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スキル『砦』を使って快適ダンジョンライフ  作者: 日進月歩
第一章 その時地球が震えた
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あなたが先生ですか?いいえ、変態です


 3人で学園長室に移動して試験を受ける前に学園長に挨拶をし、その後試験担当をするという30代半ば程の坂田先生(男性)を紹介されたあと、なぜか教室ではなく生徒指導室に通されそこで試験を受ける事に。

 ちなみに学園長は40代位の落ち着いた雰囲気の女性の方でした。


 試験としては90分で一度で試験対象全てを行う、入学試験としては小テストといって良いようなものでした。

 そして、試験だというのになぜか開始10分ほどした頃から色々と質問してくる坂田先生。

 質問の内容としても、その足はどうしたのか、いつごろ治る予定なのか、二条家との関係はどのようなものか、しまいには彼氏はいるのかとか、試験に全く関係のない質問を数分おきにしてきます。

 こんな人が試験担当でこの学校は大丈夫なのでしょうか?

 それとも、そういう騒がしい中で問題が解けるかどうかも合わせて見る試験なのでしょうか?


 もっとも、私は問題を解くのに一生懸命なため質問をされても返事が出来るわけも無く、また質問の内容が内容なので返事をする気も無いのですが、数学問題の検算中にまで同じような質問を言葉を変えて何度も聞いてくるため思うように検算が進まず、いい加減試験に問題が出ると思いついには我慢の限界に達して


「いい加減にしてください!試験中なのにそんなに質問ばかりされても困ります!」

 と怒鳴ってしまいました。

 怒鳴った後にすぐにまずいと思ったのですが、私の声が外まで聞こえたのかドアがノックされたかと思うと返事を待つこと無くドアが開き、学園長、美雪伯母さん、沙織さんが入ってきて学園長が


「試験中だというのに何事ですか?」

「いえ、その……この子が突然怒鳴り出しまして」

「近衛さん、何があったのですか?」

「えっと……」

 説明していいのかどうか戸惑っていると美雪伯母さんが優しい声で、でも有無を言わせない雰囲気で

「知佳さん、気にせずあった事をありのまま説明して?」


 そうすると、私が説明しろと言われているのになぜか坂田先生が

「いえ、その……そう、虫、虫がいたんだよな近衛」

 またもやありもしない言い訳を始めたのですが、嘘で誤魔化そうとするという事はさっきまでの質問はやっぱり自分でもまずいと分かっているという事でしょうか?


「ほら近衛、虫を追い払っていたと説明してあげるんだ」

「坂田先生?いまは近衛さんに質問しているのであなたは黙っていてくれますか?」

 そんな誤魔化しじゃ誰も信じないと思うのですが、さすがに学園長先生に注意されました。

 まぁ、そんな変な言い訳に賛同してあげる必要性も無いのであった事をありのまま説明したところ、美雪伯母さんは般若の形相になり、沙織さんはいつもの無表情からごみを見るような表情に、そして学園長はと言うとあきれた表情になりましたが、坂田先生はと言うと


「なんだと近衛、俺がいつそんな質問をした。嘘を言うのも大概にしろ!」

 と私が嘘を言っていると言い出しました。

 こんなこと嘘を言ってどうするのでしょうね?そもそも嘘を言って先生を貶める理由が私にはありません。

 いえ、この先生の本性を知った今なら少しはそういう嘘をついてもいいのかも?とちょっとだけ思いますが……


「おい近衛、何とか言わんか!そうか、そうやって俺を陥れようとしているんだな。そんな奴はこの学園の生徒にさせるわけにはいかんぞ?」

 とまだ私が嘘を言っていると言い張るので、証拠を提示しましょうかね?

