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スキル『砦』を使って快適ダンジョンライフ  作者: 日進月歩
第一章 その時地球が震えた
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ここは夢の島ですか?いいえ、私の実家です

今回ちょっとだけ鬱展開あります


 その後1階と同じように地図を描きつつ進んでいったのですが、どうやらこの階層では犬とうさぎの両方が出るようです。

 ただ同時に出るのは1匹だけの様で、この階層も皆さん問題なく敵をサクサク倒していきます。


 そして見ていて思ったのですが、角ウサギの角って錬金術で何かに使えそうなんですよね。

「ねぇねぇ、つぎ角ウサギ倒したらその角、もぎ取ってくれない?」

「も、もぎ取るの?」

「うん、なんとなくなんだけど錬金術の素材に使えそうな気がするんだよね」

「でも倒したら消えちゃうんじゃない?」

「もぎ取ったら残るかも?一緒に消えちゃうかな?」


 そう、なんとなく、なんとなーくだけどもぎ取れば残る気がする。

「それじゃ、次倒したらすぐに角をもぎ取ってみるわね」

 そうして進むことしばらくし、次に出た角ウサギは……


「どりゃーーー」

 なんと後ろから現れ、そこにすかさず京香さんの大槌一閃!

 見事角ごと頭が粉砕されました。どうやら通り過ぎた横道からやって来て後ろを取られたようですね。それにしても……


「京香、さっきの話聞いてた?」

「ご、ごめんなさい。やっと私の所に敵が来たものだからつい」

「ま、まぁ出来ればなので、無理なら……」

「む、無理じゃないのよ?狙えばちゃんと角を外す事も出来るの!」

「という事は、言われていたのにあえて角を狙ったと?」

「いやいやちがうからね!嫌がらせでとかじゃなくてね?うさぎさんが、ここを狙ってーって角を出してくるものだからつい……、ごめんなさい」


 などという一面があり、その後次の階への魔法陣へたどり着くまで角ウサギが出ることは無かったです……くすん。


「さて、次の階への魔法陣が見つかった訳だけど、どうする?」

「私はお腹がすきましたー」

「私も少し空いたかな?」

 と京香さんが空腹を訴え、私も座って地図を描いているだけなのに少しお腹が空いていました。


「いや、聞きたかったのはそう言う事じゃなくて次に行くかどうかだったんだけど、確かにこのまま探索を続けるならそろそろお昼にした方が良いのかな?」

 そのお昼という言葉に、今まで暇をして膝の上で大人しく寝ていたミミちゃんが反応しました!

 基本膝の上で休憩、たまに降ろしてお散歩をさせていましたがやっぱり暇だったんですね。


 あ、お手洗いはきちんと隅っこに行ってやってましたよ?

 おっきい方?ちゃんとビニール袋に入れて回収です。玲子さんが!

 どっちもした後はわたしが一応ウォーターで流しておきました。


 そしてお昼にするにもこの場所では2方向から敵が来る可能性があるので、どこか近くに行き止まりを探してそこで食べる事になりました。

 その行き止まりは10分ほどで見つかり、そこでお昼に。


 私は何かあった時すぐ移動出来る様に車椅子のまま、他の人達はレジャーシートを出してそこに座り食べる事に。

 ミミちゃんの分はわたしの足元にお水と一緒においてあげました。


 そして何事もなくお昼が終わりまったりと食後休憩をしていたのですが、そこで京香さんから爆弾発言が!?


