表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキル『砦』を使って快適ダンジョンライフ  作者: 日進月歩
第四章 ダンジョン発生から一月経過
210/232

刺さりましたか?いいえ、先っぽだけでした


 さて、お昼も食べたし37階層がんばりましょー。


 36階層と比べると、沼地の面積が広がっているようですが、塀の上を移動する私たちには問題は無いのでね、サクサク移動しましょう!

 出てきた敵と戦いつつ、たまに採取をしつつ進むと、前方に地面に這いつくばる緑色の物体が見えます!


「あれって、ワニ?」

「ワニっぽいね」


 やはりワニのもよう。

 そのワニはというと、見た感じ体長2m位はあるのかな?


「問題は、クロコダイルかアリゲーターかですが……」

「それって、どう違うの?」

「簡単に言うと、歩くときにお腹を地面につけたままか持ち上げるかですね」


 それって……太ったらどっちもお腹ついちゃうんじゃ?

 そんな事を思いつつ、弓の準備を……

 あ、鑑定結果はね、アリゲーターで毒等特殊能力は無しでした。

 そして当のアリゲーターはというと、たしかにお腹を付けて這いずってきますね。


「あ・た・れっ」


 地面を這っている相手ならね、私の位置からでも見下ろす感じなので眉間を狙ってみましたが、見事刺さりました!

 ……刺さったのですが、どうやら先っぽだけの模様。


「ぬーん……」

「あまり深く刺さらなかったね」

「額は硬いと言う事でしょうか?」

「知佳さんであれなら、私たちの攻撃通るのでしょうか……」


 防御無視の貫通攻撃スキルが乗った弓の攻撃が、額に刺さるだけってよっぽど硬いのかな?

 ダメージもあまり入っていない様子。


やじりの形状の問題かもしれませんね」

「そろそろ私たちのレベルが低いのかもしれませんね」

「あー。知佳ちゃんの弓、普通の弓だしね」

「むしろ今までがおかしかったかと」

「どうしましょうか……」


 きちんと刺さったのに先っぽだけで止められるとは思いませんでした。

 でも、多少は痛いのかちょっと暴れ気味ですね。

 そう思っていると、沙織さんが


「私がやってみます!」


 と言って飛び出して行きました。

 ちょ、危なくない?と思っていると、葵さんもサポートに向かってくれました。

 そしてワニの前方1mほどの所までいき、そこでアトラクトでワニの注意を引いてくれたのですが……


「あぶないっ!」


 ワニが葵さんに突進したかと思うと、手前で急に方向転換し、尻尾を叩きつけるような攻撃が!

 葵さんはその尻尾を見事盾で防いだのですが、そのまま横に吹っ飛ばされました。

 どうやら盾で防いだのは尻尾の根元の方だったらしく、先端の方が盾を巻き込むように裏側に入ってきて、それにやられたようです。


「葵さんっ!」


 しかし、しっぽを振り切ったワニのその姿を隙と取ったのか、沙織さんがジャンプし、ワニの鼻面めがけて槍を突き刺し、口を見事地面に縫い付けることに成功しました!


「薫さんは葵さんを、知佳ちゃんはあいつの横っ腹を狙って!」


 玲子さんから指示が出たので、葵さんは薫さんに任せて私はワニを倒すことに専念しましょう!

 ちょうど横向きになっているので、その横っ腹めがけて


「あ・た・れっ」


 矢は狙ったところに見事命中!

 しかし、横っ腹は柔いのか矢が貫通して地面にまでめり込んでしまいました。

 ダメージはあるようですが、倒すまではいきません。


 と、そこで玲子さんもワニに突っ込んでいき、下から掬うように喉を狙って剣を一閃。

 見事ワニの喉を半分ほど切り裂き、頭が取れかかった状態です!


