当たりますか?いいえ、当たりません
そして今回は前回行った2階からという話になっていたのですが……
《 ダンジョンに入りますか? Yes/No 》
ががーん、どうやらまた1階から行かなければいけないようです。
その点をみんなに報告すると
「そういう仕様なのか、何かをしないと先から始めれないのか。どっちにしても知佳ちゃんがいないと色々大変そうね。とりあえず入らない事には始まらないので入りましょう」
と言われたので、一応2階に行きたいなーと思いながらYesを選択しましたが、表示には続きがあり
《 あなたのPTの移動可能階数は1~2階です 何階に行きますか? 》
おぉぉぉ、過去に行ったことのある階までなら好きな階に行けそう、早速その点を報告です!
そしてそれなら2階からでという事なので2階へ!と念じると軽い浮遊感の後にダンジョンの中に。
すぐに地図の事を思い浮かべたところ、魔法陣の位置から察するに無事2階にこれたようです。
ただ、この場所も前回来た場所とは位置が違うのでその点を含めて3階への魔法陣の位置を伝えました。
それじゃ、3階への魔法陣に向けてしゅっぱーつ!と思ったのですが、葵さんが何やら手元を覗き込んでいるようです。何をしてるんでしょうね?
「葵さん何見てるの?」
「あぁ、ダンジョンの中でコンパスが使えないかと思って持ってきたのよ」
「あー、地球が作ったのなら磁石も使えるかもって事?」
「そうそう、どうやら使えるみたいなんだけど、結局は方角が分かっても現在位置が分からないと地図があっても出口の方向は判らないからいまいち使えないかも?」
「んー、それでも無いよりは良いですよね?地図を描く基準にもなりますし」
「そうなんだけどね。ちなみに知佳ちゃんはその辺どうやってるの?」
「んと、頭に思い浮かぶ地図って常に方向が固定されてるんですよ。で、自分が今どこにいるのかっていうのが矢印で出てて、その向きでどっちを向いているのか判る感じ?」
「なるほど、それじゃどっちが北かとかは判らないのね」
「あー、地図があって向きが固定だから上が北だと思ってた」
「ちなみに知佳ちゃんの思ってる北っていまはどっち?」
「あっちー」
「なるほど、コンパスと知佳ちゃんの認識する北の方向は同じだから、そっちが北で合ってるのかな?」
「ふむふむ、それじゃ地図の端にでも北の方向書いておくね」
「うん、よろしくね」
そしてその後、2階は京香さん無双で進むかに思われましたが、前回私が言っていた角ウサギの角をもぎ取ってみてほしいというのを葵さんが覚えていてくれて、最初の配置は前に葵さんと楓さん、後ろに京香さんとなり進むことになりました。
京香さんは少し不満そうでしたが、3階に付いたらまた京香さんを前にするとの一言で落ち着いたようです。
やっぱり京香さんは戦闘狂の気がありそうですね。
そして待望の角ウサギですが、進むこと10分ほど、2回目の接敵で出てきました。
この角ウサギは楓さんが疾風の短剣で首を一閃してあっけなく倒し、胴体と離れた頭からどうやって角をもぎ取ろうかと考えていたところで胴体と頭が消え、楓さんの手の中には角が残りましたが、他には何も残りませんでした。
「む、角残った。もしかして倒した敵の体を持っていたらその部位が残る?」
「どうだろう?持っていた部位が残るというのなら頭ごと残るだろうし、触れていれば体の一部が残る感じか?」
「その辺も含めて検証ですね」
「もしこれで敵の体が残るようなら京香の出番はなくなるかもな」
「えー、そんなぁ」
「まぁ、敵を爆散させないように戦えるなら出番はあるんじゃないか?少なくとも魔石や硬貨以外を落とす事が分かった今、敵を爆散させるのは駄目だろう」
「えー、でもでも、ミンチ状態の敵に触れていても出るかもしれないじゃないですかぁ」
「じゃ、京香が戦ってミンチになったやつは京香が触れていてくれ」
「ぶぅ~」
という事になり、次の敵は犬でも角ウサギでも倒した体を保持するという事になりました。
そしてやってきた次の敵は角ウサギで、楓さんがまたもや首を一閃、倒したことを確認してから胴体を持っていたのですが今回は魔石が落ちたのみ。
その後も出てくる犬や角ウサギを倒し体を保持するも出るのは魔石のみ。
これらの事から、魔石以外のドロップ(鉄貨含む)はレアドロップ扱いなのではないか?そしてレアドロップの鉄貨以外はその死体に最低限触れていなければならないのではないか?という結論に達しました。
そうやって敵と戦う事数回で無事魔法陣にたどり着き、全員にお手洗いは大丈夫かの確認がされた後次の階層へ。
《 何処へ移動しますか? 地上/3階 》
ふむふむ、地上か次の階にしか行けないと、前の階に戻りたければ一度地上に戻れって事なのかな?
