ダンジョンでスマホは使用不可能ですか?いいえ、使えました
ダンジョン入り口と思われる光った魔法陣に全員で乗った所
《 ダンジョンに入りますか? Yes/No 》
と出てきたので、はいと念じてみた。
すると、Yesじゃないのに無事あの浮遊感が。
まぁ、行けると思ってたけどね、試してみないとね!
無事みんな一緒にダンジョンに入ることが出来ました。
ダンジョンの中は幅4m高さ5mほどの石でできた廊下のような場所で、近くに出口っぽい物は無さそうですね。
「おぉ、ここがダンジョン……」
「へぇ、噂通り真っ暗なのね」
「配置に着け!」
葵さんがビシッとそう言うと、護衛3人組は事前打ち合わせの通り前後に移動し、私たち3人を守るような配置につきました。
そんな中、玲子さんはと言うと私の隣でスマホが使えないことを確認して
「で、スマホとかは使えな……あれ、電源入ってるよ?」
どうやら使える様です?
「あら、ダンジョン内は電子機器は使えないという情報がありましたけど?」
「ん?私の方は入ってないですー、どういう事でしょう?」
どうやら京香さんは使えない様で、人によって使えたり使えなかったり?
なのでわたしも確認してみた所、スマホは電源が入りっぱなしでした。んー、使える人と使えない人の違いって何でしょうね?
ただ、さすがにアンテナは0本で電波は届いていないようです。
「私も電源入ってるー、でも電波来てない」
「私のスマホは鎧に着替えた時に置いてきてしまいましたわ。この格好だとしまう所が無くて」
さすがに沙織さんは持って来ていないようです。
たしかにビキニアーマーだとポケットないしね、リュックに入れるくらいなら置いて来るよね。
とりあえず、使えるならちょうどいいと思い動画録画モードにしてダンジョン内を撮影しとこーっと。
でも、暗くてあまり良く映らないかも?
「あ……」
「ん?知佳ちゃんどしたの、何かあった?」
「明かり出すの忘れてた、ライト!」
と、頭上1mほどの所に蛍光灯があるイメージで唱えると、昨日庭で出したような光の玉が無事現れました。
ただ、昨日と違い暗いダンジョンの中なので思った以上に明るく、ランタンとか要らなかったかも?と思うほど周りをよく照らしてくれました。
そして前を向くと、沙織さんのプリンとした素晴らしいお尻が目の前に!?
フオォォォーーー!
ビキニアーマー侮りがたし!お尻のお肉が半分出てますっ、ハーフバックタイプというやつですね!
そう言えば私の魔改造下着もハーフバックだったような?地球の意志っていうのはハーフバックが好みなのかしら?
まぁ、ビキニアーマーの硬そうなパンツでフルサポートタイプだったらそれはそれで動くのに支障ありそうだし、ある意味道理にかなっているのかな?
それにしても、この位置取りだとお尻がベストアングルで録画されちゃってるような?
でも私が狙って録画してるわけじゃないし、私の目の前にそのぷりっぷりの綺麗なお尻を晒す沙織さんが悪いわけで、これは決して盗撮じゃない、盗撮じゃないのよっ!
