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スキル『砦』を使って快適ダンジョンライフ  作者: 日進月歩
第四章 ダンジョン発生から一月経過
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揺れますか?いいえ、揺れません


 さて、41階層ですが見渡す限りの荒野なのでね、とりあえず敵の姿も見えないしお昼を食べてから探索です!


 もっとも、探索と言っても一直線に出口に向かうだけですが、地図を描かなければならないのでね、周りを見つつ目印になるものを書き込んでいきます。

 山を目印にしようかとも思ったのですが、出口への目印にはならないようなのでね、目立つ木や岩、丘なんかを目印として書き込んでいきましょう。


「マウンテンバイクでもきつい所あるねぇ」

「結局は自転車ですからね」

「ん、塀だそうか?」

「あー、ここなら塀から落ちても大して問題ないし、その方が楽なのかな?」

「それよりも知佳さんはこの凸凹、問題ないのですか?」


 そこなんですよね。さすがに浮いているせいなのか、はたまた別の理由なのか、地面はそこそこ凸凹しているのに私は全く揺れません!

 そう伝えると


「確実に浮いてる。しかも車椅子は上下していないから地面は関係なし」

「へぇ~、やっぱり一人一台欲しいね」

「初回クリア報酬でもしかしたら貰えるかもよ?」

「いやー、初回報酬ならスキルとかそっちをもらうかな?」


 やっぱりこの車椅子、すごく便利ですよね。

 将来的に足が治ったとしても、少なくともダンジョンではもう手放せませんよ!


 そしてここで出てくる敵なのですが……


「あ、またゴブリン」

「こいつらだけはどこででも出て来るね!」


 そう、ゴブリンやホブゴブリン、コボルトだけはどの階層でも出てくるんですよね。

 人型だからかな?とも思ったのですが、今の所リザードマンは出てきていないので、それも違いそうなんですよね。


「ゴブリンはもう飽きたよ」

「ですねぇ。そろそろ新しい敵は出てこないでしょうか」

「それ、フラグだからね?」


 そう言っていると、何やら向こうから駆け寄ってくるものが見えてきたのですが、なんでしょうね?


「あれ、ウルフかな?」

「ウルフっぽいけど、なんか違うくない?」


 こんな時の鑑定!


「ウルフでした!」

「んー、そうすると周りに合わせて体毛の色が変わった?」

「ですかね?」


 ほうほう、そんなこともあるんですね!

 でも狼ならさんざん今まで倒してきたのですが、ここは新たな一手を!


「みんな集まって!」

「どうしたの知佳ちゃん。早く対応しないと近づかれちゃうよ?」

「何か考えがあるんでしょう、とりあえず集まりましょう」


 そうしてみんなが私の周りに集まったので、皆が入るように直径4mの大きさで高さ3mの塀という名の円柱を作ります!


「うわ、急に高く!」

「なるほど、これならウルフの攻撃は届きませんね」


 そう、皆をね高さ3mの塀の上にあげちゃったのです!

 これで遠距離攻撃手段のない狼の攻撃は食らう事がないので、上から弓なり魔法なりで攻撃すれば安全快適に倒せちゃうのです!


