表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキル『砦』を使って快適ダンジョンライフ  作者: 日進月歩
第四章 ダンジョン発生から一月経過
198/232

敵は隠れていますか?いいえ、隠れていませんでした

いつも誤字報告有難うございます


 その後森の中を進みつつ、開けた場所があれば薬草を探してもらっていたのですが……


「コップだとやはり入れられる量に限りがありますね」


 そう、採取した薬草をどんどんコップに刺していたのですが、さすがに20本も刺すといっぱいに。


「どうしようかこれ。コップから抜いたらやっぱり魔力もれるのかな?」

「でもそうすると、結局ポーションにするためにあれこれやる時に魔力は漏れちゃいますよね?」

「知佳ちゃん、昨日切り分ける時は漏れなかったのよね?」

「うんー、漏れてなかったね」


 確かに、元々品質が良いとは言えなかったけど、それでも魔力は残っていたようですし、きちんと切り分けたときは魔力は漏れなかったんですよね。


「と言う事は、採取してしばらくすると漏れなくなる?」

「植物としての生命活動を停止して、魔力の循環がなくなるとか?」

「いえ、植物はこの状態でもまだ生命活動はしているかと」

「まぁ、どの道このままってわけにもいかないから、最初の方の薬草を抜いてみましょうか」


 ということで、最初の頃の薬草をコップから抜いてみることに。

 ちゃんとね、鑑定を掛けっぱなしにしてチェックしておきますよ。


 そして結果はというと、最初の頃に採取したものはコップから抜いても魔力は漏れず、ちょっと前に採取したものは漏れる。

 そこから導き出されたのは、採取してからしばらくの間は魔力が漏れるけど、しばらくすれば漏れなくなると言う事。


「と言う事は、しばらく魔力のこもった水につけておいて、後は別の袋に入れておけばいいと言う事ですね」

「これならまだ採取も楽かな?」


 と言う事になり、用意するコップは1つで良いだろうと言う事に。

 もっとも、今後はコップではなくもっと良さそうなものを用意しておくとの事でした。


 そんな感じで敵が出たら戦い、開けた所で採取してと進んでいたのですが、いまだこの階層で新しい敵が出ていません。

 この階層も新しい敵がいると思うのですが……


「前の方に敵反応。1つだから、蛇か蜘蛛かな?もしかしたら新しい敵かも?」

「どの辺?」

「あれあれ、あの木」


 そして指さした木はというと、他の木とはちょっと違った感じで目立っていました。


「んー、あの木って初めて見る気がするけど?」

「そうですね、今までとはちょっと違う気がしますね」


 何が違うんでしょうね?

 どこがという訳ではないけれど、何か違和感が……


「まぁ、変わった木なのはあとで調べるとして、敵は上か下か……はたまた木の裏に隠れているのか」


 そしてみんなが敵の出現を警戒し、私もいつでも弓を撃てるよう構えたのですが、一向に敵が出てくる気配がありません。


「葵、アトラクトお願い」

「わかりました、いきます」


 と、どうやら誘い出すことにしたようです。

 したのですが……

 敵が出てきませんよ?


「あれ、失敗?」

「そんな感じはしないのですが……あの木がガサガサ言っているので、木の下に埋まっているか、上にいるかですかね?」


 そう、アトラクトをかけると先ほどの変わった木がガサガサと枝を鳴らしているのですが、敵の姿が一向に見えません。

 んー、木が気になるし、鑑定してみましょうかね?


 そして鑑定した結果はというと……


「あの木が敵みたい」

「え?……あ、もしかしてトレント?」

「トレント(カエデ)だって。特殊能力とかはなさそうだよ」

「ここにきてトレントですが……有効打を与えられそうなのは、玲子さんの攻撃?でも剣であの太さの木を攻撃というのも……」


 そう、現在私たちは斧を持っていないし、剣で攻撃するにはちょっと太さがありすぎる気がします。


「魔法で攻撃する?」

「んー、無理して戦わなくてもいい気もするけど、どうしようか?」

「動けないっぽいし、避けて進めばいいだけ」

「そう言えば、カエデってメイプルシロップが取れるんだっけ?あれはサトウカエデか……でもカエデならメイプルシロップ、落としそうじゃないですか?」


 そう、言われて気が付きましたが、カエデと言えばメイプルシロップ!

 そしてここにきて違和感の正体がわかりました。

 よくよく観察してみると根っこがね、他の木と違って大半が地面の上に出ていました!


