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スキル『砦』を使って快適ダンジョンライフ  作者: 日進月歩
第一章 その時地球が震えた
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いじめですか?いいえ、ツンデレです


 結局最初に持って来てもらったのはバストやウェストのサイズに合わせた物だったらしく、他にヒップサイズを基準にしたものもあった様で……


「ぐぬぬ、最初からこっちを持って来てくれていれば」

「うふふ、ごめんなさい。一番上にあったのが最初のやつだったので。でも、色々判って良かったわ」

「私は分かりたくなかったよ……」


 そう言う沙織さんの表情は、どこか少しだけ嬉しそうだった……気がする。気のせいかも?


「ただ、これも問題が無いとは……」

「ですねぇ、お尻はピッタリなのに他はダボついているとか、ちょっと身動きがとりにくそうですね」

「でも、知佳ちゃんは車椅子に座った状態だから、これでも良いのかも?」

「それもそうですね、何かあっても私が知佳さんを護りますし。このスーツは一応の保険、これが役に立つ事が無いよう頑張りますわ」


 などと、なぜかさらっと私を護る宣言を沙織さんがしていますが、私何かしたっけかな?

 でも、嫌われてはいないみたいだしいっか。


「とりあえず今日はこれで行くとして、後日きちんと採寸した物を注文した方が良いですね。そうすれば黒一色じゃなくていろんな色にもできますし」

「と、ところで沙織さんもそれ着るんだよね?」

「もちろん着ますよ?」


 グビリ……あのナイスバディがこのぴったりスーツを着込むとどうなるんだろう?

