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スキル『砦』を使って快適ダンジョンライフ  作者: 日進月歩
第一章 その時地球が震えた
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異世界召喚キタコレ!(改稿済)


2020年3月25日20:40


 お部屋で夕飯後にのんびりしていると、ペットのミミちゃん(シーズー3歳メス)が突然吠えだした。


「ミミちゃん、どうしたの?」


 どうしたんだろう、いつもこの時間は大人しいのに。

 と、思っていると今度はドアをカリカリし始めた。

 お散歩に行きたいのかな?


「なーに?お散歩行きたいの?」


 そう思って聞いてみたところ、どうやら当たりみたい。

 これはもうお散歩行かないと収まらないかなー?


「はいはい、お散歩ね。今用意するからちょっと待ってね」


 まだ外は肌寒いのでコートを羽織ってから玄関へ行き電動車椅子のバッテリーをチェック。

 満充電されているのを確認してからミミちゃんにリードをつけ、電動車椅子に乗ってお散歩にしゅっぱーつ。

 今日は義父も義母も義兄も旅行に行っていないので戸締りも特に気にすることなく出かけられるから良いね!


「さて、今日はどこにいこっか?」


 どうやらミミちゃんはかなりご機嫌の様でいつも以上に張り切って走っているね。

 そんなに走るとすぐ息切れするよー?


「張り切るのは良いけど、また途中で疲れたーってならないでよ?」


 そうしてミミちゃんの気の向くままにお散歩を始める。

 お散歩と言っても、この辺一帯は家の土地なので通行人を気にする事も無く、気ままにのんびりとお散歩できるのがいいんだよね。

 さて、今日はミミちゃんはどのコースかな?南の畑かな?それとも西の倉庫かな?北の林方面は勘弁してほしい所だけど。


 どうやら今日は西の倉庫方面の気分らしいので、そちらに向けてミミちゃんとお散歩を開始。

 西の倉庫までは100mも無いのだけど、まだ小さいミミちゃんには丁度良い位の距離かな。

 はしゃぎすぎた日は倉庫についた段階で疲れて、私にだっこしろとせがんでくるのが難点だけれども、そこがまた可愛いくて仕方がない。


 途中でミミちゃんが用を足しつつ倉庫までのんびりとお散歩。

 今日はこの後義兄に襲われかける心配などをしなくて済む分いつもより気分がいい。


 わたしはまだ中学二年生だというのに、あの義兄(17歳)はいつも私の事をいやらしい目で見てくるので勘弁してほしいんだよね。

 しかも肥満・ニキビ面・コミュ障の癖にドスケベと、良い所が一つも無いと来ている。


 義理とは言え妹の私のお風呂や着替えを覗こうとするのはまだましな方で、酷い時には夜這いまでしようとする始末。

 義理でも家族だから訴えていないけど、赤の他人だったらとっくに訴えている所だ。


 ちなみに2度目に襲われそうになった後に、ハウスキーパーの玲子さんに色々教えられ、家のセキュリティを強化したのはだいぶ前の話だ。玲子さんには感謝しかない。


 と、そんな事を考えていたらもうすぐ倉庫につきそう。

 もっとも、倉庫と言ってもかなり古い大きな建物で、昔はトラクターなどの車庫に使っていた物らしいが今は少しの荷物を置いてあるだけで、それらの洗車に使っていたのであろう水道があるから現在はミミちゃんのお散歩コースの一つになっている。


 ……と、倉庫に着くとさっそくミミちゃんからお水の催促。


「はいはい、喉が渇いたのね。だからはしゃぎすぎちゃだめって言ったのに」


 ミミちゃんは予想通りにはしゃぎすぎて喉が渇いたらしい。

 仕方ないので水道からお水を出して……と思ったらミミちゃんが倉庫の中心あたりに突然移動し、地面をカリカリと掘り出した。


「ん?ミミちゃんどうしたの、そんなところ掘って。なにもないよー?」


 どうしたんだろう?こっちを見て咆えた後に、倉庫の真ん中あたりを再び掘り始めた。


 誰かが何かを埋めて行ったのかな?

