何か購入しますか?いいえ、手持ちがありません
ダンジョンカードを確認するとそこには
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名前:近衛 知佳
識別コード:JPN0000000001
レベル:3
カルマ値:+100
ステータス
HP:121/121
MP:142/142
筋力 :7
知能 :16
知恵 :15
耐久力:208(+100)
敏捷度:103(+100)
器用度:18
魅力 :19
運 :18
所持DP:53
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となっていました。
なるほど、このDPの所はこうやって数字を増やすのですね、銀行機能付きとかすごい!
でもこのDPって何処のダンジョンでも出し入れができるって事ですかね?あとどうやって使うのでしょう?
アイテムを置く前にダンジョンカードを入れてみましょうかね?
すると台の正面部分に以下のように表示されました。
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このカードには現在
53DP
がチャージされています。
希望する操作を選択してください
商品購入画面の表示
商品販売画面の表示
取引停止
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と表示されました。
なるほど、チャージしたDPで物を購入できるのですね。
とやっていると、いつの間にか後ろに皆さんが来ていました。
「知佳ちゃんどうしたの?」
「昨日ね、この機械?を鑑定したらダンジョンストアって出て、色々出来そうだなーって思ったから今試してみたの」
「え、そうなの?それで何か出来た……んだよね、何か色々やってたみたいだし」
「うん、とりあえず手持ちの魔石をね、この台の上に置くと買い取ってくれるって。で、買い取った分はDPとしてカードにチャージされるんだって」
「え、カードに?」
「そうそう、でそのチャージしてあるDPを使って色々買えるみたい」
「なにそれ、このカードってステータスを表示するだけじゃなくて電子マネー的な使い方もできるの?」
「電子マネーというか、ダンジョンマネー?」
「ふんふん、それで買える物にはどんなものがあって、それぞれいくら位なの?」
「そこまではまだ見てないー」
「見てみてもらえるかな?」
「えっと……もっかいカードを入れて、商品購入画面の表示っと」
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現在購入可能な商品の項目一覧です。
チェックしたい項目を選んでください
硬貨
宝石
魔石
スクロール
ポーション
武器
防具
道具
鉱石
素材
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「ってなってるー」
「んー?「ってなってるー」って言われても、何が何やら?」
「あれ、ここに表示されてるの見えない?」
「何も見えないよ?ただの石の板だね」
「ふむー、本人しか見えないのかな?」
と思っていると、表示にポップアップウィンドウが出てきてそこには
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PTメンバーへの内容開示
他の全ての人への内容開示
表示取りやめ
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ふむん……とりあえず全員に表示っと。
ちなみにPTメンバーにってのはどうやるんだろ?ダンジョンに一緒に入ればPTって言ってたけど、一回外出ちゃうとPTは解除されるって事?とすると何か登録する方法とかがあるのかな?
「あ、なんか出てきた。へぇ~、こうなってるんだ」
その後皆にやり方を初めから説明したところ、ダンジョンショップに関してはあとで葵さんがまとめて報告書を作るそうです。
しめしめ、昨日言い忘れてたのをみんな忘れてくれました、にひひ……
「知佳ちゃん、なんかしてやったりって顔してるけど、今度からはこういうのはなるべく早く教えてね?」
げふっ、ごまかせてなかったよ。
「はーい、ごめんなさい……」
そしていよいよ第二回ダンジョンアタックに!
え、何か買わないのかって?
あまりに内容が多くて時間がかかりそうなので、とりあえずいくつかさっとだけ見たんだけどどれも高くて……
一応私の手持ちの硬貨とか魔石売って何か買う?って聞いてはみたのよ?
でも今のところDPに対する円の価値がどうなるか分からないし、戦力的にも全く問題ないから今日の所は保留って事になりました。
ちなみに、買える品目についてはここに常駐している監視員の人がメモしておいて帰りに渡してくれることになりました。
……
「それじゃ、いっくよー」
「おっけー」
「「「はいっ」」」
あ、ミミちゃんは私のお膝の上で大人しくしててねー。それでは!
《 ダンジョンに入りますか? Yes/No 》
Yesっと。
そして何時もの軽い浮遊感の後、ダンジョンの中に無事入れました。
するとさっそく葵さんが
「配置!」
「「はいっ」」
と、即私たちを守る配置についてくれました。さすが訓練されてますね!
そして早速前回の地図を出して移動しようと思ったのですが……
「……あれ?」
「どうしたの、何かあった?」
「えっとね、前回の続きをーと思ったんだけど、出た場所前回と違うみたい」
「えっ、もしかしてダンジョンは毎回出る場所が違う?」
「んと、頭に思い浮かんだ地図は前回と違う位置だねぇ。前回のがこっちの地図でここなんだけど、今いるのはこの辺ー」
そういって前回作成した全体地図を出し、前回の位置と今回の位置を指し示しました。
「んんん、結構離れてるのね。あ、でも次の階に行くには近いのかな?」
「直線距離だと近いかも?」
「まぁ新しい情報という事で良しとしましょう。それにしても、これだときちんとした地図が無いと知佳さんのいないPTは先に進むのもダンジョンから出るのも一苦労ですね」
「そうだねぇ、なにか出口の位置が分かるアイテムとかあると良いんだけど……」
「あー、こういう作りだとそういうものが用意されてる可能性も無きにしも非ず?」
「もしくは錬金術で作れるかも?」
そう、それこそ錬金術の醍醐味!
なんとなく、なんとなーくだけど羅針盤的な物が作れそうな予感もするんだよね。
これが『錬金術の極意』の直感が働くってやつなのかな?
「おー知佳ちゃん、それ作れたら大金持ちになれそうね!」
「大金持ち!良いね!あ、でもそればかり作らされるようになるのは嫌かなぁ」
「まぁその辺はあれよ、最初に一つ作ってあとは特許登録して他の錬金術師に作らせるとかね」
「そだね、それもいいねえ」
「こらこら、とらぬ狸の何とやらをやっていないで先に進もう」
「「はーい」」
「それじゃこの辺の地図を描いて、描き終わったら随時描きながら進みますね」
「ああ、頼むよ」
「いいか、知佳ちゃんの認識範囲は10mほどらしいから先行するのは5mほどにしておくんだぞ!」
「打合せ通りって事ね」
「それと京香、今回は極力他のメンバーに敵を回す様に!」
「……はぁーい」
やっぱり京香さんは戦闘狂なのでしょうか?すごく不満そうです。
そうして第二回目のダンジョンアタックは前回と違う場所からスタートしたのでした。