 見たいような、見たくないような……見ちゃうとその性能差に絶望しそうな予感が。


「さて、あとは胸、足、腕のそれぞれのプロテクターですけど、これは向こうで着ければいいですよね」

「そうですね、これつけたまま向こうまで移動するのは疲れそうですし」

「えー、それ言うならこのスーツも結構大変だよ?これも向こうで着るんじゃだめなの?」

「革製品は少しは着慣した方が良いから、それは我慢してね?」

「なるほど、そういうのがあるのかー」

「それじゃ、私も着替えてきますので玄関で待っていてくださいね」


 そういって沙織さんが出て行ったので、私は残った準備として曾お婆ちゃんに貰った黒い木の棒を箱から取り出した。


「んー、これどうやって持って行こう?どこかしまう所……あれ?」


 その棒をどこにしまおうか悩んだ所、手から消えてしまった。

 その消え方に何となく思い当たる事があったので、出て来い!と念じてみると出てきた。


「むむむ、これはっ」

「ん、どうしたの?」

「えっと、見ててね。ここに棒があります」

「うんうん」

「これを、ハッとやると!」


 といって目の前で棒を消して見せると、玲子さんはすごく驚いて


「消えた!知佳ちゃんいつの間にそんな手品を覚えたの?」

「えへへー、手品じゃなくて、スキルの砦っていうのに倉庫があって、念じるとそこにしまったり取り出したり出来たー」

「あぁ、例のスキルかぁ、そこにお宝も入っているんだっけ?」

「あぁーーー、お宝忘れてた!!」

「何も言ってこないと思ったら忘れてたのね。それじゃ移動する車の中で何が入ってるか調べてみたら?」

「そだねー、そうする。と言う訳で、この棒はしまっちゃいます」


 そして他に持って行くものも無いので、玲子さんの着替えが終わるのを待って玄関まで移動した。

 するとそこには曾お婆ちゃん、お婆様、美雪伯母さんと、見知らぬ3人の女性がすでにいて


「知佳ちゃんや、無理はだめよ?安全第一、怪我せずに戻ってくるんだよ?」

「はーい」

「良い事知佳さん、やっと家族になって、これからなんだから、なにがなんでも無事帰ってくるんだよ?怪我なんかしたら承知しないからねっ!」

「あ、はい」


 お婆様は相変わらず口調がきついけど、こっちを心配してくれているのが分かるのでついつい顔がにやけてしまう。


「知佳さん、いいこと?危なくなったら沙織を盾にしていいから、怪我だけはしないようにね?」


 うーん、美雪伯母さまは相変わらず発言がどこかずれてるなぁ。

 そんな事を思っていると、沙織さんも着替えが終わった様でやってきた。


「ちょっとお母さま?実の娘を盾にしろって、私はどうでもいいって事ですか?」

「あら、それじゃあなたは知佳さんを盾にする気なの?」

「そうはいってません!いざとなれば私が身を挺してでも知佳さんを守りますけど、それとこれとは話が……」


 などと、相変わらず親子漫才をしてる。美雪伯母さまも、言っていることは突き放した感じだけど、態度とかを見ていると仲が良いのは丸わかりなんだよね。

 そんな事より、スタイル抜群の沙織さんがぴっちりライダースーツを着た姿は破壊力抜群でした!


「まぁまぁ、そんなこたどーでもいいんだよ。みんな怪我無く帰っておいで!」

「はーい」

「あんたたちもこの子の護衛、頼んだよ!」

「「「はっ」」」


 お婆様が今日初めて見る3人の女性に対してそう声を掛けていた。

 きっとこの人達が一緒にダンジョンに潜る凄腕の護衛の人達なんだろう。


 その後、それぞれが自己紹介してくれました。

 最初にボブカットでこちらもすらりとした体つきで175cm位のお姉さん。


宇喜多うきた あおいです。3人の中ではリーダー的立場です。ガードは任せてください!」


 次にショートカットですらりとした体つきの170cm位のお姉さん。


小早川こばやかわ かえでです、本日はよろしくお願いいたします」


 最後に頭の左右それぞれにお団子をつけた身長160cm位、ちょっとふくよかなその体系に共感が持てるお姉さん。

 ただし、その胸は駄目だ!

 めちゃくちゃおっきいです、ケンカを売られてます!


徳大寺とくだいじ 京香きょうかよ、よろしくね~」


 表情的にもしゃべり方的にもぽややんとした感じで、全体的に柔らかい雰囲気のお姉さん、胸も大変柔らかそうです。

 でも私の本能が叫んでいる、この人を怒らしちゃいけないと……


「こ、近衛 知佳です、今日はよろしくお願いします」


 と京香さんに少しおびえつつわたしも自己紹介しておいた。

 沙織さんは顔見知りなのかな?


「今日はダンジョンに潜りますけど、いつも通りよろしくお願いしますね」


 と言ってました。普段からお願いしてるのかな?

 また、なぜか玲子さんも知り合いっぽくて


「3人とも久しぶりね、今日はよろしくね」


 と挨拶していたけれど、その時の3人はなぜかすごくかしこまった感じでした。どういう関係なんだろう?

 今度機会があったら聞いてみよっと。


 そして、ダンジョンというか、うちの倉庫までは玄関前に止まっていた黒のワンボックスで行く様です。

 どうしていつもの車を使わないのか玲子さんに聞いてみたところ、義家族が家の近くにいる可能性があって、もしいた場合いつもの車だと絡まれる可能性が高いからだとか。


 そこで、昨日の話し合いで既にうちの倉庫を二条関連の会社で建て直す事になっているので、その会社の車を用意したのだそうです。

 そんな関係でうちの倉庫にこの車が行っても何もおかしくないんだそうです。


 もっとも、倉庫を立て直すというのは建前で、ダンジョンを隠すための建物に建て替えるというのが正解なんだけどね。

 でも、あくまでも建前上は倉庫の立て直しってことにするんだって。

 大人ってすごい!そんな細かい事まで気が回るとか、任せて正解だったね!


 というわけで、二日ぶりの我が家に向かってしゅっぱーつ!


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短編を書いてみました


勘違いからの婚約破棄騒動


お暇でしたらこちらもよろしくお願いします
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