を育てる事が、結果的にこの国の将来のためになると思うのさね」


 さすがと言いましょうか、自分達の事だけでなく国の将来まで考えてるとか、曾お婆ちゃんはすごい人です。

 こんなすごい人が私の曾お婆ちゃんだなんて、これ皆に自慢して回っていい事ですよね?

 そんな羨望のまなざしで見つつ凄いとほめていたところ


「よしなよ、照れるじゃないか。それにね、情けは人の為ならずってね」

「そうそう、国のためといっても結局は国がダメになるならうちの一族もダメになる。逆に言えば国が繁栄するならうちの一族もまた繁栄するって事だね」

「ま、そういうことさね」


 と、曾お婆ちゃんもお婆様も結局は自分のためと言っていますが、どう考えても国の未来をメインに考えていますよね?


「それでも、そう思っても実行できるかどうかは別だと思うの、こんなすごい人達がわたしの曾お婆ちゃんやお婆様で鼻が高いよ!」

「あっはっはっは。それじゃ知佳ちゃんに幻滅されないようにもっと頑張らないとね」


 などといった話もあり、今後は他の人達も倉庫ダンジョンに入る事になりました。


 なお、その人員に関しては絶対的な信頼のおける人を近日中に20人ちょっと集め4PT作る予定だそうです。

 ただし、明後日までに4PTの各リーダーとなる4人を人選し、その人たちを一回ダンジョンに入らせて研修みたいなことをするんだとか。


 そしてわたし達はと言うと、曾お婆ちゃんから明日のダンジョン探索では1階の地図をなるべく埋めてほしいとお願いされました。

 なんでも、初めて入る人たちに地図も無く出口の方向も分からない状況で行かせるのは可哀そうだろうという事でした。


「さすがに初心者を放り出して、さぁ出口を探して出てきなってのは可哀そうだからね。そのために可能な範囲で良いから1階の地図を埋めておいてほしいのさ」

「わっかりましたー、頑張ってきます!」


 そんな会話をしていると、沙織さんと美雪伯母さんの間ではちょっとした攻防がありました。


「ふふふ、知佳さんはホント元気ねぇ。それに引き換え……沙織もこの位表情豊かならもう少し可愛げがあるのに」

「ちょっとお母さま、それじゃ私は可愛くないとでも?」

「あら、自分で自分が可愛いと思っていたのかしら?」

「いえ、そういうわけでは……」

 などと、美雪伯母さんが沙織さんを見ながらチクリといじわるな事を言い、それに対して沙織さんが反論するというシーンがありました。


 でもこれも親子の一つのコミュニケーションなんでしょうかね?わたしはお母さんとこういうやり取りをした記憶が無いのでちょっとあこがれます。


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短編を書いてみました


勘違いからの婚約破棄騒動


お暇でしたらこちらもよろしくお願いします
― 新着の感想 ―
[一言] 自分が人の親だから感じたことだと思いますが、沙織のお母さんは子供に向けて言っていいことと悪いことの判断がついていませんね。 コミュニケーションと言えるやり取りではないです。
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