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スキル『砦』を使って快適ダンジョンライフ  作者: 日進月歩
第一章 その時地球が震えた
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痛いですか?いいえ、痛くありません


 玲子さんが敵の攻撃を直接受けてみる事になったのですが、最初に出てきたのは角ウサギでした。


「ねぇ、玲子さん。あの角痛そうだよ?ほんとに受けるの?」

「そ、そうね。さすがに最初にあの角はきついかなー?」

「そうですね、盾で受けた感じは犬よりは角ウサギの方が衝撃は小さいですけど、角ですからね」


 そうして会話している間、敵が待っていてくれるはずもなく角ウサギが突進してきたのですが……


 どうするのか決まらない内に飛び掛かってきた角ウサギを、玲子さんはとっさの反応で一刀両断しちゃいました。

「まぁ、仕方ないわね。とりあえず最初に受けるのは犬からにしましょう。それ以外はやっちゃうという事で」

「ごめんなさい、迷っているうちに来ちゃったからつい」

「そうですね、最初から角はきつそうですしね」


 と言う訳で真っ二つになった角ウサギはキープ!でも魔石しか落としませんでした。

 そうして探す事4回目の接敵でやっと待望の犬が!


「玲子さん頑張ってー、痛いのは最初だけよ!たぶん」

「ちょっと知佳ちゃん、たぶんて何よたぶんて!」

「いや、結局攻撃食らうと痛いかなーと。でもすぐ私が治すから!」

「そう言う事ね。まぁいいわ、来なさいっ!」


 その言葉に反応したのか犬が玲子さんに突進していったのですが、お口をあーんと開けてますよ?

 かみつきですねぇ、そういえば突進を受けるような話でしたけど、かみつきの時はどうするんでしょうか?


 玲子さんの防具は革鎧とは言え、胴部分はチョッキタイプにミニスカートというか、腰回りに幅広のすだれの様なものが前後左右に1枚づつ付いていて、前腕ぜんわんすねを守る別パーツもあると言った感じのものです。

 どうするのか見ていると、どうやら腕の防具のある部分でかみつきを受けようとしてますよ?


「ガッ……グルルル……」

 おぉ、見事にかみつきを腕の防具部分で受け止めました、まるで警察犬の訓練風景みたいですね!

 そしてかみついたまま玲子さんの腕にぶら下がっている犬をそのまま振り回して壁にたたきつけました。


「ギャンッ」

 叩きつけられた痛みで吠えたため、見事にかみつきから脱出しましたね。

 そして床に落ちて悶えている犬を剣で一閃してとどめを刺しました。


 腕は……特に痛そうにしている様子はないですけど、ヒールをしましょうかね。

「ヒール……玲子さん、腕大丈夫?痛かった?」


「……いや大丈夫、ヒールありがとう」

 そういって少し不思議そうにかまれた部分を見ていますけど、どうしたんでしょうね?


「どうしたの、まだ調子悪い?」

「そうじゃなくて……ね、かまれたのに痛くもなんともないのよ。腕にちょっと圧迫感があって重くなったから、かみつかれたのが分かっただけって感じかな?」

「ちょっとかまれた所見せてもらってもいいかな?」


 そう言って葵さんがかまれた部分を真剣な表情で見ていましたが、ここから見ても防具には穴が開くどころかへこみすら見えないですね。ただ、よだれが……

「知佳ちゃん、とりあえず浄化掛けてもらえるかな?痛くはないんだけど、ちょっとよだれがばっちいからさ」


「はーい、浄化!」

「ん、ありがと。それにしてもこの鎧凄いわね。あの大きさの犬のかみつきだから少しは怪我を覚悟していたんだけど、鎧に傷どころかかまれた後すらないわ」

「ですね。ただ、これが鎧の性能のおかげなのかはたまた敵が弱いだけなのか。その辺の検証もする必要がありますね」


「それじゃ、つぎは知佳ちゃんから鎧を借りていない三人の誰かかな?たぶん借りた鎧着ていたらこの辺りの階層だとダメージ受けないと思うわ」

「そうですね、そうすると盾を持っていない京香がダメージを受ける可能性が高いので京香が試すのがいいでしょう」


「えー、わたしですかぁ?まぁその辺確認しておけば、いざ攻撃食らいそうになっても変にひるまなくていいかな?じゃ、次前行きまーす」

 そう不満そうに言いつつワクワクしているのは、やっぱり戦闘が出来るからなのでしょうか?


 そして次の敵を探していたのですが考えてみればここは4階、新しい敵が出てくる可能性があるんですよね。

 そう、新しい敵が出てきたのです!


 どんな敵かと言うと、ふわっふわもこもこの丸っこいやつです。めちゃくちゃ可愛いです!

 あれですね、ヒヨコを全高60cm位の大きさにするとあんな感じになりそうですね。ぬいぐるみ売り場で売ってそうな感じですよ!

 それがピヨピヨ言いながらよちよち歩いてきますよ?


 それを見た京香さんもちょっとひるんでいますが、どうするのでしょうね?というか、あれって敵なのでしょうかね?

 考えてみれば今まで向こうから先に攻撃してきた相手ばかりなのでダンジョンの中には敵しかいないと思っていましたけど、もしかしたら敵じゃないのがいるのかもしれませんね。


 その辺の事は事前打ち合わせでは一切話が無かったはずですがどうするのかな?

 もしあれが本来敵じゃないとして、ここで攻撃することによって敵と認定されるのは困りますよね?


 そう思って見ていると、京香さんも相手の見た目か、はたまた同じように敵じゃない場合を想定したのか戸惑っているようです。


「え?あれ?えっと……これって……」

「うあ……」

「か、かわいい」

「持って帰っちゃダメかな?」

 どうやら皆さんもあの可愛さに参っているようですが、そうこうしている間もおっきなひよこは京香さんに近づいていき、もうすぐ京香さんの大槌の攻撃範囲に入るかといったあたりで突然ジャンプ!


 そのまま京香さんのお腹にツッツキ?頭突き?をかましました!

 予想外の攻撃を食らった京香さんはと言うと、大槌を構えたままの姿勢で固まっていますが大丈夫でしょうか?

 でも悲鳴どころかうめき声すらも上げていないので大丈夫なのかな?


 一応護衛の三人の装備としては、ライダースーツを着た上に分厚いベストの様な物やプロテクター等を着けているので、あの攻撃を受けてもそれほどひどい怪我はしないと思うのですが、何分初めての事なのでちょっと不安ですね。


「ヒール!京香さん大丈夫?」

「あ、ありがとー。可愛いヒヨコちゃんに攻撃されて裏切られた気持ちで放心しちゃってたわ。でも攻撃してきたって事は敵、倒すのみです!」

 などと、なかなか勇ましい事を言っていますが、初めての敵だからこそ爆砕しないようにお願いしたいのですがね?



「ふんっ」



 気合一閃、見事叩き潰しちゃいました。

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