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スキル『砦』を使って快適ダンジョンライフ  作者: 日進月歩
第四章 ダンジョン発生から一月経過
221/232

それは石ですか?いいえ、魔石です


 ファイアを使って坩堝の中の鉄鉱石を溶かしたのですが


「おいおい、こんなに早く溶けるっていったいどれだけの火力を出してるんだ?」

「いや、火力自体は普通じゃないですか?」

「輻射熱からいって、確かにそれなりには高温だがこんなに早く溶けるほど高温って感じでもないな」


 などと何名かの方が言っていますが、溶かすことに集中です!


「よーし、そろそろいいだろう。ここの中にいれるぞ」


 そう言って、坩堝を挟んで持つ特殊な道具で持ち上げ、型のような物に溶けた鉄を流し込んでいました。

 なんでも、型に流し込んで大まかな素材の形にしておくんだそうです。

 それによって余計な加工をしなくても良い様にするのだとか。


 そして出来上がったものはというと、先ほど渡されたような5cmx15cmx5mmほどの鉄の板が5枚出来ました。

 なるほど、先ほどの板はこうやって作ったのですね!


 佐竹さんはその内の1枚を取り、硬度を調べるためのやすりで削ったようですが


「んー、普通の鉄と大して変わらんな」


 との事。そしてこれをやすりで削ってみてほしいと言われたので削ってみると、ガリガリ削れて行きます!


「おいおい、どういう事だ?」

「魔力があるって事ですかね?」


 と言う事で鑑定をしてみると、どうやら魔力があるようなので、そう伝えた所


「違いは、お嬢ちゃんのスキルか?それとも魔法の火を使った事か?」

「どっちも?ポーションを作るときは魔法の水を使うと上手く行くから、鉄を溶かすなら魔法の火が良いかなって」


 そしてポーション作成時に薬草をちぎったりすると魔力が抜けるので、鉄鉱石から鉄にする時もうまくやらないと魔力が抜けるのでは?という説明をしました。


「そうすると魔法の火を使えないと魔力のこもったものは作れないって事か?」

「くっ、せっかくダンジョンの近くではダンジョン産の素材の加工が楽になったのに、魔力が抜けるんじゃ……」

「いやまて、そう言えばさっきの板を作ったのって」

「素材開発部で作ったものですね。ただ、作成場所はダンジョンの近くではなく、普通の町工場です」

「それじゃ、ここでやればお嬢ちゃんじゃなくても出来るかもしれないって事か?」

「どれ、それじゃ俺がやってみる」


 そう言って新たに鉄鉱石を取り出し、それを坩堝るつぼに入れようとしているのですが……


「それ、岩付いたままだけどいいの?」

「あぁ、精製からやらないとか……」

「岩、取り除こうか?」

「お、頼めるかい?」


 そして渡された鉄鉱石を叩いて岩を取り除くと


「あー。やっぱりそれ便利だなぁ。何とか錬金術のスキル手に入らねーかな。まあ、無いものは仕方ないか」


 そして私から受け取った鉄鉱石を坩堝に入れそこに木炭を入れると炉の中に入れて溶かし始めました。

 ただ、作業を見ているとこれじゃダメだと極意先生が言っている気が……


 なんかね、これじゃ何かが足りないと感じます。

 そして作業を少し見ていたのですが、入れる鉄は良いのですが、木炭がね、魔力がないのでダメっぽいです。

 そしてさっき私がやった時上手く行ったのは、ファイアで魔力をガンガン込めていたから行けたんだと、この作業を見ていて気が付きました。

 これ、ファイアを使えばこの材料でも出来るけど、そうじゃないなら魔力のある木炭を使わないとダメじゃないかな?


 そう思って見ていると、沙織さんから


「知佳さん、何か考えが?」

「んと、たぶんあれじゃ魔力の抜けた鉄になるかなって」

「なんだと、この段階で判るのか?」


 沙織さんの問いに答えると、その話が佐竹さんにも聞こえたようです。


「その木炭、普通の木炭ですよね?」

「普通の?これは最高級の木炭なんだが。でもさっきお嬢ちゃんが使ったのと同じだぞ?」

「あぁ、えっと……その木炭、魔力が入っていないから」


 そして鉄鉱石は魔力があるからいいけど、木炭に魔力がなくそれを溶かす炎にも魔力がないので、結果として魔力が抜けちゃってるんじゃないかと伝えました。


「なるほどなぁ。でも魔力のある木炭なんてあるのか?」


 そう聞かれたのですが、考えてみれば今までそういうのは見たことが無いですね。

 もしかしたらダンジョン内に生えている木を使って木炭を作れば、魔力ありの木炭になるのかな?

 でも今は無いのでね、なにか別の物で魔力を追加すればいいんじゃないかな?


 そうして考えていると、ふと思いついた事が。

 魔石ってたしか魔力の塊ですよね?

 それじゃ魔石を入れるのは……そのままじゃダメと。

 それじゃ魔石を砕いて入れるなら、いけそう?いけそうね。


 というわけで、すり鉢と魔石をとりだし、魔石を砕きます。

 この時、完全な粉にしなくてもある程度砕けばいい感じになりそうなので、適当に砕きます。


「これも入れてみて」

「これって、石を砕いた粉じゃないのか?」

「いまのは石じゃなくて魔石なの」

「魔石……今のがか」


 そういって佐竹さんはその砕いた魔石をじっと見ていました。


「これで魔力の補充をすれば、たぶん行けるんじゃないかと思うの」

「なるほど、足りない魔力を他で補うのか」


 そう言うと、炉の蓋を開けて魔石の粉を入れてもらったところ、極意先生曰く「まあ、なんとかなるんじゃない?」との事。


「お嬢ちゃんと違ってスキル無いんでな、溶けるまでに結構時間がかかる。その間に他を見ていたらどうだ?」


 と言われたので、他の作業も見せてもらう事にしましょうかね。

 しかし、玲子さんからそろそろお昼だと言われ、ちょっとびっくり。


「え?もうそんな時間?」

「知佳ちゃん、結構集中してたからね。でももうそんな時間よ?」


 という訳でお昼ですが、お弁当を持ってきているのでどこかお部屋を借りて食べるか、近衛の家に行って食べるかなのですが……


「お昼ですか?それでしたら会議室をお貸ししますのでそちらでどうぞ」


 と奥鳥羽さんが言ってくれたのでね、お言葉に甘えて会議室で食べましょう。



この作品の半分は皆様の優しさで出来ています。


ですので、もしほんの少しでも


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と思ってくださる優しい方がいらっしゃいましたら、是非ブックマークや評価のほどをお願いします。


また、皆様からのご意見ご感想、忌憚ない意見もお待ちしています。


これらはこのお話を作る原動力になっています。


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― 新着の感想 ―
[一言] 職人衆ちゃっちゃか攻略進めてフィールドエリアに工房建てるべきだよなぁ
[一言] 魔石、融けるんですね。魔力量と温度、魔石の量を計測して一番いい割合を……先は長そう。
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