「これ、今までも使えたかもね」

「空を飛んだり魔法を使う敵には使えませんが、地上の敵にはもってこいですね」

「これは、さすがにずるいのでは?」

「ずるくないずるくない。とりあえず倒しちゃおう」


 ということで、あとは皆さん塀の端までいって、すでに下まで来ている狼に対して魔法を撃ちこみ難なく撃破です。


「これは、確かに便利だけど技量が全く上がらないね」

「ただの的撃ちに成り下がっていますしね」

「知佳ちゃん、とりあえずこの戦法は封印しよう」

「えー」

「確かにこれに馴れちゃうと、この戦法を使えない敵が出た時に困りますし、戦闘勘も狂いそうです」


 との事。

 いい手だと思ったんだけどなぁ。


「まぁ、いざという時はこの手も使えるというのは判ったので、そう言う時が来たらお願いしますね」

「しっかし、知佳ちゃんもいろいろ思いつくね。おねーさん感心しちゃうよ」

「ですねぇ。これ、もしかしたら今頃地球の意思さんもびっくりしてるんじゃないですか?」

「かもしれないね」


 などと言った会話をしつつ、狼がドロップになるのを待っていました。

 まぁ、言われてみればたしかにこれに慣れるとまずいかな?という気もしないでもないですね。

 戦う技術を磨くのも必要だし、言われた通り封印しましょうかね。


 その後、鶏なども出てきてそれなりに戦闘をこなしていたのですが……


「新しい敵出ないね」

「フラグ建てといたのにねぇ」

「まぁ、出ないときは出ないでしょう」


 そう話していると、またもやウルフが4匹ほどこちらに走ってきます。


「今度は普通に戦うからね!」


 そして葵さんが少し前に出てアトラクトをかけたのですが……

 ウルフが突然炎の塊を飛ばしてきました!


「うわっ、なに!?」

「知佳ちゃん鑑定、あいつウルフじゃない!」


 確かに言われてみれば色が違います。

 なので鑑定を……


「シルバーフォックスで火魔法を使うって!」

「くっ、ウルフと見せかけて似た様な敵って、葵大丈夫?」


 葵さんはさすがと言いますか、突然飛んできた炎の塊を盾で受けて止めようと構えた状態で、大丈夫との返事がきました。

 ちなみにその炎の塊は葵さんに届く前に結界ではじけてました。


「見た感じファイヤーボールでしょうか?」

「狐って炎を使うんだね!」

「モンスターだからでしょ、普通は使わないよ!」


 そう言いつつ、一番右端の狐を狙って


「あ・た・れっ」


 どうやら防御はそれほど高くない様で、見事頭を射抜きました。

 ほかの人達もこれ以上近づかれる前に魔法を撃ちこみ、見事当てています。

 とくに薫さんのロックストームが3匹をその範疇に収め、それなりのダメージを与えた模様。


「沙織さんと楓は左を、薫は葵のサポート!私は知佳ちゃんと右をやるから」


 その後は敵も魔法を撃ってきたり飛びかかってきたりしましたが、皆さん難なくこれを撃破。


「いやあ、最初はびっくりしたけど、魔法さえなければウルフよりも弱いかもしれないね」

「魔法を使う分、身体能力は低めといった感じですね」


 そして待望のドロップは、魔石の他に綺麗な銀色の毛皮、あとはファイヤーボールのマジックスクロール(残回数4)が一つ出ました。


「おぉ、ファイヤーボールのマジックスクロールだ」

「まぁ、ここまで来れる人たちなら稼いだDPでマジックスクロール位なら買えそうだけどね」

「それでも、装備を購入したりして余裕がない人もいるでしょうし、ここで出るのは美味しいですね」

「もっとレベルの低い人たちに売ることもできますし、この階層はいろいろと稼げそうですね」

「この毛皮、肌触りがすごく良いよー」


 そう、銀色に輝く毛皮なんですけど、めちゃくちゃ肌触りが良いのです!

 これで敷物や枕カバーを作ったら気持ちよさそうですね。


「あー、知佳ちゃんが毛皮をモフモフしてる」


 ちょっとそのふわふわ感にトリップしていたのですが、突然ミミちゃんがこれでもかと顔を舐めてきました。


「あはは、ミミちゃんくすぐったいよ。大丈夫、ミミちゃんの方が気持ちいいから!」


 そう言って焼きもちを焼いたミミちゃんをいっぱいモフってあげました。

 その後はね、遠目でもちゃんと狼と狐も見分を付ける事が出来、特に問題なく出口に到着です。


この作品の半分は皆様の優しさで出来ています。


ですので、もしほんの少しでも


面白かった!

続きが気になる!

更新まってる!

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と思ってくださる優しい方がいらっしゃいましたら、是非ブックマークや評価のほどをお願いします。


また、皆様からのご意見ご感想、忌憚ない意見もお待ちしています。


これらはこのお話を作る原動力になっています。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 車椅子、足が治ったあとでも街中で乗り回せるような乗り物に改造できると良いですねー(・∀・)
[一言] シルバーフォックス、高そう……でも食べられないから乱獲はされない模様。 コート作れるくらいは狩るのかな? 耐火性能とかついてないだろうか?
[良い点] シルバーフォックスの毛皮を使った衣服やアクセサリーを身に着けて社交界的なパーティーに参加したら滅茶苦茶絡まれそうですねw
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