 でもここに来る人なんていないと思うんだけど。

 とりあえずミミちゃんが何を掘っているのか見てみようと思い、車椅子をミミちゃんのいる場所に移動させた……とほぼ同時に



   グラ


グラグラ


    グラグラグラ……


 と揺れたかと思うと同時に


ピカーーーーーーッ



 と、突然地面が光り出しました!その光を薄目で良く見てみると


「え、なにこれ……おっきな二重丸の中に、六芒星……これって、もしかして魔法陣!?ミ、ミミちゃんこっちおいで、早くっ!」


 何があるか分からないからミミちゃんを呼ぶと、一吠えして私の膝の上に飛び乗ってきた。

 わたしはミミちゃんを抱きしめたまま、眩しくて目を開けられない状態で丸まっていたのだけど、揺れは少しすると収まった様子。


 その後少しすると光も収まった様なので恐る恐る目を開けてみると、そこは石でできた教室ほどの広さの部屋になっていた。

 え?私倉庫にいた……よね、ここどこ?


 そしてその部屋の中心には、わたしの目の高さ位の台があり、その上に直径30cmほどの大きさの水晶玉が乗っかっていてほのかに光を発している。


「こ、これ……なに、何があったの?足元に急に現れた光る魔法陣……石でできた部屋、さらには光る水晶玉。まさか……もしかして……異世界召喚!?」


 気になって周りを見てみるけれど……誰もいない?あれ、違うのかな?

 もっとも、突然召喚されて奴隷扱いされるのは嫌だから、誰もいないのはそれはそれで良いんだけど……


 ってちょっとまって、異世界=中世時代=電気が無い!?


「ちょ、松葉杖持ってきてないし、バッテリー切れたら私移動できないじゃん!」


 そう、わたしは小学校に上がる少し前に事故でお母さんを亡くし、その時私も巻き込まれて右足の脛を複雑骨折した。

 その時の後遺症で右足の膝から下はほとんど力が入らなくなり、それからは移動するのに松葉杖や車椅子が必要になっている。


 その後はお父さんのお母さん、いわゆる父方の祖母の家でお父さんと3人で暮らしていたが、小学4年生の時にお父さんはいまの義母と再婚するも、わたしが中学に上がる前にこれまた仕事現場での事故で亡くなってしまった。


 その後1年経たないうちに義母さんが再婚し、新しい義父さんと義兄さんが家にやってきたが、新しい義家族とはうまく馴染めなかったため、母屋ではなく離れでおばあちゃんと二人で暮らしていた。


 そのおばあちゃんも去年の暮れに風邪をこじらせて亡くなってしまい、その後は義両親が私の面倒をまともに見てくれる事も無く、わたしはおばあちゃんがまだ生きていた頃からお世話になっているハウスキーパーの御影みかげ 玲子れいこさんにいろいろとお世話になっているのが現状……



 などと過去を思い出して現実逃避していても仕方がないか。

 とりあえずこの広い部屋の中には、目の前の台座の上で光る水晶以外は無さそうだし、これをさわれって事なのかな?


 そう思い、とりあえず手を伸ばして何とか水晶玉に触れたんだけど……


《キンコーン ただいまダンジョンが全世界で初踏破されました》


 と、突然何処からともなく声が聞こえてきた。


「え?なにいまの。ダンジョン?全世界初踏破?えっと、いまのって私のせい……じゃない、よね?ミミちゃん、私のせいじゃないよね?」


 とりあえずミミちゃんに同意を求める。

 しかしミミちゃんは裏切った!


「え、しらないって。それはちょっと酷くない?てかあんた、こんな状況だっていうのに私の膝の上で随分くつろいでるね」


 ミミちゃんに同意を求めたのに、我関せずとくつろいでいますよ?

 全くこの子は、肝が座っているのか何もわかっていないのか……まぁ何もわかってないんだろうなぁ。お犬様だしね!


 さて、この状況どうすれば良いんだろう。やっぱりあれかな?あれやらなきゃダメなのかな?

 やっちゃうよ?だ、誰もいないよね、これ見られるとさすがに恥ずかしいからね。

 そして周りを再度見回して誰もいないのを再確認、そして決心した私は……



「ステータスオープン!」


 しーーーん……


「あるぇー、出ない。なんでー?ここはステータスウィンドウが出る所じゃないの!?」


 と思っていると突然何処からともなく声が!誰もいなかったはずなのに!?


『はーい、おまたせ。ごめんね~、ちょっと立て込んでいて対応が遅くなりました』


「だ、誰?」


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短編を書いてみました


勘違いからの婚約破棄騒動


お暇でしたらこちらもよろしくお願いします
― 新着の感想 ―
[気になる点] ペットって言われても何のペットか描写して欲しい。 恐らくは犬?それも小型犬だとは思うが。
[一言] 日付けがめっちゃコロナやん
感想一覧
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