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スキル『砦』を使って快適ダンジョンライフ  作者: 日進月歩
第一章 その時地球が震えた
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在庫切れですか?いいえ、奥にまだありました


 沙織さんが着替えている間に残りの装備を分配することに。

 車の中での話の通り、フレイムソードと炎竜の革鎧は玲子さんが、大地の鉄槌と大地の大盾は京香さんがとなったのですが、ここでまた一つ問題が。


 大地の鉄槌は結構大きくて、力持ちと噂の京香さんでも両手じゃないと扱えない事が判明。


 そして大盾はその名の通り大きな盾で、もし私が構えたらすっぽり隠れられるほどの大きさ。

 これは大槌を片手で扱えないと両方を使うのは無理だろうという事で、大槌はそのまま京香さんが使う事に。

 大盾については防御なら私が、と自ら言ってきた葵さんが持つことになりました。


 これでダンジョン産アイテムを持っていないのは楓さんだけになってしまい、またもや落ち込んだ顔をしていたので


「これ、着る?」


 と隠者の外套を差し出してみたのですが、能力の事を言うと、それはわたしが着るべきと言われ、きっぱり断られました。

 これはますます今回何か出てくれないと楓さんに悪いなぁと思いつつ何気なく倉庫の武器欄を見ると


====================


 武器

  疾風の短剣


====================


 とあるではないですか!

 あれ、さっきまでは無かったよね?と思って出ろと念じてみると、刃渡り30cm全長40cm位の、ファンタジー物でよく見るような如何にもな短剣が鞘に入った状態で出てきた。

 それをみた楓さんは思いっきり、「私期待しています」と言った顔で短剣を指さしながら


「そ、それ……」

「あー、えっと、まだあったみたい。一度に表示できる数に制限があったのか、他のを取り出したら出てきたの。短剣だし、私は違うのあるから、楓さんこれ使う?」


 というと、さっきの沙織さんなんか目じゃないくらいに目をキラッキラさせて


「ぜひぜひ、是非私に使わせてーーー!」


 と勢いよく言ってきたので、楓さんに使ってもらう事にした。


 そうこうしていると沙織さんが着替え終わったのか更衣室から出てきたのだけれども、あのナイスバディにビキニアーマーは破壊力凄いね!

 日焼けしていない真っ白な肌に、透明感のある薄い水色のビキニアーマーは、何処のワルキューレですか!?と思えるような神々しさがありました。

 もうね、肌色がすごく多いのにえっちくないの!

 ほかの皆も見とれていたんだけど、その沈黙を勘違いしたのか


「あ、やっぱり私にはこういうの似合わない……よね……」


 と珍しく感情あらわに恥ずかしそうに言って来たのだけど、それがきっかけになってみんな正気に戻り


「いやいやいや、それ沙織お嬢様以外に似合う気がしないよ!」

「うんうん、何処の女神様かと思ったよ」

「あれだね、ワルキューレって感じだね!これなら戦闘もばっちりだよ、見た目だけは!」


 などと、約一名が最後にちょっと酷い事を言っていたりするけど、その部分以外には私も同意なので


「その鎧、そこまで似合うならもう沙織さん専用だね。それ以上に良い性能の鎧出るまでは、これからもその鎧で一緒にダンジョンに潜ろうね!」


 と、今後も目の保養をさせてもらうための伏線を引いておきました。

 すると、褒められたのが嬉しかったのか


「じゃ、頑張ってこの装備で知佳さんを護るね!」


 と言ってくれました。でも他のPTには見せたくないなぁ、その点は何か考えておこう。


「それにしても、盾持ってきたけど必要無かったねー」

「そうだね。まさかこんなすごいのが出てくると思わなかったし」

「わたしは、一応護る事メインって事で持って行こうかな。いざとなれば盾を捨てればいいし。でも短剣にこの盾はおっきいから、今度小さいの用意してもらわなきゃ」


 そう、実は護衛の皆さんはダンジョン内で使う用に、警察の機動隊なんかが使っている透明な盾が用意されていたんです。

 でも、京香さんは大槌で両手がふさがり、葵さんは大盾があり、楓さんいたっては短剣と、大きな盾を持つとその武器で攻撃するのは難しそうです。


 準備として、あとはランタンとカンテラがあったのでこれらについて詳細を見てみた所


====================


 ランタン

  魔石の魔力を用いて辺りを照らす


 カンテラ

  魔石の魔力を用いて前方を照らす


====================


 とあったので、皆さんに配る事にした。

 なんでも、事前情報でダンジョンの中は電気が使えないと聞いていたからね。

 それで今回はキャンプなどで使用するホワイトガソリンを用いるランタンを持って行こうという話になっていたのだけれど、これが使えるならこれが良いよね!