「お手洗いってどこかな?」

「えっ!?」

「えっ!?」

「えっ!?」

「えっ!?」

「えっ!?」


「え?いや、お手洗い。ちょっと行きたくなっちゃって……てへ」

「いや京香、逆に聞きたいんだがダンジョンの中にトイレがあると思うか?」

「え、無いの?無い……よね、どうしよう?」

 するとみんながミミちゃんを見た後に京香さんを見て

「その辺でするしかないんじゃないか?」

「ですね、ちょうど行き止まりですし、皆さんは少し離れて敵を警戒、京香さんは行き止まりでするしかないかと」

「えぇ~~~、そんなぁ」


「そうか、トイレの問題もあるのか。これは何かきちんと考えないといけないな」

「で、どうします?そこでパパっとやっちゃいます?」

「うぅぅ、それはちょっと。携帯用トイレとかだれか持ってないですか?あと衝立に使えそうな物も」

「持ってきてないね。そもそもトイレの事はすっかり忘れてたよ」

「ど、どうしよう……」


 みんながそう悩んでいるのですが、一度外に出れば良いんじゃないかな?

「えっと、出口近いし、一回外出るのは駄目なの?」

「「「それだ!」」」

 と、京香さん以外の人も食いついてきました。

 実は皆さんお手洗いに行きたかったのでしょうか?


 そんなわけで先ほどの魔法陣まで戻り、一度地上に出る事に。


《 何処へ移動しますか? 地上/3階 》


 外へと念じると無事外に。

 外に出ると同時に倉庫の横に設置されている簡易トイレに京香さんはダッシュしていき、後を追うように沙織さんと楓さんもトイレに向かいました。

 私もトイレ行っといた方が良いかな?いざとなればそのまましちゃっても魔改造下着のおかげで大丈夫なんだろうけど、さすがに皆がいる所でするのはね。


 という事でわたしもトイレに向かったのですが、ここでまた一つ問題が。

 簡易トイレ、読んで字のごとく『簡易』用なのです。

 何が言いたいかというと、狭いんです!しかも排泄タンクというのでしょうか、出したものを溜めるためのタンクがあるせいか、2段ほどの階段がついています!

 これ、私が使うの無理だなぁ。


 そう思って簡易トイレを見ていると

「ん?知佳ちゃんもお手洗いっとく?」

「んー、行っとこうと思ったんだけど、これはきついかなーって」

「あぁ、それじゃ近衛の家に一度戻ればいいんじゃない?」

「そっか、近いんだった。それじゃ一度お家に戻ろうかな」

「それでしたら皆で一度お邪魔しませんか?二人だけでっていうのも義家族の方がいた時に困るかも知れませんし」


 というわけで、一度皆で家に行くことになりました。

 家まで100m無い位なので歩いて(私は車椅子ですが)と思ったのですが、もし義家族に見られると面倒なことになるという事で車で移動する事に。


 とりあえず私は離れに行ってお手洗いに。

 ついでに台所やお風呂のお水を出して排水管のお水を補給っと。


 それが終わったら今度は母屋の水回りの確認。

 母屋の車庫を見ると義家族が使っている車が無かったのと、この間の電話の感じで家に入れていないっぽいのでね。

 こちらの排水管の水も補給しないと最悪排水管の水が蒸発して下水の臭いがすごい事になりますからね。


 とはいえ、私が母屋に入るのはすごく久しぶりなんですよね。

 久しぶりに入った母屋というか、本当の実家なんですが……玄関を開けて中を一目見て自然と涙が出ていました。



 玄関入ってすぐに続く廊下がゴミ袋の山です。




 ここ、本当に私の家ですよね?




 私の家が……お父さんお母さんとの思い出の家が…………




 そんな私に気が付いたのか、玲子さんがそっと私の頭を抱きしめてくれて

「知佳ちゃんごめんね、前はわたしがそこそこ掃除してたんだけど、知佳ちゃんが離れに移ってから私もこっちに近づかなくなってて……ここまで酷い事になってるとは思わなかったわ」

 と言ってくれました。


 ううん、玲子さんのせいじゃないの、全部あいつらが悪いの。



 そう言いたいのだけど、喉が詰まったような感じで上手く声が出せず、出てくるのは嗚咽だけでした……


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短編を書いてみました


勘違いからの婚約破棄騒動


お暇でしたらこちらもよろしくお願いします
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