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スキル『砦』を使って快適ダンジョンライフ  作者: 日進月歩
第四章 ダンジョン発生から一月経過
222/232

一緒に食べますか?いいえ、食べません


 借りた会議室でお弁当を広げて、さあ食べようとなったのですが、何やら外が騒がしいです。

 何でしょね?


「ちょっと見てきますね」


 そう思っていたら薫さんが見てきてくれるとの事。


 薫さんがドアを半分ほど開けて外を確認した後、誰かと話していますね。

 その内容を聞いていると、相手はどうやらここの職人さんの内の何人からしく、一緒にお昼をと言ってきている様子。

 しかし薫さんはそれを丁重に拒否しているのですが、なかなか向こうも引かないみたいです。

 まぁ、皆さん美人さんですから一緒にお昼を食べたいという気持ちもわからないでもないですけどね。

 けれど、私的には知らない男性と一緒のお昼は落ち着かないので、薫さんには是非とも頑張ってもらいたいですね。


 少しして薫さんが戻ってきたのですが、少し疲れた様子。

 話を聞いてみると、どうやらお昼のお誘いだけで済まずにナンパもされたようです。


「薫さん美人さんだから仕方ないね」

「いえ、私だけではないのですが……」


 そう言って皆を見回していますが、どうやらほかの皆さんも対象だった様子。

 なんでも、お昼を一緒にどうかと言われ、断ると今度は仕事終わった後に飲みにでもと誘われたのだとか。

 もっとも、薫さんはそのつもりは全くなく即断ったそうですが、それならほかの人達はとなかなか引き下がらなかった様子。


「まぁ、ここに詰めてるなら女っ気はほとんどないみたいだし、突然6人も来たから浮かれちゃったのかもね」


 とは玲子さん。

 でもね、6人ていうと私も入るんですけど?

 沙織さんはともかく、さすがに私は無いでしょ。

 そう思っていたのですが


「知佳さんも佐竹さんといい感じでお話していましたし、自分の仕事に対して理解ある子って事で興味持たれたみたいですよ?」

「うひ、それは勘弁してほしいなぁ。あくまでもさっきの作業がちょうど興味があるからお話してただけだし」

「まぁ、佐竹さんから見れば自分の孫くらいの年だからねぇ」

「その佐竹さんと仲良くなれるなら、自分も女の子と……って勘違いするのが出ても仕方ないね」


 私としては、私が目的ではなく私の後ろに常に張り付いている沙織さん目的なんじゃと思うのだけど?

 でも、下手な事を言って藪蛇になっても仕方ないので、言わないでおきましょうね。


 そんなちょっとした問題もありましたが、その後は特に問題なく和気あいあいとお昼も食べ終わりました。

 そしてこの後どうするかという話になったのですが、先ほど佐竹さんが新しく作っていた鉄が気になるので、それがもうすぐ出来上がるなら見てみたいと言う事になりました。

 そして会議室から出て佐竹さんを探そうとしたのですが……


「皆さん、先ほどはうちの作業員たちが申し訳ない事をしました」


 と奥鳥羽さんから謝罪が。

 どうやら玲子さんの言っていた通り、私たちが来てそれぞれの作業に興味を持ったことによって何人かの方が浮かれてしまったとの事。

 その人たちには奥鳥羽さんが厳重注意をしたので、今回は見逃してあげてほしいと言われました。


「まぁ、普段女っ気がない所で作業をしていて、急に私たちが来て浮かれてしまったんでしょう。ですが、今後はこういう事が無いようしっかり言いつけてくださいね」


 と薫さんが言い、奥鳥羽さんから再度謝罪を受けて問題は終了となりました。

 その後、佐竹さんの所へ行くとすでに新しい鉄の板が出来ていました。


「おう嬢ちゃん、ちょうどいい感じに冷めた所だ。これ削ってみてくれ」


 そう言われたので、やすりを借りてガリガリと端の方を削ってみると、きちんと削れました。

 鑑定の結果もちゃんと魔力があると出てきます。


「うん、ちゃんと魔力があるね」

「なるほどなぁ、こうやれば魔力有りの鉄が出来るのか」


 そしてその後、実際に佐竹さんに小刀を打ってもらったのですが、火で炙って叩く時に魔力が抜け、焼き入れの時に水に入れて冷やす時にも魔力が抜け。

 結果として出来た物にはほとんど魔力が残っていませんでした。


「こりゃ、どうやれば魔力を残したままに出来るのかさっぱりだな」

「とりあえず、叩いて伸ばしてをしないでそのまま削るのは?」

「それはそれで鉄としての質がなあ」

「知佳ちゃん、焼き入れの水はウォーターで出したのを使ったらどうなの?」

「それだ!」


 という訳で、焼き入れの水にはウォーターで出した水を使う事に。

 また、叩いて伸ばしてとやる時に、何やら灰のような物をかけていたのでね、その時に魔石を細かく砕いた粉も一緒にかけてもらう事にしましょう。


 そうしてもう一度作ってもらったのですが、見事魔力が残ったままの小刀が出来ました!

 あとは焼き入れ時の冷却で魔力が抜けなければ万事オッケーです。


 結果としてウォーターの水で冷やすと見事魔力が残った物が出来ました。

 焼き戻しはね、時間がかかるらしいのでやってないのですが、たぶん大丈夫でしょう。


「あとはあれだな、魔石の粉の配合やらなにやら色々試さなきゃだけど、これで一歩前進だな」

「でもさ、これ魔力が残ってるかどうかって、どうやって判断するの?」

「それなんだよなぁ。お嬢ちゃんにいちいち判断してもらう訳にもいかねえしなぁ」


 と言って再び悩みだしました。

 確かに一番の問題はそこなんですよね。

 現状だと作ってる最中はもちろん、出来上がっても全然わからないんですよ。

 武器鑑定スキル辺りがあれば判断つくのかな?


 まぁ、しばらくの間はいろいろ試してもらって、その結果出来た物をお爺ちゃん経由辺りで持ってきてもらえば、私が鑑定してみると言う事で話が付きました。

 鑑定をするという方法以外で良い判断材料があると良いんですけど、こればかりはね。


 まぁ、帰ってからお爺ちゃんと相談かなぁ。

 最悪の場合、最低限のスキルを取れるくらいのDPを渡せば何とかなるよね?

 それで上手く行けば他のPTの人達のダンジョン攻略も早くなるだろうしね。


 そんな感じで、今回の簡易工房訪問は終了。

 私としては色々と教えてもらえて得るものがあったし、工房の人達も色々得るものがあったとの事で、WinWinの結果となりました。

 そして今後もよければ気軽に顔を出してほしいと言われたのでね、暇があれば来ようかと思います。


この作品の半分は皆様の優しさで出来ています。


ですので、もしほんの少しでも


面白かった!

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と思ってくださる優しい方がいらっしゃいましたら、是非ブックマークや評価のほどをお願いします。


また、皆様からのご意見ご感想、忌憚ない意見もお待ちしています。


これらはこのお話を作る原動力になっています。


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― 新着の感想 ―
[一言] 化学反応みたいに魔力が含まれる物質は特定条件下で特有の反応しだすとか判明すれば鑑定なくても大まかな判断材料にはなりそう?
[一言] 魔力がどれくらい性能に影響があるか今まで作った普通のと一緒に研究所送りにして色々試さなきゃ。
感想一覧
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