それにしても、同性の私から見ても綺麗なお尻だよねぇ。
「それにしても原因は何だろうな?っと、さっそくモンスターかな?」
通路の奥の方をにらみながら葵さんがそう言うと、その声に反応して京香さんが葵さんの横に並び大槌を構えました。
「グルルル」
と前方まだ暗い所から犬が唸るような声が聞こえ、近づいて来たかと思うとそのまま飛び掛かってきました。
その飛び掛かってきた犬に対し、京香さんが大槌を横薙ぎに一閃すると
ドパッ
と見事にヒットしたのは良いのですが、犬はそのままミンチになって壁に血飛沫をぶちまけました。
もちろんその状況を引き起こした京香さんも返り血で血まみれに。
「うへぇ、敵やわすぎないー?」
などと、たった今モンスターと思われる生物をミンチにした人とは思えないほどのんびりとした口調で言っていました。
でも私が思うに、敵が弱いんじゃなくて京香さんが強いんじゃないかな?などと思ったのですが、そう思ったのはわたしだけではない様で
「敵が弱いんじゃなくて京香が、いやその大槌が強いんじゃないか?なんといっても知佳ちゃんがクリア報酬でもらった武器だしね」
「あー、それもあるのかな。でも動きとしては普通に犬って感じですよ?」
「いや、それ一般人にしてみたら十分脅威だからね?」
今回の戦闘についてそんな会話を護衛三人組がしていると、壁に張り付いたり辺りに飛び散っていた敵の残骸が融けるように消えました。
ただし、京香さんのあびた返り血は消えずにそのままです。
それを見ていた皆は驚いていましたが、犬のいた所に何か光るものがあり葵さんがそれを拾い上げて
「あぁなるほど、魔石ってこうやって出るんだね。知佳さんしまっといてくれるかな?」
と、血まみれの京香さんをスルーして落ちていた魔石を拾って私に渡してきたので、用意していた布の小袋にしまいました。
そして、さすがに血まみれは可哀そうだと思い、どこまで綺麗になるか分からないけれど京香さんに浄化をかけてあげました。
すると汚れが全て落ちたようで
「うわぁ、さっぱりした。知佳ちゃんありがと~」
こうしてなかなかショッキングな戦闘から始まったダンジョン探索ですが、迷路になっている可能性もあるから地図を描こうという事になり、座っている私が一番書きやすいだろうという事で私が書くことに。
地図を描くための台を膝の上に置きいざ描こうと思ったところ、この近辺と思われる地図が頭に浮かんできました。
おや?と思いつつもみんなにちょっと待ってもらい、頭に浮かんだ地図を描くことにしました。
それを不思議そうに見ていた京香さんが
「知佳ちゃん?地図っていうのは思いついて書くんじゃなくて、通った道が分からなくならない様に書くのよ?」
と、私が落書きを始めたと思ったのか注意されちゃいました。
ですが私もこの状況で落書きをしている訳では無いので
「地図を描こうと思ったら頭の中にこの辺と思われる地図が浮かんだので書き写してみたの。さすがに私もこの状況で落書きをしたりしないですよ?きっとスキルか何かの影響だと思うのですみませんが書き終わるまで待ってください」
と伝えると京香さんは謝ってくれたのですが事前に理由を伝えなかった私も悪いのでこちらも謝り、とりあえずわかる範囲の地図を描き写す事にしました。
とは言っても自分を中心に半径10m位の範囲の地図とダンジョン全体のおおよその広さ、あとはこの階から移動するための魔法陣と思われる場所の方向がなんとなくわかるだけなので、それらを紙に書き写しました。
とはいえダンジョンはかなり広い様で、全体をA4サイズ1枚に書こうとするとかなり小さく書かなければいけなくなるのである程度の大きさで今いる周辺を、そして別の紙に全体的なものを書くことにしました。
それを見ていた玲子さんが
「知佳ちゃんのその能力凄いわね、それだけでも十分同じPTになる価値があると思うわ。とりあえず今回はダンジョン内の雰囲気をつかむのが第一目標だし、それはもう達成したから出口の方に向かいましょうか」
「はーい、それじゃ出口は右の方にあるみたいなので曲がり角があったら右にお願いします」
そうして進むたびに広がっていく頭の中の地図を紙にどんどん書き写し、時には行き止まりにぶつかり、時には戦闘をこなして進んでいきました。
その結果分かった事は、ここの敵は犬が同時に1匹だけしか出てこないという事でした。
もちろん犬1匹だと京香さんの敵ではなく、私は無論他の4人の出番もなくサクサクと進むことができました。
ただ、魔石に関しては落す場合と落さない場合があり、さらには1匹だけですがコインを落としたので鑑定してみた所鉄貨でした。
犬が鉄貨を落とすって何処に持っていたんでしょうね?もしかして食べちゃってたんでしょうか?
そうやって地図を埋めつつ進む事1時間ほど、戦闘する事8回ほどで出口につくことができました。
戦闘は毎回京香さんが敵を爆散させて返り血を浴びるので、そのたびに私が浄化で綺麗にしてあげましたよ?
そして出口はと言うと、ダンジョンの入り口と同じような魔法陣が通路にぽつんとあるだけでしたが、その魔法陣は光っているので遠くからでもよく見えました。
その上にみんなで乗ると
《 何処へ移動しますか? 地上/2階 》
と出てきたので、地上に戻る事をみんなに確認を取ってから地上と念じると無事外に出ることができ、こうして第一回ダンジョンアタックは終了したのでした。