ここからでも移動済みの階になら好きな階に移動できると便利だと思うんだけどなぁ。
それじゃ、いざ3階に移動です!
3階からはまた新しい敵が出ると予想されるので、とりあえず攻撃力の高い京香さんが先頭に。
その背中からもワクワクしているのが分かりますよ?でもできれば爆砕するんじゃなくて、体を残してほしいなぁ。
3階のイメージですが、どうやら魔法陣の位置が今までよりも遠いみたいです。
その事を伝えると、とりあえず魔法陣まで行って、その後の行動は着いた時間によって決めようという事になりました。
あ、ちなみにダンジョン内での時間は機械式時計を持ち込むことによって解決しています。
どうやらネット小説とかではダンジョン内の時間の進み方が違う場合もあるようですが、ここのダンジョンは全く同じでした。
などとやっていると、3階について早々敵が来たようで京香さんが大槌を構えています。
構えていますが、今までとはちょっと雰囲気が違いますね。
なんかバサバサ音がするんですけど、これってもしかして……
あぁ、やっぱり空飛んでますよ!
飛び込んできたのは翼の端から端までの長さが1m以上もある蝙蝠っぽい何かです!
かなりの速度ですけど、京香さんは大丈夫でしょうか?
「くっ……えいっ、やっ、てやぁーーー、逃げるなこのっ下りてきなさいよぉっ!」
あぁ、大槌だとやはり空を飛んでいる相手にはきつそうですね、京香さんも頑張って狙っているようですけど、何度もからぶって逃げられていますね。
と思っていると京香さんの横をすり抜けた蝙蝠がこっちに!?
「ひえっ」
「このっ」
蝙蝠がこっちに突っ込んできて思わず変な声が出ちゃいました。
ですが、その蝙蝠めがけて沙織さんが短槍を一突きしてその翼に見事刺さりました。
あんな速い動きをしている蝙蝠を短槍の一突きで刺すとかすごい!
そして翼をやられた蝙蝠は地面に落ちたのですが、その蝙蝠に対して玲子さんが剣を突き刺しとどめを刺しました。
「知佳さん大丈夫?」
「あ、うん。沙織さんのおかげでちょっと驚いただけで済んだよ」
「ごめんなさい、あの高さから急角度で来られると盾ではどうしようもないわ」
さすがに空から来られると葵さんも盾でガードするのも難しいみたいですね。
「んー、となると玲子さんか楓に片手用の盾を装備させる?」
「それも一考の余地ありね。ともかく今回は沙織さんのおかげで助かったわ」
「うぅぅ、私やっぱりお荷物?」
「そんな事ないない。知佳ちゃんは戦闘以外で十分役に立ってるでしょ?人それぞれ役割分担よ?」
こうしてダンジョン3階での最初の戦闘は終わりました。
ちなみに蝙蝠は何も落としませんでした。
そして蝙蝠に襲われかけた私の防御を何とかしないとという事でここで作戦会議です。