 そして敵は移動が出来ないのか、いまだこちらに寄って来ないので作戦会議をした結果、とりあえず私が弓で攻撃をしてみることに。

 まあ、動かないなら良い的ですしね。


 ……あいつ弱点とかあるのかな?あるなら狙うんだけど、特に変わったところも見当たらないし、狙いやすい所でいっか。

 ということで、皆には周りを警戒してもらってどんどん撃ちこみましょうかね。


 一発目を当てたんだけど、矢がはじけちゃいました……


「結構硬そうですね」

「そうだねぇ、あれダメージ入ってるのかな?」

「当たってはいるから入っていると思いますよ?」

「知佳さん、その矢じゃなくてこの間お渡しした方の矢を使って見てもらえますか?」

「この間貰ったって……あ、北海道行った時にもらった奴?」

「そうそれです」


 そう言えばあの時、新しい矢をもらっていましたね。

 せっかくなので使って……お、重い。


「これ、重いね」

「使えなさそうですか?」

「ん……使える、かな?」


 持った感じは重いけど、矢をつがえれば特に問題はなさそうなのでこれで


「あ・た・れっ」


 すると、先ほどの矢ははじけたのに、この矢は根元まで埋まりましたね。

 敵はというと、根っこがうねうねし、枝もばっさばっさ揺らしています。


「おー、苦しんでる苦しんでる。かなり有効そうね」

「どんどんやっちゃいましょう」


 敵に矢が当たるたびに根がうごめき、それに伴って幹が揺れ、枝もバサバサしていますが、距離があるので何ら脅威ではありません。

 そして4射目が当たると、バキバキ音を立てながら倒れました。


 そして近づいて行き枝とかを見ていたのですが、やはり一定時間で消えてドロップになりました。

 出たドロップは、魔石、枝、そして瓶に入った透明な液体。


 透明な液体……メイプルシロップじゃなさそうですね。

 これなんでしょうか?

 早速鑑定してみると、カエデの樹液と出ました。


「んー、カエデの樹液って?」

「あぁ、メイプルシロップの元ですね。それを煮詰めるとメイプルシロップになるんです」


 おー、これを煮詰めるとメイプルシロップが……味を想像すると今からよだれが出てきちゃいます。


 それにしても、この敵は特に脅威もないし、倒すのもそれほど大変でもないですね、ボーナスエネミー的なやつなのでしょうか?

 そう言って見た所、


「知佳ちゃんだからそう思うだけで、ちゃんとした武器が無いとかなり大変だと思うわよ?」

「ですね。私たちも手持ちの武器だと結構大変だと思います。もっとも魔法を使えば話は変わるでしょうけどね」


 と言う事で、次に見つけたら魔法で倒してみる事に。

 そしてついでに藪漕ぎ用の鉈を玲子さんに、爆砕君を葵さんに使ってもらい、どのくらい戦えるかも試すそうです。


 結果はというと、火系の魔法がよく効き、後はストーム系の魔法も葉が生い茂っている枝部分に掛けるとかなり効果的と言う事が判明。

 そして鉈と爆砕君での攻撃ですが……


「うわ、近づくと地下からの根の攻撃と枝を振り下ろした攻撃が来るのか」


 どうやら近づくと根っこと枝を振り回してそれで攻撃してくる模様。

 この敵は近づかずに攻撃するのが正解みたいでした。

 やっぱり他のPTの人たちも早いうちから弓を使うようにしておいた方が良いですよね?

 その点を玲子さんに聞いてみると


「自衛隊の人達は、今の所ダンジョンでは使っていないけれど、希望者には弓の訓練をしているみたいよ?」


 との事でした。


 そして鉈での攻撃は、武器として持ってきたものではないのにそれなりには効果がある模様。

 また、爆砕君はというとさすがに強く、幹を殴ると葉っぱがばっさばっさ降ってきました。

 そして2回目に殴った時にバキバキいいながら敵は倒れました。

 これはダンジョン産の斧とかあると、かなり有効かもしれませんね。

 ということで、今後は地球産素材ではありますが、両手斧も持ってこようかという話になりました。


 あ、ちなみに敵にめり込んだ私の矢は、敵がドロップになると同時にその場に落ちて回収出来ました。

 出来たのですが、すこし歪んでいて、矢羽も取れちゃっていたので再使用は無理そうです。

 そのことを薫さんに伝えると、開発元に渡しておくと言っていました。


この作品の半分は皆様の優しさで出来ています。

ですので、もしほんの少しでも


面白かった!

続きが気になる!

更新まってる!

応援してあげる!


と思ってくださる優しい方がいらっしゃいましたら、是非ブックマークや評価のほどをお願いします。

特に下部の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけると作者が諸手を挙げて喜びます。


また、皆様からのご意見ご感想、忌憚ない意見もお待ちしています。

これらはこのお話を作る原動力になっていますので、どうぞよろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
短編を書いてみました


勘違いからの婚約破棄騒動


お暇でしたらこちらもよろしくお願いします
― 新着の感想 ―
[一言] 個人的にはある程度の階層は飛ばしてもいいのかなと思います。数階層進んだ、リザルト回のような? 物語のゴールをどう設定されているか分かりませんが、200話程度でまだ一般解放されてないとなると全…
[一言] あれ?主人公は貫通スキル持ってたはずだけど矢普通に弾かれるんですね ボスオークを貫通して壁にぶつかったと以前あったけどなんでも貫通するわけではない?
[一言] 文章を書くのって難しいですよね、もし自分が考えた事をそのまま書いたら、だらだらと長くなって途中で飽きられる思いますし、かといって削りすぎれば淡々した文章になってつまらない小説になりそうですし…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