「やった?」

「何とか倒せた……かな?」


 首が半分もげたワニは、体をぴくぴくさせていますが、どうやら死んだ模様。

 なので、私は葵さんを見に行くことに。

 どうやら無事のようで、すでに上半身を起こしています。


「葵さん、大丈夫?」

「ん、大丈夫。ちょっと油断した」

「ダメージは?ヒールかける?」

「いや、衝撃でびっくりはしたけど、ダメージらしいダメージは来てない……かな?」


 そう言って体を動かして確認しています。

 どうやら鎧で体へのダメージは止められた様子。


「いやぁ、防具を新調していて良かった。前の防具だったら骨が折れてたかもしれないよ」


 吹き飛ばされた時はすごくびっくりしましたけど、どうやら本当に問題ない様子。


「ここまでダメージ……は受けてないか。でもまともに攻撃らしい攻撃を受けたのは初めてだね」

「ですね。さすがに今までの敵が弱くて油断していました」

「あの攻撃は、初見は仕方ないと思うよ」


 その後いろいろ話し合った結果、やはり競技用の鏃では硬い敵には不利だと言う事で、いろんな鏃を作ってもらおうと言う事になりました。

 また、今後は出てきた敵によっては安易に近寄らないようにしようとも。


「それにしても、急に敵強くなった?」

「いや、強さ自体はそれほどでもないかな?」

「ですね、知佳さんの攻撃が止められたのも、硬い皮と頭蓋骨があったからだと思います。ほかの場所なら通ったと思いますよ?」


 ぬーん。狙った場所が悪かったのか。

 たしかに頭蓋骨は結構硬いんだっけ?

 次出た時は違うところを狙って見ましょうかね。


 その後、ドロップが出た後に、次にワニが出たらどう対処するかを話し合う事に。

 あ、ドロップはね、魔石と鰐皮わにがわ、ワニのお肉でした。


「ワニのお肉って、食べられるの?」

「日本ではあまり食べることは無いですけど、海外ですと食べる国はありますね」

「意外とヘルシーで美味しいらしいよ?」

「豚肉と鳥肉の中間の味と食感と聞きますね」

「へー、ちょっと期待かな?」


 そんな雑談を交わしつつ、ちょっとした休憩を取ってから先へ進むことに。


 その後数回戦闘を行った後、再びアリゲーターが!

 先ほどのリベンジをしなければなりませんよこれは。


「やらせてっ!」

「まぁ、まだ距離があるからいいけど、何か策があるの?」

「うん、狙ってみる」


 そして狙いはというと、歩くときに頭を左右に振っているのでね、首と左肩の間を狙って


「あ・た・れっ」


 そして狙い通り見事命中!

 矢は肩から入っていき、どうやら心臓を貫いた様でそのままワニは動かなくなりました!


「おー、知佳ちゃんすごい、一撃だね」

「なるほど、首の付け根なら確かに皮膚も柔そうですね」

「えへへ、さっき見ててね、首振ってたから狙えるかなって」

「遠ければ知佳ちゃんが一撃で倒せるって判ったのは収穫だね」


 その後も、出口へ向かうまでの間にもう一度ワニがでました。

 今回はね、先ほどの話し合いを試すために私は見学に回ります。


「今度は見てるね」

「任せて!」


 どうするかというと、またもや葵さんがワニの手前1mほどの所へ行きアトラクトで注意を引きます。

 そして敵の動きに注意し、しっぽを振ってきたときはジャンプで躱す。

 突進してきたときは盾で受け止めるといった、正当な方法でやろうという作戦です。


 だったのですが……


「うわっ、こんな動きもするんだ」


 それがどんな動きかというと、突進を盾で受け止めた葵さんが、その頭をメイスで殴ろうとしたとき、何とワニが横回転でゴロゴロと転がって逃げたのです!


「あー、そう言えば昔動画でそういう動きするの、見た気がするわ」

「噛みつかれてあれやられたら痛そう……」

「そう言えばあんな動きもするんでしたね。確かデスロールと言いましたっけ?」

「んー、これは突進してきたときは葵に頑張ってもらうしかないけど、近づかれる前に魔法で倒すのが正解、かな?」


 と言う事で、今回はワニが自分から離れてくれたので魔法で倒すことに。

 魔法を使うとね、結構簡単に倒せました。

 まぁ、わざわざ接近させる必要はないですしね。

 今回葵さんに直接戦ってもらったのは、さっきのリベンジマッチ的な意味もあったのですが、ワニの新しい動きも見れたので良しとしましょう。


 そんな感じで37階層の出口へ無事到着です。



この作品の半分は皆様の優しさで出来ています。


ですので、もしほんの少しでも


面白かった!

続きが気になる!

更新まってる!

応援してあげる!


と思ってくださる優しい方がいらっしゃいましたら、是非ブックマークや評価のほどをお願いします。


また、皆様からのご意見ご感想、忌憚ない意見もお待ちしています。


これらはこのお話を作る原動力になっています。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 鰐の倒し方を見て、ジエン・モーランを思い浮かべたのは私だけでは無いはず(ΦωΦ)フフフ… 左右に揺れる体の隙間からぶいはかいをねらうところなんて最早懐かしいのですね!特にデスロールとか横に…
[気になる点] そういえば死亡確認に鑑定でHP見ないですよね
[一言] 近所の肉屋でワニ肉売ってる。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