 一応魔石を入れ、光る事を確認してみんなで分ける事に。

 ダンジョン内での各自の位置を考えてそれぞれに配布しました。


 私は車椅子で真ん中なのでランタン担当、と思ったけど光魔法があるのを思い出したので他の人に回す事に。

 玲子さんはわたしの隣でカンテラ。

 沙織さんはわたしの前に出るそうですが、カンテラをリュックの肩紐に取り付け両手を使える様に。

 葵さんが一番先頭を行くそうなのでランタンを腰に、その横で先頭の戦闘をになう京香さんはカンテラを腰に。

 そして後ろを警戒してくれる楓さんがランタンとなりました。


 そうしてすべての準備が終わったのでいよいよダンジョンに突入です!


 と思ったらストップが!

 どうやらダンジョンの左右の壁に機械のような物があり、そこでダンジョンカードなる物が手に入るとの事で、どうせだからそれを先に手に入れてから入ろうという事になりました。

 そしてダンジョンの横側に行ってみると、横幅1.5mほどのちょっとしたへこみにATMっぽいものがあり、それが6つ並んでいました。


 前は気が付かなかったけど、こんなのあったかな?

 台の様な所に手を置くとカードを作れるとの事なので早速手を置いてみると。


《 ダンジョンカードを作成しますか Yes/No 》


 と頭に思い浮かんだので、Yesを選ぶイメージをするとカード排出口の様な所から手のひらサイズの金属板が出てきて、その板には


====================


  名前:近衛 知佳

  識別コード:JPN0000000001

  レベル:1

  カルマ値:+100


  ステータス

   HP:107/107

   MP:114/114


   筋力 :6

   知能 :14

   知恵 :13

   耐久力:207(+100)

   敏捷度:103(+100)

   器用度:15

   魅力 :16

   運  :15


  所持DP:0


====================


 と書かれていていました。これがあれば誰でも自分のステータスが分かるという事ですね!

 ちなみにキャッシュカードと違い縦向き表示のようで、まるでスマホみたい!と思った私は間違ってないと思うの。

 そして裏面を見ると


====================


  ダンジョン最高到達階数:0

  踏破ダンジョン数:1

   クリアダンジョン:

    日本第88ダンジョン


====================


 と表示されていました。

 これで何処のダンジョンをクリアしたのか、どこまで潜ったかも一目でわかるって事なのね。

 第88ダンジョンって書かれてるって事は、ここは日本の88番目のダンジョンって事?

 あと、到達階数ってダンジョンによって変わると思うけど複数のダンジョンに潜った時はこの表示はどうなるんだろう。

 まぁ、その辺はおいおいかな?


 そして、沙織さん達のエンブレムを見せてもらったのですが、何と他人の物は名前、識別コード、レベル、カルマ値までしか見えず、裏面は何も記載されていませんでした。

 おや?と思い、鑑定をしてみると全部表示されたので慌ててみるのをやめました。

 人の秘密、勝手に見ちゃダメ!絶対!!


 そして他にも何点か気になる事が。

 一つ目は識別コード、わたしのはJPN0~001なんだけど、沙織さんのはJPN0~090と数字が飛んでる。

 ほかの人に聞いてみると、91とか92とかみんなで連番になってるんだけど?


「私だけのけ者!?」


 と騒いでいると、もしかしたらダンジョンに入るかカードを作った順番なのでは?との意見が。

 そう言われてみるとそうなのかも?私、ダンジョンが出来た瞬間に入ってるしね!


 そしてもう一つ気になるのが、カルマ値が皆さん0なんですよね、わたしだけ+100って何だろう、初回クリアの報酬か何かでしょうか?

 まぁ、そのうち分かりますかね、今特別に何かあるわけでもなさそうなので、この辺の検証は後回しにしましょう。


 ついでにその機械?に鑑定をかけてみると


====================


 ダンジョンストア

  ダンジョンに潜る資格のある者に対し、ダンジョンカードの発行を行う

  発行されたダンジョンカードは、発行された国内でのみ有効

  また、各種商品のDPによる買取、および販売を行う


====================


 むむ、これは伝えた方が良いのかな?

 でもそうするとまたダンジョンに入るのが遅く……ぐぬぬ、ここは出て来てから伝える事に!


 というわけで今度こそ、今度こそダンジョンに入りましょー!


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短編を書いてみました


勘違いからの婚約破棄騒動


お暇でしたらこちらもよろしくお願いします
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