遅いですか?いいえ、遅くありません
いつも誤字報告有難うございます
その後も、トレントは見つけ次第私が弓で倒し、その分他の敵をみんなが倒すといった感じで進み、無事33階の出口へ到着。
34階へと移動です。
34階はもう密林と言っていいほど森が濃くなってきていますが、塀を出せるだけのスペースはあるのでね、相変わらず車椅子で移動です。
ただ、ミミちゃんがね。
木々が多くてお散歩できないので、ちょっと不貞腐れ気味です。
そうして進んでいくのですが、今度の新しい敵はどうやら猿のようです。
なぜわかったのかというと、索敵に引っかかったほうを見ると枝から片手でぶら下がっていたのです。
「あいつ、隠れるって事を知らないのかしら?」
「知らないんじゃないでしょうか?こっち指さしてキッキ言ってますし」
そう、もう片方の手でこちらを指さして騒いでるんですよね。
まぁ、良い的なのでお腹を狙って弓で射ることに。
「あ・た・れっ」
見事お腹に命中。
お猿さんはというと、さすがにぶら下がっていられなくなり、手を放して下に落ちました。
そこへ玲子さんと沙織さんが駆け寄りめった刺しに……
「こいつ、何がしたかったんだろう?」
「まさかいきなりやられるとは思ってなかったのでは?」
そう、出てきてこちらを指さしただけで倒されたお猿さん。
本当に何がしたかったんでしょうね?
鑑定の結果はスロウモンキーと出ました。
「スロウモンキー?行動が遅いから?」
「それならスローなので、何かを投げるのでは?」
「でも、投げつけるようなもの何も持ってなかったよね?」
そう、空いている手はこちらを指さしていましたし、他に何かを持っているわけでもなかったのですが……なぜスロウなのでしょうか?
ドロップは、魔石と瓢箪でしょうか?液体の入った植物性の入れ物が出ました。
あ、これやっぱり瓢箪のようですね。
ただ、大半の日本人が想像する真ん中がえぐれた感じのものではなく、涙滴型のこぶが一つしかないタイプです。
「これ、中身なんだろう?」
「猿ですから、猿酒とかですかね?」
と言う事で鑑定。
どうやら葵さんの言う通り中身は猿酒の模様。
そして容量はというと、玲子さん曰くワイン1本分くらいかな?との事。
「これ1つじゃ足りないねぇ。積極的に探す?」
「追加が欲しくもありますが、積極的に探すかというと……」
と言う事で、出てきたのは倒すけれど、積極的に探すのは無しという方向に。
とはいえ、その後何度か出てくるのですが……
次に出てきた猿は枝の上に座っていたのですが、こちらを見つけるといきなり投球モーションを……
そして何かを投げたようなのですが、なにも飛んできません。
「今、何か投げたよね?」
「投げたと思うのですが、何も飛んで来てませんよね?」
一体何なんでしょうね?
もう一度鑑定をすると、何やら飛んできたのが分かりました。
あ、空気の塊……魔力の塊でしょうか?を投げるんですか。
その事を伝えると
「魔法のエアボールとかそんな感じなのかな?」
「どうでしょう?こちらに何も影響がないと言う事は、知佳さんの結界で阻まれてるって事なんでしょうかね?」
言われてみると、結界に何かが当たっている気もしますが……
「とりあえず私が受けてみますね」
との事で、葵さんが結界の範囲から出て盾で受けてみることに。
「ん、確かに飛んで来てますが、それほど強くもないですね」
どうやら威力としてはそれほど強くないようです。
ですが、見えないものが飛んでくるというのは結構な脅威かもしれませんね。
まぁ、私達には関係ないですけど。
というわけで、他の人が魔法で攻撃した結果、問題なく倒せたのでサクサク進むことに。
その後は特段問題らしい問題もなく、34階の出口へ到着。
到着した時点でお昼を少し過ぎた時間だったのでね、ここでお昼を取ることに。
今日のお弁当は何でしょうね?
どうやらハンバーガーのようです!
しかもこのハンバーガー、お肉の厚みが1cmほどもあり、パンも香ばしい匂いがすごくてとても美味しいそうです。
食べてみると……肉汁がジュワってお口の中に広がって、今まで食べたことのない美味しさが!
「え?何このお肉、肉汁凄くない?」
「味も今まで食べたどんなハンバーガーよりも濃厚ですね」
「これ、もしかしてダンジョン産の豚肉と牛肉の合いびき肉で作ってる?」
なるほど、この間持って帰った牛肉と、以前持ち帰った豚肉を使ってハンバーグを作り、それを使って作ったハンバーガーなのですね!
パンもどうやら自家製のようで、お肉に合わせて味が濃い目の物を作ってくれたようです。
もうね、皆さん黙々と食べています。
私も肉汁がお口の端から零れ落ちそうになるのを頑張って受け止めつつ食べたのですが、手や口の周りがべたべたに……
それを見た沙織さんが私の口の周りをナプキンで拭いてくれたのですが……
「沙織さんは口の周り汚れてないね?」
「このサイズのハンバーガーは食べなれていますから」
なるほど、素材が違うだけで同じものは過去にも作ってもらったことがあるのですね。
そして食べ方にコツがある……と。
まぁ、作る人が同じなら形も同じになりますよね。
そしてミミちゃんもこのお肉には大変満足したようで、さっきまでの不機嫌さはどこかに行っちゃったようです。
その後お茶を飲みつつ少し休憩をし、35階層へ。
35階層はというと、またまた密林なのですが、湿度がさらに上がっているのだとか。
そして地面が少しぬかるんできている様子。
「これ、もしかしたら湿地帯が来るかもね」
「沼地とか……ですか?」
「ここまで平原、森林、密林と来ているから、続くのは岩山か湿地のどっちかかなと思っていたんだけど……」
なるほど、地面が湿ってきているので湿地の可能性が高いと言う事ですか。
しかーし!塀を出してその上を移動する私達には問題無しですね!
というわけで、相も変わらず塀の上を移動していく事に。
ここで出る敵はね、地面を歩いて来る敵は足音が大きくなったため発見速度が上昇。
特にゴブリンなんかは、バシャバシャと音を立ててくるので索敵に引っかかる前から分かります。
その他もおおむね判りやすいのですが、蛇と蜘蛛に関してはさすがに判りにくいですね。
なので音にばかり気を取られず、きちんと周囲警戒をしながら進みます。
そんな中、何かがこちらに駆け寄ってくるような音が。
どうやら音からして四足歩行で駆け寄ってきているようですが、そこに現れたのは……
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