「えっと、美雪伯母さん。これ……」

 実は私は今まで義両親からの虐待や学校での虐めへの対応のために学校に行くときはボイスレコーダーを常に持ち歩いているんですよね。

 もっとも、今回に関してはたまたまブレザーの上着のポケットに入っていただけなんですけど、それが役に立ってよかったです。

 そして今回の坂田先生が男性と知った段階でボイスレコーダーのスイッチを入れておきました。

 それを見た先生は顔面蒼白になり、私からボイスレコーダーを奪い取ろうとしたのですが、私にあと1mという所でそこに見えない壁でもあるかのように手をつき止まりました。


 ん?何でしょうね……

 あっ、もしかして!と、スキル『砦』の結界のこと思い出した。

 そして、思い出した瞬間これバレたらまずいやつだと思い、その効果範囲を狭めるため私の肌から1cmになれ!と念じた瞬間、坂田先生は急に支えを失ったように私の方に倒れてきて、突き出した手はわたしの胸元に!?


 触られた感触は全く無いのですが、視覚的に触られたと思った瞬間一気に全身に鳥肌が立ってしまい思わず

「キャーーーーーーッ」

 と叫んでしまいました。そして次の瞬間思わず先生をつき飛ばしたのですが、体重差と先生がこちらに体重をかけた形になっている体勢のせいか、私が椅子ごと後ろに倒れかけ、その私をとっさに沙織さんが支えてくれました。


 その後私の悲鳴を聞きつけた他の先生も生徒指導室に入って来て、それら先生たちも交えての事情説明や先ほどの試験中の話になり、わたしが言っていたことが嘘でない事の証明のため、他の先生もいる中でボイスレコーダーの内容確認を行ったりした結果、坂田先生はさしあたり自宅謹慎を言い渡されていましたが、その時に


「これは誰かの陰謀だ、謀られたんだ!俺は悪くない!」

 とか

「くそっ、前の学校からの書類には大人しく内気な生徒だとの評価だったのにっ」

 などよく判らない言い訳もしていたようですが、さすがに試験中の各種質問は駄目だと思うの。


 また私の入学試験についてですが、こんな事があったのでは今から試験の続きを受けても実力を出し切れないだろうという事で本日は中止、また後日改めてという話になっていたのですが、途中から学園長先生の

「せっかく忙しい所を来てもらった上こんな不祥事に巻き込んでしまい、さらにまた後日受けさせるのもどうだろう?」

 という一言で流れが一気に変わり


「今まで通っていた中学の成績を見る限り当学園への入学に必要とされる学力は十分満たしているので、お詫びもかねて試験は免除にしましょう。本日の試験のうち、すでに回答済みのものに関してもそれなりの正解率のようですしね」

 との一言で試験は免除されることになりました。

 そんなことして大丈夫なのか心配になったのですが、私立の学園なので大丈夫だそうです。

 えっと、私立だから大丈夫って、後から裏口入学だのなんだので問題になったりしないですよね?


 まぁ再試験を免除してくれるのならそれはそれで楽でいいのですけどね。

 もしかしてわたし、今日は胸をさわられるために来たのでしょうか?実際は触れてないですけどね!


 とりあえず4月からの転入は認められましたが、ある意味あのような先生のいる学校に通うのは逆に不安が湧いて来ますね。

 その辺についてはこの場で話す事ではないので、帰ってから美雪伯母さんにお話ししてみましょうかね?

 そんなわけでその後は学園長室へ戻り、そこで学園長先生から丁重な謝罪を受け二条家に帰る事になりました。


 二条家に帰ると玲子さんはまだ戻っていない様だったのでミミちゃんのお散歩を一人でしようと思ったのですが、沙織さんが付き合ってくれるみたいなので一緒にお庭で散歩することにしました。

 それにしても本当にこの家は広いね!ミミちゃんなんかお屋敷を出てからさんざん走り回ったけど、お屋敷の庭の端にたどり着くことなくダウンしちゃいました!

 もちろんダウンした時の、こっちを見上げて「抱っこして」って言ってくるあの表情がかわゆいのでわたし的には全然OKなんですけどね!


 ミミちゃんに癒されて今日あった嫌な事も忘れられたので、明日からのダンジョンアタックはまた頑張りたいと思います。


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短編を書いてみました


勘違いからの婚約破棄騒動


お暇でしたらこちらもよろしくお願いします
― 新着の感想 ―
[気になる点] 男性恐怖症の女子のテストに、男性と二人きりなんてあり得ない。この先生の本性を見るために使われたのではと思っちゃうね
[一言] グダグダと無駄などうでもいい話書きすぎでしょ中身がないじゃん
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